第6章 内部障害理学療法学 02)循環障害 ④慢性心不全のリハビリテーション

〈第50回 PT国試 午前16〉

70歳の男性.身長170cm,体重60kg.慢性心不全でNYHA分類classⅡ.在宅におけるリハビリテーションを行っている.在宅での生活と運動指導で正しいのはどれか. 
1.安静時間を長くする.
2.Borg指数で15程度の運動を勧める.
3.体重増加は栄養改善のよい指標である.
4.疲労感が残存しているときは運動を休む.
5.症状に特別な変化がない場合は服薬を中止する.

解答

1.× 安静時間を長くすると廃用症候群をまねくため適切でない.
2.× 慢性心不全ではBorg指数で11~13程度の運動を勧める.
3.× 慢性心不全では短期間での体重増加は体液貯留を意味するため,栄養改善の指標にはならない.
4.○ 正しい.
5.× 慢性心不全では症状に特別な変化がない場合でも服薬は継続する.


〈第41回 PT国試 午前37〉

70歳の男性.身長170cm,体重60kg.陳旧性心筋梗塞による慢性心不全,NYHA(New York Heart Association,1964)のclassⅡ.医師の指示によって在宅での心臓リハビリテーションを行っている.自宅での生活指導で正しいのはどれか. 
1.できるだけ水分摂取を行う.
2.体重増加は栄養改善の良い指標である.
3.ボルグ指数で15程度の運動を勧める.
4.安静時に息切れがある日は運動を休む.
5.安静時間を長くしてエネルギー消費量を減らす.

解答

1.× 慢性心不全では心不全悪化防止のために水分管理を行う.
2.× 慢性心不全では短期間での体重増加は体液貯留を意味するため,栄養改善の指標にはならない.
3.× 慢性心不全ではBorg指数で11~13程度の運動を勧める.
4.○ 正しい.
5.× 安静時間を長くすると廃用症候群をまねくため適切でない.


〈第57回 PT国試 午後18〉

75歳の男性.身長165cm,体重60kg.大動脈弁狭窄症.心房細動と一過性脳虚血発作の既往があり,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を行っている.NYHA分類ではclassⅠで,運動負荷試験で得られた嫌気性代謝閾値(AT)は17.5mL/分/kgである.この患者への生活指導で誤っているのはどれか. 
1.抗凝固療法の服薬を継続する.
2.体重や血圧を日誌に付けて自己管理する.
3.自宅での生活活動は3METsを上限とする.
4.下肢筋力のレジスタンストレーニングをする.
5.心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 自宅での生活活動は5METsを上限とする.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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