第2章 理学療法の基本 04)リスク管理 ③事故・過誤関連

〈第51回 PT国試 午前50〉

事故・過誤に関連した用語の説明で適切なのはどれか. 
1.有害事象とは生命に直結する事故である.
2.インシデントとは重大な事故の発生である.
3.コンプライアンスとは法令を逸脱する行為である.
4.アクシデントでは医療従事者の過誤の有無を問わない.
5.Heinrichの法則では重篤な事故の数は軽微な事故の数と反比例する.

解答

1.× 有害事象とは薬物やその他の療法による治療を受けている間に発生する予期せぬ医学上の問題である.
2.× インシデントとは医療行為や管理面で間違いを事前に気づいたり,誤った行為があっても対象者にほとんど害が及ばなかった事例である.
3.× コンプライアンスとは法令を遵守する行為である.
4.○ 正しい.
5.× Heinrichの法則では重篤な事故の数は軽微な事故の数と比例する.


〈第58回 PT国試 午前49〉

安全対策に関する理論であるHeinrichの法則で正しいのはどれか. 
1.医療安全に特化した法則である.
2.ばらつきの法則と呼ばれている.
3.有害事象を5段階で示している.
4.1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生している.
5.重要な20%が全体の方向性を決定しているという法則である.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ Heinrichの法則とは1つの大事故に対して29件の軽微な事故・災害が既に発生しており,300件のヒヤリ・ハットが既に発生しているというものである.
5.× 誤り.


〈第52回 PT国試 午前49〉

Heinrichの法則について正しいのはどれか. 
1.有害事象を6段階で示している.
2.多くの人が関わると事故が多くなる.
3.1つの大事故に対して多数の小さな事故が発生している.
4.およそ2割の人の努力で8割の事故を防ぐことができる.
5.二重の確認によって事故を3割程度減少させることができる.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ Heinrichの法則とは1つの大事故に対して29件の軽微な事故・災害が既に発生しており,300件のヒヤリ・ハットが既に発生しているというものである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第57回 PT国試 午後22〉

インシデントレポートについて正しいのはどれか. 
1.時間をかけて作成する.
2.自分の考えも含めて記載する.
3.医療事故に至らない場合は作成しない.
4.責任の所在を追及することが目的である.
5.管理者は報告しやすい環境を作ることが重要である.

解答

1.× 時間をかけず端的に作成する.
2.× 自分の考えは含ず客観的に記載する.
3.× 「ヒヤリ・ハット(誤った医療行為が患者に実施される前に発見されたもの,誤った医療行為が実施されたが結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったもの)」の場合に作成する.
4.× 責任の所在を追及することが目的ではない.
5.○ 正しい.


〈第55回 PT国試 午前23〉

インシデントレポート収集の目的で正しいのはどれか. 
1.責任者を処罰する.
2.監督官庁に報告する.
3.医療事故発生防止策を検討する.
4.施設管理者が解決策を検討する.
5.当事者間でインシデントの原因を検討する.

解答

1.× 個人や責任者を処罰するものではない.
2.× 施設内の該当委員会に報告する.
3.○ 正しい.
4.× 組織内で解決策を検討する.
5.× 組織内でインシデントの原因を検討する.


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