第2章 物理療法学 08)各疾患に対する物理療法 ③骨折

〈第42回 PT国試 午前37〉

(次の文により問題36,問題37に答えよ.)20歳の男性.大学生.バイク事故を起こし,脛骨骨幹部開放骨折を受傷.3週後髄内釘による骨接合術を受けた.3か月後,創は治癒したが,骨折部に痛みがあり,遷延癒合の状態である.この症例で,骨癒合を促進させる物理療法として適切なのはどれか. 
1.極超短波
2.超音波
3.レーザー
4.ホットパック
5.渦流浴

解答

1.× 極超短波による金属挿入部位への照射は熱傷の原因となる可能性があるため禁忌である.
2.○ 正しい.
3.× レーザーは表層の鎮痛や創傷治癒を目的としており,骨癒合促進効果はない.
4.× ホットパックは表層の鎮痛,血管拡張を目的とし,骨癒合促進効果はない.
5.× 渦流浴は循環の改善を目的としており,骨癒合促進効果はない.


〈第48回 PT国試 午前5〉

30歳の男性.右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した.術後2か月経過.熱感はなく,全荷重が可能となっているが,足関節の背屈制限が残存している.関節可動域訓練前の物理療法で適切でないのはどれか. 
1.ホットパック
2.パラフィン浴
3.極超短波
4.渦流浴
5.超音波

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 極超短波による金属挿入部への照射は熱傷の原因となる可能性があるため禁忌である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第42回 PT国試 午前35〉

30歳の男性.右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した.術後2か月経過.熱感はなく,全荷重となっているが,背屈制限が著しく,外果周囲に組織の肥厚と癒着がある.他動的関節可動域訓練前の物理療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.アイシング
2.水温36℃の過流浴
3.連続波で1MHzの超音波療法
4.2,450MHzの極超短波療法
5.51℃のパラフィン浴

解答

1.× アイシングは結合組織の伸展性を低下させるため,関節可動域訓練前の物理療法としては適切でない.
2.× 水温36℃の過流浴は不感温度であるため,通常38~42℃に設定する.
3.○ 正しい.
4.× 2,450MHzの極超短波療法による金属挿入部位への照射は熱傷の原因となる可能性があるため禁忌である.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後10〉

8歳の男児.転倒して橈骨遠位端骨折と診断され,6週間のギプス固定が行われた.固定除去後,関節可動域制限と筋力低下を認めた.物理療法で適切なのはどれか. 
1.機能的電気刺激
2.極超短波
3.超音波
4.紫外線
5.渦流浴

解答

1.× 機能的電気刺激は関節可動域改善・筋力増強効果がない.
2.× 極超短波の骨端線への照射は禁忌である.
3.× 超音波の骨端線への照射は禁忌である.
4.× 紫外線は関節可動域改善・筋力増強効果がない.
5.○ 正しい.


〈第47回 PT国試 午後7〉

8歳の男児.転んで左手をつき,橈骨遠位部の若木骨折と診断され,副子による3週間の外固定が行われた.固定除去時のエックス線写真(A,B)を示す.手関節には可動域制限が残存している.この時点で行う物理療法で適切でないのはどれか. 

1.渦流浴
2.赤外線
3.超音波
4.ホットパック
5.パラフィン浴

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 超音波の骨端線への照射は成長障害の原因となる可能性があるため禁忌である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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