【1】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準1995年)に従って図のように左股関節の可動域を測定する.正しいのはどれか. 1.基本軸は体幹との平行線である.
2.参考可動域は60度である.
3.固定部位は脊柱である.
4.移動軸は腓骨である.
5.背臥位で行う.
解答
1.× 股関節外旋の基本軸は膝蓋骨より下ろした垂直線である.
2.× 股関節外旋の参考可動域は45度である.
3.× 股関節外旋の固定部位は骨盤である.
4.× 股関節外旋の移動軸は下腿中央線である.
5.○ 正しい.
【2】Danielsらの徒手筋力テストで肩関節屈曲の段階3を測定する際,図のような代償がみられた.代償運動を生じさせている筋はどれか.
1.僧帽筋
2.棘上筋
3.大胸筋
4.上腕二頭筋
5.上腕三頭筋
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 肩関節を外旋し上腕二頭筋の代償により肩関節屈曲している.
5.× 誤り.
【3】45歳の男性.足底のしびれと疼痛を感じたため病院を受診した.足底に放散する痛みを自覚し,母指外転筋の筋萎縮を認めた.この患者の内果下方で陽性となる検査はどれか.
1.Silfverskiöld test
2.Single heel rising test
3.Thompson test
4.Tinel sign
5.Too many toes sign
解答
1.× Silfverskiöld testは下腿三頭筋短縮の検査である.
2.× Single heel rising testは成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全)の検査である.
3.× Thompson testはアキレス腱断裂の検査である.
4.○ 足根管症候群による脛骨神経圧迫が考えられるのでTinel sign陽性となる.
5.× Too many toes signは成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全)の検査である.
【4】次の文により,4,5の問いに答えよ.51歳の女性.突然の意識障害で急性期病院に搬入された.意識レベルはJCSⅢ-200.血圧182/102mmHg.心拍数72/分.項部硬直は陽性.発症時の頭部CTを示す.この患者で疑う疾患はどれか.
1.髄膜炎
2.脳腫瘍
3.脳膿瘍
4.くも膜下出血
5.急性硬膜下血腫
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ①突然の意識障害,②項部硬直は陽性,③発症当日の頭部CT(くも膜下槽へ血液が流入し高吸収域)よりくも膜下出血である.
5.× 誤り.
【5】次の文により,4,5の問いに答えよ.51歳の女性.突然の意識障害で急性期病院に搬入された.意識レベルはJCSⅢ-200.血圧182/102mmHg.心拍数72/分.項部硬直は陽性.発症時の頭部CTを示す.その後,急性期病院で2週間の保存的療法を受け,回復期リハビリテーション病院に転院した.転院後,徐々に自発性低下,行動異常および頻回な転倒を認めた.転院してから約2週後の頭部CTを示す.考えられる他の特徴的な症状はどれか.
1.下痢
2.発熱
3.血圧上昇
4.視野障害
5.排尿障害
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ ①自発性低下,②行動異常および頻回な転倒,③約2週後の頭部CTより側脳室の拡大から正常圧水頭症が疑われるので排尿障害が考えられる.
【6】ゴムバンドを用いて筋力増強運動を実施している様子を図に示す.この運動で最も増強される筋はどれか.
1.前鋸筋
2.大胸筋
3.棘下筋
4.肩甲下筋
5.烏口腕筋
解答
1.× 前鋸筋は肩甲骨外転・上方回旋作用なので増強されない.
2.× 大胸筋は肩関節屈曲・内転・内旋・水平屈曲なので増強されない.
3.○ 正しい.
4.× 肩甲下筋は肩関節内転・内旋・水平屈曲なので増強されない.
5.× 烏口腕筋は肩関節屈曲・内転・水平屈曲なので増強されない.
【7】17歳の女子.サッカー中に転倒し歩行困難となったため受診した.右足関節外側靭帯損傷と診断され,安静目的に10日間の固定を行った.短下肢装具を着用し,理学療法を開始した.正しいのはどれか.
1.足関節周囲筋のストレッチを行う.
2.歩行練習は圧痛が改善してから開始する.
3.装具はできる限り早く外すように指導する.
4.バランストレーニングは開眼片脚起立から開始する.
5.筋力トレーニングは閉鎖性運動連鎖(CKC:closed kinetic chain)から開始する.
解答
1.○ 正しい.
2.× 疼痛自制内で部分荷重の歩行練習から開始し,可及的に全荷重の歩行へと進める.
3.× 約2か月は装具を装着するよう指導する.
4.× バランストレーニングは全荷重が可能となってから,バランスボードを使用し,開眼両脚起立から開始する.
5.× 筋力トレーニングは開放性運動連鎖(OKC:open kinetic chain)から開始する.
【8】図のようなクレンザック継手の機能で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.背屈補助
2.背屈遊動
3.底屈制限
4.底屈制動
5.底屈補助
解答
1.× 前方制動式は背屈を抑制する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× バネが挿入されたクレンザック継手は底屈制動の機能をもつ.
5.× バネが挿入された逆クレンザック継手は底屈補助の機能をもつ.
【9】60歳の男性.パーキンソニズムで,すくみ足を認める.メトロノームを用いた歩行練習により,10m歩行において,歩行率が120歩/分,歩行速度が0.8m/秒に改善した.平均的な歩幅はどれか.
1.30cm
2.35cm
3.40cm
4.45cm
5.50sm
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ (0.8×60)/120=0.4m
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【10】65歳の女性.右膝関節の痛みを主訴に来院した.右膝関節に軽度の屈曲制限があり,右内側広筋が軽度萎縮している.歩行時に内反膝を呈し,階段昇降時に右膝関節内側の痛みを強く感じている.装具療法で適切なのはどれか.
1.ロッカーバー
2.トーマスヒール
3.メタタルザルバー
4.外側ウェッジソール
5.内側ウェッジソール
解答
1.× ロッカーバーは中足骨骨頭痛や足関節関節炎・強直に適応となる.
2.× トーマスヒールは外反扁平足に適応となる.
3.× メタタルザルバーは中足骨頭痛に適応となる.
4.○ 正しい.
5.× 内側ウェッジソールは外反扁平足や外反膝に適応となる.
【11】68歳の女性.外出中,前方に転倒して受傷し,骨折に対して手術療法が行われた.術後のエックス線写真を示す.手術後の理学療法で正しいのはどれか.
1.骨癒合が得られてから荷重を開始する.
2.術直後から膝関節可動域練習を開始する.
3.ズボンを履く際は患側下肢から行うよう指導する.
4.両松葉杖で階段を降りる際は健側下肢から降ろす.
5.大腿四頭筋の筋力増強練習は等張性運動から開始する.
解答
1.× 骨癒合が得られる前からできるだけ荷重を開始する.
2.× 術後1~2週から膝関節可動域練習を開始する.
3.○ 正しい.
4.× 両松葉杖で階段を降りる際は患側下肢から降ろす.
5.× 大腿四頭筋の筋力増強練習は等尺性運動から開始する.
【12】58歳の男性.半年前から両手の筋萎縮に気付き,最近しゃべりにくさを自覚するようになった.体重は半年で70kgから60kgに減少.MMTは両上肢の近位筋が2,遠位筋が4,両下肢が4.四肢の腱反射は亢進.舌の萎縮が認められるが明らかな嚥下障害はない.肺機能検査で%肺活量は95%.動脈血ガス分析はPaO₂:90Torr,PaCO₂:40Torrであった.現時点で最も適切な対応はどれか.
1.BFOの導入
2.胃瘻造設術の施行
3.気管切開術の施行
4.電動車椅子の導入
5.在宅酸素療法の導入
解答
1.○ 両上肢の近位筋のMMTが2なのでBFOを導入する.
2.× 嚥下障害はないので胃瘻造設術の施行は現時点でまだ必要ない.
3.× 肺機能検査と動脈血ガス分析は正常範囲なので気管切開術の施行は現時点でまだ必要ない.
4.× 両下肢のMMTが4なので電動車椅子の導入は現時点でまだ必要ない.
5.× 肺機能検査と動脈血ガス分析は正常範囲なので在宅酸素療法の導入は現時点でまだ必要ない.
【13】20歳の男性.脊髄損傷.プッシュアップ動作を図に示す.この動作が獲得可能な最も高位の機能残存レベルはどれか.
1.C4
2.C5
3.C6
4.C7
5.C8
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 肘伸展を用いないプッシュアップ動作が可能となるのはC6機能残存レベルである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【14】42歳の男性.2週前に感冒症状が出現.3日前から両下肢のしびれと脱力を自覚し,症状が進行したため精査入院.握力は両側5kg未満.MMTは上肢3,下肢2.四肢の深部腱反射は消失し病的反射は認めない.表在感覚は両側下腿以下で重度に低下し異常感覚を伴う.神経伝導検査で両側正中神経および両側腓骨神経の活動電位の振幅の著明な減少を認める.最も考えられるのはどれか.
1.髄膜炎
2.多発性筋炎
3.多発性硬化症
4.筋萎縮性側索硬化症
5.Guillain-Barré症候群
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ ①2週前に感冒症状が出現,②3日前から両下肢のしびれと脱力,③深部腱反射は消失し病的反射は認めない,④神経伝導検査で活動電位減少からGuillain-Barré症候群が考えられる.
【15】5歳の女児.脳性麻痺による痙直型両麻痺.屋内での主な移動は車椅子で,監視下でPCW(postural control walker)を用いた歩行練習をしている.この児に対する動作指導で最も適切なのはどれか.
1.割座保持
2.補装具なしでの歩行
3.立位保持装置での立位
4.バニーホッピングでの移動
5.膝立ち位でのキャッチボール
解答
1.× 割座保持は下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
2.× 足底接地や膝関節制御を目的に補装具を使用した歩行練習を行う.
3.× PCWで歩行練習をしているため立位保持装置での立位は最も適切とは言えない.
4.× バニーホッピングでの移動は下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
5.○ 正しい.
【16】心電図を示す.考えられるのはどれか.
1.心房細動
2.心房粗動
3.房室ブロック
4.心室細動
5.心室期外収縮
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 幅広いQRS波は心室性期外収縮である.
【17】85歳の男性.急性発症2日目の脳梗塞に対して,積極的に離床を行ってもよいのはどの場合か.2つ選べ.
1.呼吸数40/分
2.心拍数80/分
3.神経症状の増悪
4.平均血圧65mmHg以上
5.RASS(Richmond Agitation Sedation Scale)-3
解答
1.× 積極的に離床を行ってもよいのは呼吸数<35回/分である.
2.○ 心拍数50/分≦もしくは≦120/分なので積極的に離床を行ってもよい.
3.× 神経症状の増悪は離床を行うべきでない.
4.○ 平均血圧≧65mmHgなので積極的に離床を行ってもよい.
5.× 積極的に離床を行ってもよいのは-2≦RASS≦1である.
【18】介護予防事業にて,図のようなテストで確認可能なのはどれか.
1.フレイル
2.サルコペニア
3.ダイナペニア
4.ロコモティブ症候群
5.コンパートメント症候群
解答
1.× 誤り.
2.○ 下腿周径はサルコペニアの筋量減少のスクリーニングテストとして用いる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【19】理学療法の臨床実習に参加している学生.脳梗塞による左片麻痺患者の評価を臨床実習指導者と行った.患者は常に右側を向き,左側からの声かけへの反応が遅かった.担当作業療法士の診療記録から収集する検査結果で最も優先度が高いのはどれか.
1.BIT
2.FAST
3.Stroop test
4.WAIS-Ⅳ
5.WCST(Wisconsin Card Sorting Test)
解答
1.○ 半側空間無視が疑われるのでBITの優先度が高い.
2.× FASTはAlzheimer型認知症の検査である.
3.× Stroop testは選択的注意機能検査である.
4.× WAIS-Ⅳはは知能検査である.
5.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test)は前頭葉機能検査である.
【20】水中での立位姿勢を図に示す.体重の約50%が免荷されるのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 体重の100%が免荷される.
2.× 体重の70%が免荷される.
3.× 体重の70%が免荷される.
4.○ 正しい.
5.× 体重の10%が免荷される.
【21】生活習慣病の発症・重症化予防の推進が規定された法律はどれか.
1.医療法
2.介護保険法
3.健康増進法
4.社会福祉法
5.地域保健法
解答
1.× 医療法は病院,診療所及び助産所の開設及び管理などを定めた法律である.
2.× 介護保険法は介護必要とする高齢者を社会全体で支え合うための制度(介護保険制度)について定めた法律である.
3.○ 正しい.
4.× 社会福祉法は社会福祉を目的とする事業ついて定めた法律である.
5.× 地域保健法は地域保健対策の推進,保健所の設置その他地域保健対策の推進について定めた法律である.
【22】予防医学に関する組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.一次予防 ――― 褥瘡対策
2.二次予防 ――― 人間ドック
3.二次予防 ――― ワクチン接種
4.三次予防 ――― 肺がん検診
5.三次予防 ――― 透析患者の運動療法
解答
1.× 三次予防 ――― 褥瘡対策
2.○ 正しい.
3.× 一次予防 ――― ワクチン接種
4.× 二次予防 ――― 肺がん検診
5.○ 正しい.
【23】運動制御における内部モデル形成で重要な役割をもつ中枢神経系はどれか.
1.小脳
2.中脳
3.視床下部
4.大脳皮質
5.大脳辺縁系
解答
1.○ 運動制御における内部モデル形成では小脳が重要な役割をもつ.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【24】軽度の片麻痺患者が車椅子から床へ移乗する手順で誤っているのはどれか.
1.車椅子のブレーキを確認する.
2.殿部を座面の前方に移動する.
3.非麻痺側の足部を十分後方に引く.
4.上体を前傾させて麻痺側の膝を床につく.
5.床に膝をついた側の殿部を接地させて回転するように着座する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 上体を前傾させて非麻痺側の膝を床につく.
5.○ 正しい.
【25】LawtonのIADLスケールに含まれるのはどれか.2つ選べ.
1.意思疎通
2.階段昇降
3.家屋維持
4.家計管理
5.排泄コントロール
解答
1.× 意思疎通はLawtonのIADLスケールに含まれない.
2.× 階段昇降はLawtonのADL評価に含まれる.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 排泄コントロールはLawtonのIADLスケールに含まれない.
【26】ICFの環境因子はどれか.
1.職業歴
2.屋外の移動
3.本人の性別
4.信仰する宗教
5.利用可能な保健サービス
解答
1.× 職業歴は個人因子である.
2.× 屋外の移動は活動と参加に含まれる.
3.× 本人の性別は個人因子である.
4.× 信仰する宗教は個人因子である.
5.○ 正しい.
【27】理学療法士の行動で適切なのはどれか.
1.患者の病状を許可なく友人に伝える.
2.患者に担当作業療法士の自宅住所を教える.
3.先輩職員に患者宅の家屋構造を伝えて住宅改修の相談をする.
4.患者の全身動画を自分のスマートフォンに保存して歩行を分析する.
5.利用者限定のSNS(Social networking service)に患者の個人情報を投稿する.
解答
1.× 理学療法士の行動で患者の病状を許可なく友人に伝えるのは不適切である.
2.× 理学療法士の行動で患者に担当作業療法士の自宅住所を教えるのは不適切である.
3.○ 正しい.
4.× 患者の全身動画を所属施設のモバイル端末に保存して歩行を分析する.
5.× 病理学療法士の行動でSNSに患者の個人情報を投稿するのは不適切である.
【28】H反射を導出するために刺激する神経で正しいのはどれか.
1.α運動神経線維
2.γ運動神経線維
3.Ⅰa群求心性線維
4.Ⅰb群求心性線維
5.Ⅱ群求心性線維
解答
1.× α運動神経線維はM波とF波を導出するために刺激する神経である.
2.× γ運動神経線維はS波を導出するために刺激する神経である.
3.○ 正しい.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【29】動的バランス能力評価検査はどれか.
1.10m歩行テスト
2.6分間歩行テスト
3.Trunk control test
4.Functional reach test
5.片脚立位バランステスト
解答
1.× 10m歩行テストは歩行・移動能力の評価検査である.
2.× 6分間歩行テストは持久力の評価検査である.
3.× Trunk control testは体幹機能を基本動作から評価する検査である.
4.○ 正しい.
5.× 片脚立位バランステストは静的バランス能力の評価検査である.
【30】脳神経と働きの組合せで正しいのはどれか.
1.副神経 ――― 僧帽筋の運動
2.滑車神経 ――― 眼球の内転運動
3.顔面神経 ――― 咀嚼筋の運動
4.三叉神経 ――― 舌前2/3の味覚
5.舌下神経 ――― 声帯の運動
解答
1.○ 正しい.
2.× 動眼神経 ――― 眼球の内転運動
3.× 三叉神経 ――― 咀嚼筋の運動
4.× 顔面神経 ――― 舌前2/3の味覚
5.× 迷走神経 ――― 声帯の運動
【31】運動療法を受ける患者の自己効力感が低下する可能性が高いのはどれか.
1.運動療法時に医療者が励ます.
2.運動後の疲労は問題ないことを説明する.
3.既に退院した患者の成功した治療例を伝える.
4.類似した事柄に対して過去に成功体験がある.
5.達成が困難な高い目標の運動課題を初めに設定する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 達成が可能な目標の運動課題を初めに設定する.
【32】内側型変形性膝関節症における歩行の特徴で正しいのはどれか.
1.歩隔は狭くなる.
2.両脚支持期は短くなる.
3.骨盤の回旋は大きくなる.
4.股関節伸展角度は増加する.
5.床反力前後成分は小さくなる.
解答
1.× 内側型変形性膝関節症の歩行では歩隔は広くなる.
2.× 内側型変形性膝関節症の歩行では両脚支持期は長くなる.
3.× 内側型変形性膝関節症の歩行では骨盤の回旋は小さくなる.
4.× 内側型変形性膝関節症の歩行では股関節伸展角度は減少する.
5.○ 正しい.
【33】Brunnstrom法ステージⅣの判定基準で正しいのはどれか.
1.座位で肩関節90度外転が可能
2.肘関節伸展位で肩関節90度屈曲し前腕の回内外が可能
3.手指で対向つまみが可能
4.座位で下腿部の内外旋が可能
5.座位で踵接地での足関節背屈が可能
解答
1.× 座位で肩関節90度外転が可能 ――― Ⅴ
2.× 肘関節伸展位で肩関節90度屈曲し前腕の回内外が可能 ――― Ⅴ
3.× 手指で対向つまみが可能 ――― Ⅴ
4.× 座位で下腿部の内外旋が可能 ――― Ⅵ
5.○ 正しい.
【34】脳卒中片麻痺患者の足関節を底屈位から背屈位に他動的に動かし,最終域に若干の抵抗感を感じた.MAS(modified Ashworth scale)における筋緊張のレベルはどれか.
1.0
2.1
3.1+
4.2
5.3
解答
1.× 0:筋緊張の亢進なし.
3.× 1+:軽度の筋緊張亢進,可動域の1/2以下でわずかな抵抗がある.
4.× 2:中等度の筋緊張亢進,全可動域で抵抗があるが容易に動かすことができる.
5.× 3:著明な筋緊張亢進,他動運動が困難である.
【35】正常歩行の立脚相で筋活動が最大となるのが最も遅いのはどれか.
1.大殿筋
2.大腿四頭筋
3.大腿二頭筋
4.前脛骨筋
5.下腿三頭筋
解答
1.× 大殿筋は立脚初期に筋活動が最大となる.
2.× 大腿四頭筋は立脚初期に筋活動が最大となる.
3.× 大腿二頭筋は遊脚相に筋活動が最大となる.
4.× 前脛骨筋は遊脚相に筋活動が最大となる.
5.○ 正しい.
【36】二重積の規定因子はどれか.2つ選べ.
1.呼吸数
2.心拍数
3.一回拍出量
4.収縮期血圧
5.動静脈酸素較差
解答
1.× 二重積=心拍数×収縮期血圧
2.○ 正しい.
3.× 二重積=心拍数×収縮期血圧
4.○ 正しい.
5.× 二重積=心拍数×収縮期血圧
【37】痙直型脳性麻痺児の陽性徴候はどれか.
1.運動麻痺
2.感覚障害
3.共同運動
4.筋力低下
5.巧緻運動障害
解答
1.× 運動麻痺は陰性徴候である.
2.× 感覚障害は陰性徴候である.
3.○ 正しい.
4.× 筋力低下は陰性徴候である.
5.× 巧緻運動障害は陰性徴候である.
【38】四肢切断後の幻肢痛への対応で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.ミラーセラピーが有用である.
2.経皮的電気刺激法は禁忌である.
3.義肢装着練習は幻肢痛を増悪させる.
4.患者に幻肢痛が残存している部位をイラストで図示させる.
5.鎮痛薬はプレガバリンよりも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を優先する.
解答
1.○ 正しい.
2.× 幻肢痛に経皮的電気刺激法は有効である.
3.× 義肢装着練習は幻肢痛を軽減させる.
4.○ 正しい.
5.× 幻肢痛の鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)よりもプレガバリンを優先する.
【39】寛解期にある多発性硬化症に対する理学療法の禁忌はどれか.
1.他動的な関節可動域練習
2.中等度強度の有酸素運動
3.低強度の筋力増強練習
4.電気刺激療法
5.温熱療法
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 寛解期にある多発性硬化症に対する温熱療法は禁忌である.
【40】末梢神経障害による感覚障害に伴う運動失調の治療法で適切でないのはどれか.
1.重錘負荷
2.弾性緊縛帯
3.電気刺激療法
4.姿勢鏡を用いた立位練習
5.歩行補助具を用いた歩行練習
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 電気刺激療法は運動失調の治療に有効でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【41】間質性肺疾患の所見で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.湿性咳嗽を生じる.
2.拡散障害による低酸素血症を呈する.
3.呼吸機能検査で閉塞性換気障害を呈する.
4.胸部単純エックス線写真で線維化を呈する.
5.コースクラックル(coarse crackles・水泡音)を聴取する.
解答
1.× 慢性閉塞性肺疾患で湿性咳嗽を生じる.
2.○ 正しい.
3.× 間質性肺疾患の呼吸機能検査では拘束性換気障害を呈する.
4.○ 正しい.
5.× 慢性閉塞性肺疾患でコースクラックル(coarse crackles・水泡音)を聴取する.
【42】MRC(Medical Research Council)sum score による筋力が集中治療室獲得性筋力低下(ICU-AW)の判定を満たすのはどれか.2つ選べ.
1.すべて同一の背臥位姿勢で測定する.
2.ICU入室時の検査で判定する.
3.両側合計で48点未満である.
4.握力が20kg未満である.
5.平均が4点未満である.
解答
1.× 背臥位10度と45度の姿勢で測定する.
2.× 24時間以上あけて2回以上実施し判定する.
3.○ 正しい.
4.× 集中治療室獲得性筋力低下の判定に握力は含まれない.
5.○ 正しい.
【43】介護予防事業の基本チェックリストで低栄養判断基準となるBMIはどれか.
1.16.5未満
2.18.5未満
3.20.5未満
4.22.5未満
5.24.5未満
解答
1.× 誤り.
2.○ BMI18.5未満と体重減少(6ヶ月間で2kgから3kg以上)で低栄養状態と判定される.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【44】介護保険制度で対象外の住宅改修はどれか.
1.浴室段差の解消
2.階段昇降機の設置
3.外階段に手すりの設置
4.トイレ扉を引き戸に交換
5.和式便座を洋式便座に交換
解答
1.○ 正しい.
2.× 介護保険制度の住宅改修の対象は,①手すりの取付け,②段差の解消,③床又は通路面の材料の変更,④扉の取替え,⑤便器の取替え,⑥付帯して必要となる住宅改修である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【45】特別支援学校の教育環境で誤っているのはどれか.
1.自立活動関係教室を設置する.
2.発達障害を有する児も在籍する.
3.学級編成人数は10名以上である.
4.複数の食形態での食事が可能である.
5.ベッドタイプのトイレが併設された学校もある.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 特別支援学校の1学級の編成人数は,特別の事情がある場合を除いて幼稚部の幼児数は5人以下,小学部又は中学部の児童又は生徒の数は6人以下,高等部の生徒数は8人以下である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【46】NICU入室中の低緊張児に対する理学療法で優先順位が低いのはどれか.
1.装具療法
2.運動発達指導
3.呼吸理学療法
4.ポジショニング
5.保護者への育児指導
解答
1.○ 低緊張児なので装具療法の優先順位は低い.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【47】予防接種法に基づく集団予防を目的とした定期接種に該当する疾患で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.A型肝炎
2.B型肝炎
3.日本脳炎
4.インフルエンザ
5.流行性耳下腺炎
解答
1.× A型肝炎は任意接種に該当する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× インフルエンザは任意接種に該当する.
5.× 流行性耳下腺炎は任意接種に該当する.
【48】歩行練習中に患者が転倒した場合,最も優先して行うのはどれか.
1.患者の安全確保
2.主治医への報告
3.診療録への記載
4.スタッフへの応援要請
5.バイタルサインの測定
解答
1.○ 歩行練習中に患者が転倒した場合,患者の安全確保→スタッフへの応援要請→バイタルサインの測定→主治医への報告→診療録への記載の順に対応する.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【49】骨折の名称と部位の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.Cotton骨折 ――― 大腿骨
2.Dupuytren骨折 ――― 第1中手骨
3.Galeazzi骨折 ――― 橈骨
4.Jefferson骨折 ――― 環椎
5.Straddle骨折 ――― 上腕骨
解答
1.× Cotton骨折 ――― 内・外果および脛骨後方骨折
2.× Dupuytren骨折 ――― 内・外果骨折
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× Straddle骨折 ――― 恥骨・座骨骨折
【50】ADL評価で正しいのはどれか.
1.Barthel indexで自立の得点は7点である.
2.Barthel indexは食事の支度の項目を含む.
3.FIMでは時間をかけても一人でできれば完全自立である.
4.FIMはできるADLを評価する.
5.WeeFIMは小児のADLを評価する.
解答
1.× Barthel indexでは自立の得点は各項目5~15点の範囲で異なる.
2.× Barthel indexは基本的ADLと排尿・排便コントロールの評価であり,食事の支度の項目を含まない.
3.× FIMでは一人でできても通常よりも時間がかかる場合は修正自立となる.
4.× FIMはしているADLを評価する.
5.○ 正しい.