第6章 内部障害理学療法学 01)呼吸障害 ⑤開胸・開腹術前後の呼吸理学療法

〈第47回 PT国試 午後31〉

開胸・開腹術が予定されている場合に,実施する必要性が高い術前リハビリテーションはどれか. 
1.咳嗽訓練
2.呼吸介助
3.発声練習
4.体位ドレナージ
5.持続性気道陽圧法(CPAP)

解答

1.○ 正しい.
2.× 呼吸介助は開胸・開腹術後リハビリテーションで行う.
3.× 発声練習は開胸・開腹術前・後ともに行わない.
4.× 体位ドレナージは開胸・開腹術後リハビリテーションで行う.
5.× 持続性気道陽圧法(CPAP)は開胸・開腹術後,必要に応じて行う.


〈第58回 PT国試 午後18〉

46歳の男性.右中葉肺がん.入院して化学療法と放射線療法を行い,来月に胸腔鏡下肺部分切除術を予定している.6分間歩行距離は560mで,経皮的動脈血酸素飽和度は95%以上に保たれ,ADLは自立している.正しいのはどれか. 
1.術前から咳嗽練習を行う.
2.術前から上部胸式呼吸の練習を行う.
3.術前はベッド上の安静に努める.
4.術後1週はベッド上での体位排痰療法を中心に行う.
5.術後3か月は修正Borg指数で2程度の運動療法を行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 術前から腹式呼吸と深呼吸の練習を行う.
3.× 術前はベッド上の安静の必要はなく,運動機能とADL維持に努める.
4.× 術後は体位排痰療法,体位管理,リラクセーション,換気改善の他,全身状態が許す限り,可及的早期から離床を促す.
5.× 術後は修正Borg指数で2~3程度の運動療法から始め,修正Borg指数4~5の強度を目指す.


〈第41回 PT国試 午前36〉

65歳の男性.胸骨正中切開による縦隔腫瘍摘出術後3日.左上下葉区の痰の貯留が多い.この時期の理学療法で適切でないのはどれか.2つ選べ. 
1.ゆっくりとした深い腹式呼吸
2.右側臥位での体位排痰
3.胸郭可動域運動
4.四肢の自動介助運動
5.体幹の回旋運動

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 胸骨正中切開による術後3日目における胸郭可動域運動は禁忌である.
4.○ 正しい.
5.× 胸骨正中切開による術後3日目における体幹の回旋運動は禁忌である.


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