第6章 内部障害理学療法学 02)循環障害 ③急性心筋梗塞のリハビリテーション

〈第47回 PT国試 午後48〉

厚生省「循環器疾患のリハビリテーションに関する研究」班(平成8年度)に基づいた心筋梗塞の急性期リハビリテーションプログラム進行基準で,次の段階のプログラムに進行してもよい状態はどれか. 
1.訓練時にめまいが出現した.
2.安静時心拍数が140/分であった.
3.ST上昇型で訓練時のSTが0.4mV低下した.
4.訓練時の収縮期血圧が安静時に比べて10mmHg上昇した.
5.訓練時の収縮期血圧が安静時に比べて20mmHg低下した.

解答

1.× 心筋梗塞の急性期は,訓練時にめまいが出現した場合,次の段階のプログラムに進行できない.
2.× 心筋梗塞の急性期は,安静時心拍数が120/分以上で離床開始できない.
3.× 心筋梗塞の急性期は,ST上昇型で訓練時のST0.1mV以上の虚血性ST低下で,次の段階のプログラムに進行できない.
4.○ 正しい.
5.× 心筋梗塞の急性期は,訓練時の収縮期血圧20mmHg以上の低下で,次の段階のプログラムに進行できない.


〈第46回 PT国試 午後39〉

急性心筋梗塞のためのリハビリテーションプログラムにおいて,厚生省「循環器疾患のリハビリテーションに関する研究」班(平成8年度)に基づいた進行基準の項目でないのはどれか. 
1.心拍数
2.自覚症状
3.収縮期血圧
4.心電図ST変化
5.経皮的動脈血酸素飽和度

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 経皮的動脈血酸素飽和度は進行基準の項目でない.


〈第41回 PT国試 午前95〉

急性期心筋梗塞症患者のリハビリテーションのステージ進行基準に含まれないのはどれか. 
1.自覚症状の有無
2.心拍数の増加
3.収縮期血圧の上昇
4.重症不整脈の有無
5.心電図の異常Q波

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 心電図の異常Q波は急性期心筋梗塞症患者のリハビリテーションのステージ進行基準に含まれない.


〈第46回 PT国試 午前16〉

35歳の男性.急性心筋梗塞で入院中.合併症はなく,現在,室内で2分程度ゆっくり歩くことを許可されている.この時期の患者の活動で適切でないのはどれか. 
1.入浴する.
2.室内便器を利用する.
3.立位で体重測定を行う.
4.ソファーで新聞を読む.
5.近親者と短時間面会する.

解答

1.× 室内で2分程度ゆっくり歩く時期に入浴(4~5METs)は運動強度が強すぎる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第42回 PT国試 午前95〉

心筋梗塞患者の急性期リハビリテーションで正しいのはどれか. 
1.寒冷昇圧テストを行う.
2.等尺性収縮運動を行う.
3.ギャッチアップ座位から開始する.
4.心拍数100/分以上では運動を中止する.
5.排便訓練は差し込み便器で行う.

解答

1.× 寒冷昇圧テストは自律神経機能の検査であり,心筋梗塞患者には行わない.
2.× 心筋梗塞患者では等尺性収縮運動は禁忌である.
3.○ 正しい.
4.× 心筋梗塞患者の急性期リハビリテーションでは心拍数120/分以上で運動を中止する.
5.× 心筋梗塞患者の急性期リハビリテーションでは,排便訓練は差し込み便器でなくポータブルトイレを用いる.


〈第43回 PT国試 午前32〉

47歳の男性.心筋梗塞で入院中.重篤な合併症はない.退院後のホームエクササイズとして最大心拍数の70%の運動が指示されている.運動時の目標心拍数(拍/分)として適切なのはどれか. 
1.80
2.100
3.120
4.140
5.160

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ (220-47)×0.7=121.1≒120
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第44回 PT国試 午前78〉

急性心筋梗塞患者の自宅療養期の運動療法で正しいのはどれか. 
1.負荷量設定には拡張期血圧が良い指標となる.
2.この時期の運動療法によって壊死部の再生が期待できる.
3.運動強度は最大心拍数のおよそ30%が適している.
4.下肢の筋力強化は静的収縮の多い種目を選ぶ.
5.散歩は時間と速度とを決めて行う.

解答

1.× 負荷量設定には収縮期血圧が良い指標となる.
2.× 運動療法では壊死部の再生は期待できない.
3.× 運動強度は最大心拍数のおよそ50~70%が適している.
4.× 下肢の筋力強化は動的収縮の多い種目を選ぶ.
5.○ 正しい.


〈第52回 PT国試 午後43〉

心不全のない急性心筋梗塞患者の退院後運動指導として適切なのはどれか. 
1.1日10分程度のジョギング
2.等尺性収縮による筋力増強
3.心拍数を増加させない運動
4.Borg指数16レベルの運動
5.週3日以上の有酸素運動

解答

1.× 1日20~60分のATレベルでの有酸素運動を指導する.
2.× 等張性収縮による筋力増強を指導する.
3.× 心拍数がATレベルに相当する心拍数での運動を指導する.
4.× Borg指数11~13レベルの運動を指導する.
5.○ 正しい.


Back | 【第6章 内部障害理学療法学 目次】 | Next