第5章 発達障害理学療法学 02)脳性麻痺 ⑤痙直型四肢麻痺児

〈第46回 PT国試 午後37〉

重度の痙直型四肢麻痺児に起こりやすいのはどれか.2つ選べ. 
1.前腕回外拘縮
2.中手指節間関節伸展拘縮
3.脊柱側弯変形
4.股関節外転拘縮
5.膝関節屈曲拘縮

解答

1.× 前腕回内拘縮が重度の痙直型四肢麻痺児に起こりやすい.
2.× 中手指節間関節屈曲拘縮が重度の痙直型四肢麻痺児に起こりやすい.
3.○ 正しい.
4.× 股関節内転拘縮が重度の痙直型四肢麻痺児に起こりやすい.
5.○ 正しい.


〈第52回 PT国試 午前20〉

2歳の女児.痙直型四肢麻痺.臥位では頭部コントロールが良好で,背臥位から腹臥位への寝返りが可能である.背臥位と腹臥位での様子を図に示す.この時期に優先して行う理学療法で最も適切なのはどれか. 

1.下肢の筋力増強
2.介助下での歩行練習
3.椅子からの立ち上がり練習
4.立位での陽性支持反射の促通
5.座位での体幹の立ち直り反応の促通

解答

1.× 寝返り獲得後であるため,下肢の筋力増強よりも座位保持獲得を優先する.
2.× 現在5~6か月程度の運動発達年齢であるため,介助下での歩行練習は時期尚早である.
3.× 現在5~6か月程度の運動発達年齢であるため,椅子からの立ち上がり練習は時期尚早である.
4.× 立位での陽性支持反射は促通しない.
5.○ 寝返りが可能となったため,次は座位保持獲得を目標に座位での体幹の立ち直り反応の促通を行う.


〈第41回 PT国試 午前21〉

4歳の男児.痙直型四肢麻痺.緊張性頸反射が陽性である.ボールを使った遊びの指導で適切でないのはどれか.2つ選べ. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 頸部の伸展に伴い,体幹・下肢の筋緊張が亢進しているため適切でない.
2.× 頸部の伸展に伴い下肢の筋緊張が亢進し,股関節内転・内旋,足部内反尖足となっているため適切でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後16〉

8歳の男児.脳性麻痺による痙直型四肢麻痺.背臥位姿勢と引き起こし時に図のように対応する.この児の車椅子の設定として適切なのはどれか. 

1.座面を床面と平行にする.
2.平面形状の座面を使用する.
3.胸と骨盤をベルト固定する.
4.背もたれの高さは肩までとする.
5.背もたれの角度は床面と垂直に固定する.

解答

1.× 座面は前方をやや高くし傾斜をつけて,股関節屈曲位を保ち,後弓姿勢を抑制する.
2.× 姿勢が安定するよう患児に合わせた座面を使用する.
3.○ 正しい.
4.× 頸部のコントロールが悪いため,ヘッドレストをつける.
5.× リクライニング式にする.


〈第41回 PT国試 午前13〉

14歳の女子.痙直型四肢麻痺によって座位保持ができず座位保持装置を使用している.最近側弯が増強したため外来を受診した.脊椎エックス線単純正面像(写真A)と骨盤エックス線単純正面像(写真B)とを示す.座位姿勢を改善させる方法で適切でないのはどれか. 

1.軟性コルセットを使用する.
2.右側臥位での体幹ストレッチを強化する.
3.ヘッドレストを付けて頭部を保持する.
4.座面に傾斜をつけ左坐骨を挙上させる.
5.座位保持装置に右体幹パッドを加える.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 右凸側弯により骨盤は右側が下方傾斜しているため,座面に傾斜をつけ右坐骨を挙上させる.
5.○ 正しい.


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