3.耳鼻咽喉科学 3)口腔・咽頭・喉頭科学 ②発声のメカニズム

〈第12回 ST国試 午前19〉

発話時の呼吸について正しいのはどれか. 
1.声の高さの調節に呼気圧は無関係である.
2.声の強さは声門下圧に反比例する.
3.吸気相に比べて呼気相が長い.
4.無声子音生成時に呼気は停止する.
5.持続発声時に呼気筋は収縮を持続する.

解答

1.× 声の高さの調節に呼気圧は関係する.
2.× 声の強さは声門下圧に比例する.
3.○ 正しい.
4.× 無声子音生成時にも呼気はみられる.
5.× 持続発声時は吸気筋に続き呼気筋が収縮を開始する.


〈第20回 ST国試 午前19〉

正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.最長発声持続時間(MPT)の測定は3回実施して最大値を採用する.
2.発声時平均呼気流率と呼気圧の積は声門抵抗を反映する.
3.両唇破裂音の破裂の直前の口腔内圧は大気圧より低い.
4.持続母音発声時の声門上圧は声門下圧と等しい.
5.口唇の突出は声道長を延長する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 発声時平均呼気流率と声門抵抗の積は呼気圧を反映する.
3.× 両唇破裂音の破裂の直前の口腔内圧は大気圧より高い.
4.× 持続母音発声時の声門上圧は声門下圧より低い.
5.○ 正しい.


〈第23回 ST国試 午前20〉

誤っているのはどれか. 
1.呼気流率は発声時1秒間に消費される呼気流量である.
2.健常者の呼気流率は声の高さや大きさによらずほぼ一定値である.
3.声門閉鎖不全例では呼気流率が増加する.
4.気流阻止法で測定される口腔内圧は発声時の呼気圧を示す.
5.呼気圧は呼気努力を評価する意義をもつ.

解答

1.○ 正しい.
2.× 健常者の呼気流率は声の高さや大きさ,発声時の呼気や喉頭調節の程度により変動する.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第20回 ST国試 午後18〉

正しいのはどれか. 
1.最大呼気位とは肺内の空気を全て呼出した状態である.
2.安静呼気位とは呼吸筋が弛緩した状態である.
3.深吸気では腹筋を積極的に利用する.
4.無声摩擦音生成時には呼気が停止する.
5.持続発声時には横隔膜は徐々に収縮する.

解答

1.× 最大呼気位でも肺内に空気は残る(残気量).
2.○ 正しい.
3.× 深呼気では腹筋を積極的に利用する.
4.× 無声摩擦音生成時にも呼気はみられる.
5.× 持続発声時には横隔膜は徐々に弛緩する.


〈第17回 ST国試 午前20〉

正しいのはどれか. 
1.裏声発声時には声帯の厚みが増す.
2.吸気発声時には仮声帯は外転する.
3.高音発声時には声帯長は短縮する.
4.地声発声時には甲状披裂筋は弛緩する.
5.持続発声時には横隔膜は徐々に下降する.

解答

1.× 裏声発声時には声帯の厚みが減少する.
2.○ 正しい.
3.× 高音発声時には声帯長はみかけ上伸張する.
4.× 地声発声時には甲状披裂筋は収縮する.
5.× 持続発声時には横隔膜は徐々に上昇する.


〈第11回 ST国試 午後21〉

誤っているのはどれか. 
1.裏声発声では声帯振動の振幅が小さくなる.
2.二重声の診断にはストロボスコピーが有用である.
3.吸気発声で仮声帯は外転する.
4.女性にも変声期はある.
5.女性の話声位は加齢とともに低くなる.

解答

1.○ 正しい.
2.× 二重声の診断にはサウンドスペクトログラムが有効である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第12回 ST国試 午後18〉

誤っているのはどれか.2つ選べ. 
1.安静呼吸では声帯は外転位にある.
2.後輪状披裂筋は声門開大筋である.
3.声帯遊離縁の粘膜は重層扁平上皮である.
4.声を高くすると輪状甲状間隙は狭くなる.
5.喉頭の知覚神経は上喉頭神経外枝である.

解答

1.× 安静呼吸で声帯は正中位にある.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 喉頭の知覚神経は上喉頭神経内枝である.


〈第21回 ST国試 午後18〉

裏声発声について正しいのはどれか. 
1.甲状披裂筋が収縮する.
2.粘膜波動が大きい.
3.声門開放率が大きい.
4.声帯縁の接触時間が長い.
5.高調波成分に富んでいる.

解答

1.× 裏声発声では輪状甲状筋が収縮する.
2.× 裏声発声では粘膜波動が小さい.
3.○ 正しい.
4.× 裏声発声では声帯縁の接触時間が短い.
5.× 裏声発声では高調波成分が乏しい.


〈第21回 ST国試 午後19〉

声帯の内転・外転運動の観察に適した発声はどれか. 
1.「エー」(持続発声)
2.「シー」(持続発声)
3.「ムー」(ハミング発声)
4.「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)
5.「パタカパタカパタカ」(すばやく反復)

解答

1.× 声帯の内転・外転運動の観察に適した発声は「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)である.
2.× 声帯の内転・外転運動の観察に適した発声は「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)である.
3.× 声帯の内転・外転運動の観察に適した発声は「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)である.
4.○ 正しい.
5.× 声帯の内転・外転運動の観察に適した発声は「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)である.


〈第18回 ST国試 午前20〉

声帯の粘膜波動生成に関わるのはどれか. 
1.ハース効果
2.ベルヌーイ効果
3.ドップラー効果
4.プライミング効果
5.カクテルパーティー効果

解答

1.× ハース効果は同じ音が複数の方向から同音量で聞こえた場合,最も早く到達した音の音源方向に定位が偏って聞こえる現象である.
2.○ 正しい.
3.× ドップラー効果は音源と観測者との相対的な速度によって,音の周波数が異なって聞こえる現象である.
4.× プライミング効果は先行する刺激が後の刺激の処理を促進(正のプライミング)または抑制(負のプライミング)する効果のことである.
5.× カクテルパーティー効果は騒音下でも特定の音を選択的に聴取できる現象である.


〈第19回 ST国試 午後19〉

母音/a/の持続発生中,最も内腔圧が高い部位はどれか. 
1.声門下
2.声門上
3.咽頭
4.鼻腔
5.口腔

解答

1.○ 正しい.
2.× 母音/a/の持続発生中,最も内腔圧が高い部位は声門下である.
3.× 母音/a/の持続発生中,最も内腔圧が高い部位は声門下である.
4.× 母音/a/の持続発生中,最も内腔圧が高い部位は声門下である.
5.× 母音/a/の持続発生中,最も内腔圧が高い部位は声門下である.


〈第16回 ST国試 午前19〉

最長発声持続時間に直接関与しないのはどれか. 
1.吸気予備量
2.肺活量
3.呼気予備量
4.残気量
5.深吸気量

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 残気量は呼息後に肺内に残ったもののため最長発声持続時間には関与しない.
5.○ 正しい.


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