第5章 日常生活活動と生活環境論 02)ADL評価 ①FIM

〈第52回 PT国試 午後29〉

FIMについて正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.運動項目の1つに排尿管理がある.
2.認知項目の1つに問題解決がある.
3.認知項目の完全自立は42点となる.
4.補装具を使用して動作が自立していれば完全自立とする.
5.すべての評価項目が全介助の場合,評価点は0点となる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× FIMでは認知項目の完全自立は35点となる.
4.× FIMでは補装具を使用して動作が自立していれば修正自立とする.
5.× FIMではすべての評価項目が全介助の場合,評価点は18点となる.


〈第48回 PT国試 午前26〉

FIMについて正しいのはどれか. 
1.自記式評価法である.
2.機能障害の評価法である.
3.更衣は上半身と下半身に分けられる.
4.補装具を使用しても完全自立と判定する.
5.認知には「対人関係」という項目が含まれる.

解答

1.× FIMは他記式評価法である.
2.× FIMは能力低下の評価法である.
3.○ 正しい.
4.× FIMでは補装具を使用している場合は修正自立と判定する.
5.× FIMの認知項目は「コミュニケーション」と「社会的認知」であり,「対人関係」という項目は含まれない.


〈第42回 PT国試 午前49〉

FIMの評価項目で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.各項目0~7点で評価する.
2.日常実際に行っている状態を評価する.
3.運動項目と認知項目から成り立っている.
4.介助者が必要でなければ5点以上と判定する.
5.問題解決はコミュニケーションの下位項目である.

解答

1.× FIMは各項目1~7点で評価する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× FIMでは介助者が必要でなければ6点以上と判定する.
5.× FIMでは問題解決は社会的認知の下位項目である.


〈第41回 PT国試 午前51〉

FIMの評価項目で誤っているのはどれか. 
1.社会的交流
2.整容
3.排尿管理
4.トイレ動作
5.見当識

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 見当識はFIMの評価項目に含まれない.


〈第50回 PT国試 午後47〉

FIMのトイレ動作で評価される項目はどれか.2つ選べ. 
1.トイレに近づく.
2.便器に移乗する.
3.服を下げる.
4.拭く.
5.トイレのドアを閉める.

解答

1.× FIMで「トイレに近づく」は移動に含まれる.
2.× FIMで「便器に移乗する」は移乗に含まれる.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× FIMで「トイレのドアを閉める」はトイレ動作に含まれない.


〈第58回 PT国試 午前16〉

80歳の女性.左片麻痺.夫と自宅で2人暮らし.ベッドから車椅子への移乗は夫に手を添えてもらう程度で可能だが,車椅子からベッドへの移乗では立ち上がる際に腰を引き上げてもらう.FIMの移乗動作は何点か. 
1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答

1.× 移乗6点:手すりを使って一人で乗り移る.
2.× 移乗5点:助言されつつ一人で乗り移る.
3.× 移乗4点:もしものときに支えるよう,手を触れていてもらう.
4.○ 正しい.
5.× 移乗2点:立ち上がりと身体を回すのと,ともに介助してもらう.


〈第50回 PT国試 午後17〉

65歳の男性.右片麻痺.病棟では,ベッドから車椅子への移乗は介助者に腰を軽く引き上げてもらい,車椅子からベッドへの移乗は介助者に腰を持ち上げて回してもらう.移乗動作のFIMの点数はどれか. 
1.5点
2.4点
3.3点
4.2点
5.1点

解答

1.× 移乗5点:助言されつつ一人で乗り移る.
2.× 移乗4点:もしものときに支えるよう,手を触れていてもらう.
3.× 移乗3点:立ち上がる際に引き上げてもらう.
4.○ 移乗2点:立ち上がりと身体を回すのと,ともに介助してもらう.
5.× 移乗1点:自分では何もしない,または二人介助.


〈第46回 PT国試 午前41〉

浴槽移乗において「浴槽をまたぐ際,両足の出し入れを介助してもらう」必要がある場合,FIMの得点はどれか. 
1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答

1.× 移乗(浴槽)6点:浴槽周囲の手すり,滑り止めゴムマット,浴槽内に座るための椅子を用いて自立している.
2.× 移乗(浴槽)5点:浴槽の腰掛けに自分で移乗しているが,表面が濡れているため監視を望んでいる.
3.× 移乗(浴槽)4点:手すりにつかまり,片足の出し入れのみを介助してもらう.
4.○ 移乗(浴槽)3点:両足の出し入れを介助してもらう.
5.× 移乗(浴槽)2点:立ち上がる際,介助者にかなり持ち上げてもらい,かつ回るとき支えてもらい,腰を下ろす際も手伝ってもらう.


〈第48回 PT国試 午後25〉

FIMの移動(歩行)項目の評定で6はどれか. 
1.時間は健常の3倍かかるが装具,杖なしで50m歩ける.
2.軽度の介助があれば装具,杖なしで50m歩ける.
3.そばで見ていれば装具,杖なしで50m歩ける.
4.装具を装着すれば30mは歩ける.
5.声かけすれば30mは歩ける.

解答

1.○ 正しい.
2.× 「軽度の介助があれば装具,杖なしで50m歩ける」は評定4である.
3.× 「そばで見ていれば装具,杖なしで50m歩ける」は評定5である.
4.× 「装具を装着すれば30mは歩ける」は評定5である.
5.× 「声かけすれば30mは歩ける」は評定2である.


〈第47回 PT国試 午後29〉

車椅子で50m 移動できるが,敷居の段差を越えるときのみ介助を要する.このときのFIM の移動項目の得点はどれか. 
1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答

1.× 移動(車椅子)6点:片手片足を用いて50m自走し,回転もしている.
2.× 移動(車椅子)5点:15m以上自立してこいでいる.
3.○ 移動(車椅子)4点:50m以上移動し,ドアの敷居を越えるときのみ介助してもらう.
4.× 移動(車椅子)3点:50m以上自走しているが,曲がるたびに介助が必要である.
5.× 移動(車椅子)2点:15mを移動するのに監視または介助を要する.


〈第45回 PT国試 午後19〉

85歳の男性.ADLは「手すりを使えば1階から2階までの上りは自立しており,下りる際には恐怖心のために見守りが必要」であった.階段昇降のFIMの得点はどれか. 
1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答

1.× 移動(階段)6点:手すりを必要とするが自立している.
2.○ 移動(階段)5点:12~14段の階段昇降が可能であるが,転落の危険性のため監視を要する.
3.× 移動(階段)4点:手すりを用い,一人の介助者にバランスをとってもらって昇降する.
4.× 移動(階段)3点:12~14段の昇降をするが,介助者に支えてもらい,次の段に足を進めてもらう.
5.× 移動(階段)2点:8段の階段を触ってもらう程度で昇降する,または,4~6段を一人介助で昇降し,その労力の1/4以上が自力である.


〈第49回 PT国試 午前6〉

80歳の男性.脳梗塞による右片麻痺.Brunnstrom法ステージは上肢,手指,下肢ともにⅢ.右短下肢装具を装着し1本杖歩行は15mまでは可能である.12段の階段昇降は可能であるが,そばで見守る必要がある.歩行と階段のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか. 
1.歩行6点 ――― 階段6点
2.歩行5点 ――― 階段6点
3.歩行5点 ――― 階段5点
4.歩行4点 ――― 階段5点
5.歩行4点 ――― 階段4点

解答

1.× 歩行6点:右短下肢装具を装着し1本杖歩行が50m可能である.
2.× 階段6点:手すりを用いて12段の階段昇降が可能である.
3.○ 歩行5点:監視・指示または準備のみ,あるいは15mであれば自立している.階段5点:監視・指示または準備のみ,あるいは4~6段自立している.
4.× 歩行4点:介助者に手を触れてもらう程度で50m歩行可能である.
5.× 階段4点:手すりを用い,一人の介助者にバランスをとってもらって昇降する.


〈第54回 PT国試 午後8〉

75歳の男性.右利き.脳梗塞による右片麻痺.右短下肢装具を装着し四脚杖を使用して介助なく20mまでの歩行が可能である.食事は左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない.歩行と食事のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか. 
1.歩行6点 ――― 食事5点
2.歩行6点 ――― 食事6点
3.歩行5点 ――― 食事6点
4.歩行5点 ――― 食事7点
5.歩行4点 ――― 食事7点

解答

1.× 歩行6点(右短下肢装具を装着し1本杖歩行が50m可能である) ――― 食事5点(運ばれた後で食べ物をきざんでもらう)
2.× 歩行6点(右短下肢装具を装着し1本杖歩行が50m可能である) ――― 食事6点(胃瘻であるがチューブ類を自分で管理している)
3.× 歩行5点(監視・指示または準備のみ,あるいは15mであれば自立している) ――― 食事6点(胃瘻であるがチューブ類を自分で管理している)
4.○ 正しい.
5.× 歩行4点(介助者に手を触れてもらう程度で50m歩行可能である) ――― 食事7点(日本語版では箸が使えなくとも自立とする)


〈第57回 PT国試 午前29〉

FIMの測定で修正自立となるのはどれか.2つ選べ. 
1.入れ歯の着脱が自立している.
2.浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ.
3.スプーンを用いての食事が自立している.
4.服の上げ下ろしをする際に手すりを使用する.
5.装具を装着して300m程度の歩行が自立している.

解答

1.× 「入れ歯の着脱が自立している」は自立と判定する.
2.× 「浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ」は自立と判定する.
3.× 「スプーンを用いての食事が自立している」は自立と判定する.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第51回 PT国試 午後40〉

FIMの評定で修正自立となるのはどれか.2つ選べ. 
1.入れ歯の着脱が自立している.
2.シャワーのみで入浴が自立している.
3.スプーンを用いての食事が自立している.
4.パッドを用いての排尿管理が自立している.
5.装具を装着して300m程度の歩行が自立している.

解答

1.× 「入れ歯の着脱が自立している」は自立と判定する.
2.× 「シャワーのみで入浴が自立している」は自立と判定する.
3.× 「スプーンを用いての食事が自立している」は自立と判定する.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第50回 PT国試 午前45〉

FIMの評定で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.食事1点:咀嚼や嚥下は可能であるが,食べ物を口に全く運ばない.
2.トイレ動作1点:日中6回修正自立で行い,夜間2回全介助で行っている.
3.排便管理4点:座薬を月に4回挿入してもらっている.
4.移動4点:車椅子で50m以上自走できるが曲がるたびに介助が必要となる.
5.記憶2点:よく出会う人を認識し,日課を思い出せるが,命令に従えるのは1段階までである.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 排便管理5点:座薬を月に4回挿入してもらっている.
4.× 移動3点:車椅子で50m以上自走できるが曲がるたびに介助が必要となる.
5.× 記憶4点:よく出会う人を認識し,日課を思い出せるが,命令に従えるのは1段階までである.


〈第49回 PT国試 午前47〉

FIMで5点に評定されるのはどれか.2つ選べ. 
1.整容:洗顔,洗髪に介助を要する.
2.排尿管理:自己導尿が自立している.
3.歩行:歩行器を用い,監視下で50m歩ける.
4.更衣(上半身):シャツのボタンをかけるのを介助してもらう.
5.記憶:メモリーノートが必要だが使うように促されれば問題は生じない.

解答

1.× 整容3点:洗顔,洗髪に介助を要する.
2.× 排尿管理6点:自己導尿が自立している.
3.○ 正しい.
4.× 更衣(上半身)4点:シャツのボタンをかけるのを介助してもらう.
5.○ 正しい.


〈第46回 PT国試 午後41〉

FIMの得点で5点以下となるのはどれか. 
1.食事:配膳,下膳は手伝ってもらうが,あとは一人で食事できる.
2.清拭:首から下のみすべて一人で洗える.
3.下半身更衣:装具の着脱は介助が必要だが,ズボン,パンツ,靴下は一人でできる.
4.トイレ移乗:ベッドサイドのポータブルトイレで自立している.
5.歩行:50mまでは,杖がなくても一人で歩ける.

解答

1.× 食事7点:配膳,下膳は手伝ってもらうが,あとは一人で食事できる.
2.× 清拭7点:首から下のみすべて一人で洗える.
3.○ 正しい.
4.× トイレ移乗6点:ベッドサイドのポータブルトイレで自立している.
5.× 歩行7点:50mまでは,杖がなくても一人で歩ける.


〈第43回 PT国試 午前55〉

機能的自立度評価法(FIM)の得点が4点となるのはどれか. 
1.監視下で車椅子から便座に移乗している.
2.口頭指示を受けて50m以上杖歩行をしている.
3.患側下肢を持ち上げてもらい階段昇降をしている.
4.車椅子走行で角を曲がる時に押してもらう.
5.排泄の後始末で身体を軽く支えてもらう.

解答

1.× 「監視下で車椅子から便座に移乗している」は5点である.
2.× 「口頭指示を受けて50m以上杖歩行をしている」は5点である.
3.× 「患側下肢を持ち上げてもらい階段昇降をしている」は3点である.
4.× 「車椅子走行で角を曲がる時に押してもらう」は3点である.
5.○ 正しい.


〈第44回 PT国試 午前38〉

機能的自立度評価法(FIM)の得点で正しいのはどれか. 

1.2点
2.3点
3.4点
4.5点
5.6点

解答

1.× 2人介助で移乗しているので1点である.
2.× 2人介助で歩行しているので1点である.
3.× リーチャーを用いて更衣しているので6点である.
4.× 手すりを用いて1人で移乗しているので6点である.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後13〉

70歳の女性.両側変形性膝関節症.外来通院中である.自宅におけるADLは,FIMによる評価で,2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが,それ以外は補助具を使用せずに自立していた.コミュニケーション(理解,表出)や社会的認知(社会的交流,問題解決,記憶)は問題ない.FIMの点数はどれか. 
1.100
2.112
3.120
4.124
5.126

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 2項目で修正自立(6点)であるため,126-2=124点
5.× 誤り.


〈第59回 PT国試 午前10〉

70歳の女性.両側変形性膝関節症.外来通院中である.自宅におけるADLは,FIMによる評価で,2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが,それ以外は補助具を使用せずに自立していた.コミュニケーション(理解,表出)や社会的認知(社会的交流,問題解決,記憶)は問題ない.FIMの点数はどれか. 
1.118
2.120
3.122
4.124
5.126

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 2項目で修正自立(6点)であるため,126-2=124点
5.× 誤り.


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