第6章 内部障害理学療法学 02)循環障害 ⑤種々の循環障害

〈第52回 PT国試 午前36〉

うっ血性心不全でみられるのはどれか. 
1.咳嗽
2.皮膚紅潮
3.頸動脈雑音
4.心胸郭比40%
5.初期の体重減少

解答

1.○ 正しい.
2.× チアノーゼがうっ血性心不全でみられる.
3.× 頸静脈雑音がうっ血性心不全でみられる.
4.× うっ血性心不全では心胸郭比50%以上となる.
5.× 初期からの体重増加がうっ血性心不全でみられる.


〈第48回 PT国試 午後46〉

うっ血性心不全の際にみられるのはどれか. 
1.皮膚紅潮
2.咳嗽
3.初期の体重減少
4.頸動脈雑音
5.心胸郭比40%

解答

1.× チアノーゼがうっ血性心不全の際にみられる.
2.○ 正しい.
3.× 初期からの体重増加がうっ血性心不全の際にみられる.
4.× 頸静脈雑音がうっ血性心不全の際にみられる.
5.× うっ血性心不全の際は心胸郭比50%以上となる.


〈第42回 PT国試 午前94〉

心不全の徴候でないのはどれか. 
1.両下肢の浮腫
2.体重の減少
3.安静時心拍数の増加
4.湿性ラ音の聴取
5.運動時息切れの増悪

解答

1.○ 正しい.
2.× 体重の増加が心不全の徴候である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後36〉

僧帽弁閉鎖不全症による心不全で初期からみられるのはどれか. 
1.肝脾腫
2.高血圧
3.下腿浮腫
4.呼吸困難
5.頸静脈怒張

解答

1.× 肝脾腫は右心不全でみられる.
2.× 高血圧は心不全の症状でない.
3.× 下腿浮腫は右心不全でみられる.
4.○ 正しい.
5.× 頸静脈怒張は右心不全でみられる.


〈第48回 PT国試 午後10〉

65歳の男性.脳梗塞.急性心不全の合併のため発症後14日目から訓練を開始することになった.訓練開始翌日の歩行訓練中に突然胸痛を訴え,SpO₂(経皮的酸素飽和度)が97%から88%まで低下した.病態で最も考えられるのはどれか. 
1.胃痙攣
2.肺塞栓
3.喘息発作
4.低血糖発作
5.起立性低血圧

解答

1.× 誤り.
2.○ ①脳梗塞,②急性心不全の合併,③訓練開始翌日の歩行訓練中に突然胸痛,④SpO₂低下したことから,肺塞栓と考えられる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第59回 PT国試 午前2〉

84歳の男性.心疾患の既往はない.転倒して右大腿骨近位部骨折を受傷し,緊急で骨接合術を受けた.翌日離床を目的に理学療法が処方されたが,右下腿の腫脹と圧痛を訴えている.最も優先的に確認すべき血液検査項目はどれか. 
1.BNP
2.Dダイマー
3.HbA1c
4.PT-INR
5.SP-D

解答

1.× BNPは心不全が疑われる場合に確認する.
2.○ 術後右下腿の腫脹と圧痛を訴えていることから深部静脈血栓症が疑われるのでDダイマーを確認する.
3.× HbA1cは糖尿病が疑われる場合に確認する.
4.× PT-INRは出血傾向が疑われる場合に確認する.
5.× SP-Dは間質性肺炎が疑われる場合に確認する.


〈第57回 PT国試 午前1〉

47歳の女性.抗リン脂質抗体症候群の既往がある.右変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を3日前に受けた.右大腿部から足部まで発赤を伴う腫脹を認め,Homans徴候陽性である.術後に実施した主な血液検査の結果を表に示す.術後の合併症として考えられるのはどれか.

1.蜂窩織炎
2.リンパ浮腫
3.化膿性関節炎
4.うっ血性心不全
5.深部静脈血栓症

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ DダイマーとCRPが高値であることから深部静脈血栓症が考えられる.


〈第44回 PT国試 午前14〉

(次の文により14,15の問いに答えよ.)70歳の女性.左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時,手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した.理学療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.右膝関節の自動屈伸訓練
2.左膝関節の他動屈伸訓練
3.両足関節の自動底背屈訓練
4.右大腿四頭筋の等張性収縮訓練
5.左下肢伸展位挙上訓練(SLR訓練)

解答

1.○ 正しい.
2.× 手術側(左)下肢に深部静脈血栓症が発症しているため,左膝関節の他動屈伸訓練は禁忌である.
3.× 手術側(左)下肢に深部静脈血栓症が発症しているため,両足関節の自動底背屈訓練は禁忌である.
4.○ 正しい.
5.× 手術側(左)下肢に深部静脈血栓症が発症しているため,左下肢伸展位挙上訓練(SLR訓練)は禁忌である.


〈第54回 PT国試 午前48〉

閉塞性動脈硬化症で正しいのはどれか. 
1.冷感はない.
2.安静時痛はない.
3.しびれ感はない.
4.間欠性跛行は体幹前傾で改善する.
5.好発部位は大腿動脈から膝窩動脈である.

解答

1.× 閉塞性動脈硬化症は冷感がある.
2.× 閉塞性動脈硬化症は安静時痛がある.
3.× 閉塞性動脈硬化症はしびれ感がある.
4.× 閉塞性動脈硬化症の間欠性跛行は体幹前傾で改善しない.
5.○ 正しい.


〈第57回 PT国試 午前25〉

閉塞性動脈硬化症の運動療法を行う場合,収集すべき医学情報として最も重要なのはどれか. 
1.胸部CT
2.脊椎MRI
3.筋電図検査
4.足関節上腕血圧比
5.股関節を含む両下肢単純エックス線

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 下肢動脈狭窄・閉塞の評価である足関節上腕血圧比が最も重要である.
5.× 誤り.


〈第52回 PT国試 午前13〉

56歳の男性.閉塞動脈硬化症.半年前から左下腿から足部にかけて冷感と痛みが発現し,歩行距離も低下している.検査法と結果の組合せで正しいのはどれか. 
1.立位体前屈 ――― 痛みの軽減
2.足背動脈の触診 ――― リズムの不整
3.足関節上腕血圧比 ――― 1.2以上
4.両下肢の下垂試験 ――― 感覚異常の出現
5.トレッドミル歩行 ――― 間欠性跛行の出現

解答

1.× 立位体前屈にて痛みが軽減するのは腰部脊柱管狭窄症である.
2.× 閉塞動脈硬化症では足背動脈の拍動減弱がみられる.
3.× 閉塞動脈硬化症では足関節上腕血圧比は0.9以下となる.
4.× 両下肢の下垂試験では充血がみられる.
5.○ 正しい.


〈第51回 PT国試 午後18〉

50歳の男性.閉塞性動脈硬化症.300m程度の歩行ごとに下肢の痛みのために5~6分の休息をとる.座位や立位時に痛むことはない.理学療法で適切なのはどれか. 
1.寒冷療法
2.極超短波療法
3.トレッドミル歩行練習
4.PNFによる最大抵抗運動
5.弾性ストッキングによる圧迫療法

解答

1.× 閉塞性動脈硬化症の理学療法は温熱療法が基本となる.
2.× 閉塞性動脈硬化症において極超短波療法は禁忌である.
3.○ 正しい.
4.× 閉塞性動脈硬化症の理学療法は歩行中心であり,PNFによる最大抵抗運動は効果が期待できない.
5.× 弾性ストッキングによる圧迫療法は深部静脈血栓症予防で適応となる.


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