第1章 理学療法の基礎 04)歩行分析 ①正常歩行

〈第56回 PT国試 午後24〉

正常な歩行周期とその説明の組合せで正しいのはどれか. 
1.右立脚中期 ――― 右踵接地から左爪先離地まで
2.右立脚終期 ――― 左踵離地から右踵離地まで
3.右前遊脚期 ――― 左踵接地から右爪先離地まで
4.右遊脚中期 ――― 右爪先離地から右足部が左下腿部を通過するまで
5.右遊脚終期 ――― 右足部が左下腿部を通過してから右下腿が垂直になるまで

解答

1.× 右立脚中期 ――― 左爪先離地から右踵離地まで
2.× 右立脚終期 ――― 右踵離地から左踵接地まで
3.○ 正しい.
4.× 右遊脚中期 ――― 右足部が股関節の真下にあるところから右下腿が垂直になるまで
5.× 右遊脚終期 ――― 右下腿が垂直になってから右踵接地まで


〈第53回 PT国試 午前23〉

歩行について正しいのはどれか. 
1.身長が高いほど重複歩距離は短くなる.
2.進行方向と足の長軸がなす角度を足角という.
3.両脚支持期は歩行速度が速くなると長くなる.
4.水平面上の進行方向に対して垂直方向の両足の開きを歩幅という.
5.一側の踵が接地してから再び接地するまでの時間をステップ時間という.

解答

1.× 身長が高いほど重複歩距離は長くなる.
2.○ 正しい.
3.× 両脚支持期は歩行速度が速くなると短くなる.
4.× 水平面上の進行方向に対して垂直方向の両足の開きを歩隔という.
5.× 一側の踵が接地してから対側の踵が接地するまでの時間をステップ時間という.


〈第58回 PT国試 午後23〉

歩行周期の中で単脚支持となるのはどれか.2つ選べ. 
1.初期接地
2.荷重応答期
3.立脚中期
4.立脚終期
5.前遊脚期

解答

1.× 初期接地は両脚支持期である.
2.× 荷重応答期は両脚支持期である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 前遊脚期は両脚支持期である.


〈第55回 PT国試 午後1〉

小児を裸足で方眼紙の上を歩行させた図を示す.重複歩距離はどれか. 

1.10cm
2.20cm
3.35cm
4.40cm
5.55cm

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 重複穂距離は一側の踵が接地してから同側の踵が再び接地するまでの距離であるため,5cm×8マス=40cmである.
5.× 誤り.


〈第59回 PT国試 午後9〉

60歳の男性.パーキンソニズムで,すくみ足を認める.メトロノームを用いた歩行練習により,10m歩行において,歩行率が120歩/分,歩行速度が0.8m/秒に改善した.平均的な歩幅はどれか. 
1.30cm
2.35cm
3.40cm
4.45cm
5.50sm

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ (0.8×60)/120=0.4m
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第51回 PT国試 午前23〉

健常者で最も歩行率が大きいのはどれか. 
1.5歳
2.10歳
3.20歳
4.40歳
5.80歳

解答

1.○ 年齢が低いほど歩行率は大きい.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第50回 PT国試 午後44〉

歩行率で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.歩行比ともいう.
2.身長で補正する.
3.幼児では高齢者より大きい.
4.単位時間当たりの歩数を意味する.
5.加齢による変化は歩幅より大きい.

解答

1.× 歩行比は歩幅を歩行率で除したものである.
2.× 歩行率は身長(下肢長)・年齢・性別によって異なっており,身長で補正しない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 歩行率は年齢とともに低下傾向を示すが,その変化は歩幅より小さい.


〈第46回 PT国試 午前37〉

1歳児よりも3歳児で計測値が減少するのはどれか.2つ選べ. 
1.歩隔(cm)
2.歩行率(歩/分)
3.1歩行周期(秒)
4.単脚支持期(秒)
5.重複歩距離(cm)

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 1歩行周期(秒)は1歳児よりも3歳児で計測値が増加する.
4.× 単脚支持期(秒)は1歳児よりも3歳児で計測値が増加する.
5.× 重複歩距離(cm)は1歳児よりも3歳児で計測値が増加する.


〈第54回 PT国試 午後28〉

若年者と比較した高齢者の歩行で正しいのはどれか. 
1.歩隔は狭くなる.
2.歩幅は大きくなる.
3.腕の振りは減少する.
4.両脚支持期は短くなる.
5.遊脚相における足尖と床面との距離は大きくなる.

解答

1.× 若年者と比較した高齢者の歩隔は広くなる.
2.× 若年者と比較した高齢者の歩幅は小さくなる.
3.○ 正しい.
4.× 若年者と比較した高齢者の両脚支持期は長くなる.
5.× 若年者と比較した高齢者の遊脚相における足尖と床面との距離は小さくなる.


〈第50回 PT国試 午後43〉

正常歩行について正しいのはどれか. 
1.股関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが2回生じる.
2.膝関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが1回生じる.
3.足関節は1歩行周期に背屈と底屈とが2回生じる.
4.一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は7:3である.
5.高齢者では歩行比が大きくなる.

解答

1.× 股関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが1回生じる.
2.× 膝関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが2回生じる.
3.○ 正しい.
4.× 一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は6:4である.
5.× 高齢者では歩行比が小さくなる.


〈第55回 PT国試 午前28〉

歩行周期と筋活動パターンの関係を図に示す.このグラフが示す特徴をもつ筋はどれか. 

1.大殿筋
2.中殿筋
3.大腿四頭筋
4.ハムストリングス
5.下腿三頭筋

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 下腿三頭筋は立脚相全般で活動し,特に終期にかけて強い活動を示す.


〈第52回 PT国試 午後1〉

健常成人の平地歩行時の下肢筋活動を図に示す.下腿三頭筋の筋活動に相当するのはどれか.

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答

1.× ①:股関節外転筋群
2.○ 正しい.
3.× ③:股関節内転筋群
4.× ④:前脛骨筋
5.× ⑤:大腿四頭筋


〈第54回 PT国試 午前28〉

歩行周期で立脚相直前から活動し,踵接地時に大きな活動を示す下肢の筋はどれか.2つ選べ. 
1.下腿三頭筋
2.前脛骨筋
3.大腿四頭筋
4.長母指屈筋
5.腸腰筋

解答

1.× 下腿三頭筋は立脚相全般で活動し,特に終期にかけて強い活動を示す.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 長母指屈筋は立脚相全般で活動し,特に終期にかけて強い活動を示す.
5.× 腸腰筋は立脚相後期から遊脚相初期にかけて大きな活動を示す.


〈第45回 PT国試 午前25〉

正常歩行時の遊脚相全般に最も強く活動する筋はどれか. 
1.大殿筋
2.大腿四頭筋
3.ハムストリングス
4.前脛骨筋
5.腓腹筋

解答

1.× 大殿筋は遊脚期の終わりから高まり始めて立脚初期にピークを生じ,立脚中期の終わりには活動が低下する.
2.× 大腿四頭筋の最初の大きな活動は遊脚期の終わりから始まり,立脚初期にピークとなる.第2の小さな活動は立脚終期から始まり爪先離地前後にピークを示す.
3.× ハムストリングスは遊脚から立脚への移行前後に働く.また,立脚から遊脚移行期に小さな活動がみられることがある.
4.○ 正しい.
5.× 腓腹筋は立脚初期に低い活動を示し,踵離地から爪先離地期にかけて強い活動を示す.


〈第59回 PT国試 午後35〉

正常歩行の立脚相で筋活動が最大となるのが最も遅いのはどれか. 
1.大殿筋
2.大腿四頭筋
3.大腿二頭筋
4.前脛骨筋
5.下腿三頭筋

解答

1.× 大殿筋は立脚初期に筋活動が最大となる.
2.× 大腿四頭筋は立脚初期に筋活動が最大となる.
3.× 大腿二頭筋は遊脚相に筋活動が最大となる.
4.× 前脛骨筋は遊脚相に筋活動が最大となる.
5.○ 正しい.


〈第47回 PT国試 午前28〉

正常歩行における関節運動の説明で正しいのはどれか. 
1.着床初期には,足関節が最大背屈位となる.
2.荷重応答期には,膝関節に伸展モーメントが働く.
3.立脚終期には,足関節に底屈モーメントが働く.
4.前遊脚期には,股関節に伸展モーメントが働く.
5.遊脚初期には,膝関節に伸展モーメントが働く.

解答

1.× 立脚終期に足関節が最大背屈位となる.
2.× 荷重応答期には,膝関節に屈曲モーメントが働く.
3.○ 正しい.
4.× 前遊脚期には,股関節に屈曲モーメントが働く.
5.× 遊脚初期には,膝関節に屈曲モーメントが働く.


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