第4章 運動器障害理学療法学 02)変形性膝関節症 ④術前・術後の理学療法

〈第44回 PT国試 午前12〉

次の文により12,13の問いに答えよ.74歳の女性5年前から左膝痛が出現し,徐々に増悪して歩行が困難となったため左膝の手術を受けた.術前と術後のエックス線写真を示す.術前の所見で認められるのはどれか.2つ選べ. 

1.骨棘形成
2.骨融解像
3.外反膝変形
4.特発性骨壊死
5.関節裂隙の狭小化

解答

1.○ 正しい.
2.× 術前の所見で骨融解像は認められない.
3.× 術前の所見で内反膝変形が認められる.
4.× 術前の所見で特発性骨壊死は認められない.
5.○ 正しい.


〈第44回 PT国試 午前13〉

次の文により12,13の問いに答えよ.74歳の女性5年前から左膝痛が出現し,徐々に増悪して歩行が困難となったため左膝の手術を受けた.術前と術後のエックス線写真を示す.術後の理学療法で適切でないのはどれか. 

1.術後2日目から大腿四頭筋のセッティングを行う.
2.術後3日目から膝関節の可動域訓練を行う.
3.術後7日目から足関節の自動運動を行う.
4.術後10日目から荷重歩行訓練を行う.
5.退院後も屋外で杖を使用する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 人工膝関節置換術の術直後から深部静脈血栓症予防目的に足関節の自動運動を行う.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第58回 PT国試 午前9〉

55歳の女性.趣味でジョギングを行っている.変形性膝関節症に対して手術療法が行われた.術後のエックス線写真を示す.術後の理学療法で正しいのはどれか. 

1.金属を抜いてからスポーツ復帰する.
2.骨癒合が得られるまで完全免荷とする.
3.術後から外側が高い楔状足底挿板を使用する.
4.術後早期から大腿四頭筋の筋力増強運動を行う.
5.術後2週の安静後に患側膝関節の可動域練習を開始する.

解答

1.× 高位脛骨骨切り術後は金属を抜く前にスポーツ復帰する.
2.× 高位脛骨骨切り術後は翌日より疼痛自制内で荷重を開始する.
3.× 高位脛骨骨切り術後は足底挿板を使用しない.
4.○ 正しい.
5.× 高位脛骨骨切り術後は翌日から患側膝関節の可動域練習を開始する.


〈第46回 PT国試 午後24〉

両膝関節の屈曲可動域が0~90°に制限されている患者に指導する床からの立ち上がり方法はどれか. 
1.背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 立位
2.背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 高這い位 → 立位
3.四つ這い位 → 高這い位 → 立位
4.四つ這い位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位
5.横座り位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位

解答

1.× 蹲踞位(しゃがんだ姿勢)で膝関節屈曲可動域が150°以上必要であるため困難である.
2.× 蹲踞位(しゃがんだ姿勢)で膝関節屈曲可動域が150°以上必要であるため困難である.
3.○ 正しい.
4.× 膝立ち位→片膝立ち位で膝関節屈曲可動域が90°以上必要であるため困難である.
5.× 横座り位は膝関節屈曲可動域145°以上,膝立ち位→片膝立ち位では90°以上必要であるため困難である.


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