〈第53回 PT国試 午前31〉
歩行において下腿義足の初期内転角が不足しているときに生じる現象はどれか.
1.断端外側遠位部に圧迫感が生じる.
2.断端内側遠位部に圧迫感が生じる.
3.踵接地時に義足足部が回旋する.
4.義足の足部外側が浮き上がる.
5.歩隔が広い.
解答
1.○ 正しい.
2.× 下腿義足の初期内転角が不足していると,断端外側遠位部に圧迫感が生じる.
3.× 踵接地時に義足足部が回旋するのは,水平面の問題で生じる現象である.
4.× 下腿義足の初期内転角が不足していると,義足の足部内側が浮き上がる.
5.× 下腿義足のソケットがアウトセットしていると,歩隔が広くなる.
〈第59回 PT国試 午前11〉
50歳の男性.左下腿切断.義足歩行練習中に左側の踵接地から立脚中期までに急激な膝屈曲が生じた.考えられる原因はどれか.2つ選べ.
1.足部が底屈しすぎている.
2.足部後方バンパーが硬すぎる.
3.ソケット初期屈曲角が大きすぎる.
4.ソケットが足部に対して後方すぎる.
5.ソケット初期内転角が不足している.
解答
1.× 足部が背屈しすぎていると急激な膝屈曲が生じる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ソケットが足部に対して前方すぎると急激な膝屈曲が生じる.
5.× ソケット初期内転角が不足していても膝の前後方向の不安定性は生じない.
〈第57回 PT国試 午前11〉
75歳の男性.糖尿病により右下腿切断.義足歩行練習時に右膝の膝折れを起こしそうな不安定感を訴えた.考えられる原因はどれか.2つ選べ.
1.初期屈曲角が過大である.
2.初期内転角が不足している.
3.右股関節の屈曲可動域制限がある.
4.右膝関節の伸展筋力が低下している.
5.ソケットが足部に対し後方に位置しすぎている.
解答
1.○ 正しい.
2.× 初期内転角が不足していても膝の前後方向の不安定性は生じない.
3.× 右股関節の屈曲可動域制限は右膝の膝折れに関係しない.
4.○ 正しい.
5.× ソケットが足部に対し前方に位置しすぎていると膝折れが起こる.
〈第45回 PT国試 午前43〉
下腿義足歩行中の踵接地後に膝屈曲動作が遅れる原因でないのはどれか.
1.断端前面末梢部に疼痛がある.
2.ソケットが踵に対し前方にある.
3.足部が屈曲位にセットされている.
4.大腿四頭筋の筋力が低下している.
5.ソケットの初期屈曲角が不足している.
解答
1.○ 正しい.
2.× 下腿義足歩行でソケットが踵に対し後方にあると踵接地後に膝屈曲動作が遅れる.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第51回 PT国試 午後11〉
次の文により11,12の問いに答えよ.35歳の男性.実業団の長距離選手だったが,ランニング中の交通事故で左脛骨中央部での下腿切断となった.切断術後4週が経過し,左関節に軽度の側方不安定性と軽度の筋力低下があるものの,断端は成熟し皮膚の状態は良好となった.スポーツ復帰を念頭に義足を製作することとした.最適なソケットはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 在来式(差込み式)ソケットは活動性が高い場合には不向きである.
2.× KBMソケットは活動性の高い切断者では擦過傷を起こす可能性があるため適切でない.
3.× PTBソケットは膝の側方不安定がある場合には不向きである.
4.× PTSソケットは活動性の高い切断者では擦過傷を起こす可能性があるため適切でない.
5.○ 正しい.
〈第51回 PT国試 午後12〉
次の文により11,12の問いに答えよ.35歳の男性.実業団の長距離選手だったが,ランニング中の交通事故で左脛骨中央部での下腿切断となった.切断術後4週が経過し,左関節に軽度の側方不安定性と軽度の筋力低下があるものの,断端は成熟し皮膚の状態は良好となった.スポーツ復帰を念頭に義足を製作することとした.義足での歩行練習開始後,義足の立脚初期に過度の膝屈曲がみられた.原因として考えられるのはどれか.
1.左股関節に伸展制限がある.
2.義足足部の底屈制動が強すぎる.
3.義足足部のtoe-out角が大きすぎる.
4.ソケットの初期屈曲角が小さすぎる.
5.ソケットに対して足部が前方に位置しすぎている.
解答
1.× 左股関節伸展制限は下腿義足歩行立脚初期における過度の膝屈曲に関係しない.
2.○ 正しい.
3.× 下腿義足歩行における立脚初期に起こる過度の膝屈曲の原因として義足足部のtoe-out角は関与しない.
4.× 下腿義足歩行ではソケットの初期屈曲角が大きすぎると立脚初期に過度の膝屈曲がみられる.
5.× 下腿義足歩行ではソケットに対して足部が後方に位置しすぎていると立脚初期に過度の膝屈曲がみられる.
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