第3章 義肢学 04)大腿義足のアライメント ②ダイナミックアライメント

〈第45回 PT国試 午後18〉

四辺形ソケットを用いた大腿義足装着者の異常歩行とその原因で誤っているのはどれか. 

1.後方バンパーが柔らかすぎる
2.義足長が長すぎる
3.膝継手の摩擦が強すぎる
4.坐骨支持の不良
5.ソケット内壁が高すぎる

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 大腿義足装着者の歩行で膝のインパクトがみられるのは膝継手の摩擦が弱すぎるのが原因である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第44回 PT国試 午前34〉

大腿義足を装着した患者の歩行時に図のような現象が観察された.原因はどれか. 

1.義足が長すぎる.
2.後方バンパーが硬すぎる.
3.切断側の股関節外転筋力が不足している.
4.ソケットに対して膝継手が内旋している.
5.ソケットの初期屈曲角度が不足している.

解答

1.○ 正しい.
2.× 後方バンパーが硬すぎると矢状面・水平面での異常歩行の原因となる.
3.× 切断側の股関節外転筋力不足は体幹側屈や外転歩行の原因となる.
4.× ソケットに対して膝継手が内旋している場合は外旋ホイップが起こる.
5.× ソケットの初期屈曲角度は矢状面での異常歩行の原因となる.


〈第42回 PT国試 午前89〉

大腿義足の歩行で,内側ホイップが起こる原因はどれか. 
1.義足が短すぎる.
2.大腿を外側に振り出す.
3.膝継手が内旋している.
4.断端の皮下脂肪が多くて軟らかい.
5.トウブレークが内側に向いている.

解答

1.× 義足の長さはホイップに関係しない.
2.○ 正しい.
3.× 膝継手が外旋していると内側ホイップが起こる.
4.× 断端の皮下脂肪が多くて軟らかいと外側ホイップが起こる可能性がある.
5.× トウブレークが外側に向いていると内側ホイップが起こる.


〈第48回 PT国試 午前44〉

大腿義足歩行で義足が長すぎる場合に起こるのはどれか. 
1.内側ホイップ
2.膝の不安定性
3.踵接地時の外旋
4.伸び上がり歩行
5.ターミナルインパクト

解答

1.× 義足の長さは内側ホイップに関係しない.
2.× 義足の長さは膝の不安定性に関係しない.
3.× 義足の長さは踵接地時の外旋に関係しない.
4.○ 正しい.
5.× 義足の長さはターミナルインパクトに関係しない.


〈第58回 PT国試 午後5〉

左大腿義足歩行の右立脚中期に図のような現象が観察された.原因はどれか. 

1.義足が長すぎる.
2.後方バンパーが弱すぎる.
3.ソケットの初期内転角が大きすぎる.
4.切断側の股関節外転筋力が不足している.
5.切断側の股関節伸展可動域が制限されている.

解答

1.○ 正しい.
2.× 後方バンパーが弱すぎると踵接地直後にフットスラップが生じる.
3.× ソケットの初期内転角が大きすぎると外転歩行となる.
4.× 切断側の股関節外転筋力が不足していると立脚相に体幹の側屈が起こる.
5.× 切断側の股関節伸展可動域が制限されていると立脚相で腰椎前弯が過度に増強する.


〈第56回 PT国試 午前32〉

大腿義足の遊脚相において,健側で爪先立ちが観察された.原因として正しいのはどれか. 
1.義足長が長すぎる.
2.ソケットの内転角度が大きすぎる.
3.切断側の股関節外転筋力が不足している.
4.切断側の股関節伸展筋力が不足している.
5.ソケットの初期屈曲角度が不足している.

解答

1.○ 正しい.
2.× ソケットの内転角度が大きすぎると外転歩行となる.
3.× 切断側の股関節外転筋力が不足していると立脚相に体幹の側屈が起こる.
4.× 切断側の股関節伸展筋力が不足していると立脚相で過度の腰椎前弯が起こる.
5.× ソケットの初期屈曲角度が不足していると立脚相で過度の腰椎前弯が起こる.


〈第53回 PT国試 午後7〉

45歳の男性.左大腿切断後.大腿義足を用いた歩行練習中,左立脚中期に過度の腰椎前弯が観察された.原因として正しいのはどれか. 
1.義足長が長過ぎる.
2.足継手の後方バンパーが弱過ぎる.
3.ソケットが前方に位置し過ぎている.
4.ソケットの初期屈曲角が不足している.
5.膝継手の摩擦が弱過ぎる.

解答

1.× 義足の長さは過度の腰椎前弯に関係しない.
2.× 足継手のバンパーは過度の腰椎前弯に関係しない.
3.× ソケットの位置は過度の腰椎前弯に関係しない.
4.○ 正しい.
5.× 膝継手の摩擦は過度の腰椎前弯に関係しない.


〈第54回 PT国試 午前41〉

大腿義足装着者の異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか. 
1.過度の腰椎前弯 ――― 股関節伸展拘縮
2.外転歩行 ――― 股関節屈曲拘縮
3.義足膝の不安定 ――― 股関節伸展筋力低下
4.伸び上がり歩行 ――― 股関節内転筋力低下
5.分回し歩行 ――― 股関節内転拘縮

解答

1.× 過度の腰椎前弯 ――― 股関節屈曲拘縮
2.× 外転歩行 ――― 股関節外転拘縮
3.○ 正しい.
4.× 伸び上がり歩行 ――― 義足が長い
5.× 分回し歩行 ――― 股関節外転拘縮


〈第49回 PT国試 午前39〉

大腿切断患者の異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか. 
1.外転歩行 ――― 義足の長さが短すぎる.
2.内側ホイップ ――― トウブレークが進行方向に対して直角である.
3.過度の腰椎前弯 ――― ソケットの初期屈曲角が大きすぎる.
4.踵接地期の足部の回旋 ――― ヒールバンパーが柔らかすぎる.
5.膝の伸展衝撃(インパクト) ――― 膝継手の摩擦が不十分である.

解答

1.× 外転歩行 ――― 義足の長さが長すぎる.
2.× 内側ホイップ ――― トウブレークが進行方向に対して外側が短い.
3.× 過度の腰椎前弯 ――― ソケットの初期屈曲角が不足している.
4.× 踵接地期の足部の回旋 ――― ヒールバンパーが硬すぎる.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試 午前86〉

大腿義足の異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.外側ホイップ ――― 膝継手軸の外旋
2.義足側外転歩行 ――― 初期内転角の不足
3.健側肢の伸び上がり ――― ソケット内壁の高さ不足
4.義足側分回し歩行 ――― 義足長が短い
5.義足側への体幹側屈 ――― 切断側外転筋の筋力低下

解答

1.× 外側ホイップ ――― 膝継手軸の内旋
2.○ 正しい.
3.× 義足側立脚相の短縮 ――― ソケット内壁の高さ不足
4.× 義足側分回し歩行 ――― 義足長が長い
5.○ 正しい.


〈第48回 PT国試 午後8〉

義足装着側の立脚期に図のようなアライメント異常がみられた.異常の改善のために義足装着者に行う必要があるのはどれか. 

1.脊柱起立筋群の強化
2.右股関節屈曲可動域の増大
3.右股関節伸筋群の強化
4.左股関節外転筋群の強化
5.左膝伸筋群の強化

解答

1.× 過度の腰椎前弯を改善するためには腹筋群の強化が必要である.
2.× 過度の腰椎前弯を改善するためには右股関節伸展可動域の増大が必要である.
3.○ 正しい.
4.× 左股関節外転筋群筋力低下は前額面での異常歩行の原因となる.
5.× 右立脚期の問題であるため,左膝伸筋群は関係ない.


〈第42回 PT国試 午前38〉

大腿義足装着時に図のような異常歩行が見られた.ソケットの適合に問題はない.この症例で,特に強化すべき筋群はどれか.2つ選べ. 

1.腹筋群
2.背筋群
3.患側股関節屈曲筋群
4.患側股関節内転筋群
5.患側股関節伸展筋群

解答

1.○ 過度の腰椎前弯を改善するためには腹筋群の強化が必要である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 過度の腰椎前弯を改善するためには患側股関節伸展筋群の強化が必要である.


Back | 【第3章 義肢学 目次】 | Next