〈第47回 PT国試 午前16〉
4歳の女児.脳性麻痺.座位保持姿勢を図に示す.姿勢の特徴で正しいのはどれか.
1.片麻痺が疑われる.
2.重心は前方に偏位している.
3.ハムストリングスの短縮が疑われる.
4.対称性緊張性頸反射の影響がみられる.
5.頸部の立ち直り反応の低下が疑われる.
解答
1.× 痙直型両麻痺が疑われる.
2.× 重心は後方に偏位している.
3.○ 正しい.
4.× 対称性緊張性頸反射の影響は判別できない.
5.× 頸部の立ち直り反応の低下は判別できない.
〈第44回 PT国試 午前30〉
10歳の女児.痙直型両麻痺.移動には四つ這い,歩行器での歩行および車椅子自走を併用している.この女児が立ち上がろうとして図のような姿勢になった.原因として考えられるのはどれか.
1.緊張性迷路反射の残存
2.膝関節伸展可動域の低下
3.下肢の左右分離運動困難
4.上肢の屈曲共同運動の出現
5.緊張性対称性頸反射の残存
解答
1.× 緊張性迷路反射が残存している場合,頸部屈曲に伴い四肢が屈曲する.
2.× 膝関節伸展可動域の低下は原因でない.
3.○ 正しい.
4.× 上肢伸展位で支持しているため,屈曲共同運動の出現はみられない.
5.× 緊張性対称性頸反射が残存している場合,頸部屈曲に伴い上肢の屈曲と下肢の伸展する.
〈第43回 PT国試 午前29〉
次の文により問題29,問題30に答えよ.12歳の女児.痙直型両麻痺.膝歩きの様子を示す.本児の動作を正常と比較した場合の特徴で正しいのはどれか.
1.支持基底面が狭い.
2.重心の側方移動が小さい.
3.重心の位置が低い.
4.上肢の筋緊張が低い.
5.体幹の軸回旋が大きい.
解答
1.× 正常と比較して支持基底面が広い.
2.× 正常と比較して重心の側方移動が大きい.
3.○ 正しい.
4.× 正常と比較して上肢の筋緊張が高い.
5.× 正常と比較して体幹の軸回旋が小さい.
〈第43回 PT国試 午前30〉
次の文により問題29,問題30に答えよ.12歳の女児.痙直型両麻痺.膝歩きの様子を示す.本児の異常な膝歩き動作の原因として可能性が低いのはどれか.
1.体幹伸展筋群の過活動
2.腹筋群の低活動
3.股関節伸筋群の低活動
4.股関節屈筋群の過活動
5.股関節内転筋群の過活動
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 外転位での膝歩き動作であるため,股関節内転筋群の過活動はみられない.
〈第44回 PT国試 午前31〉
1歳2か月の男児.6か月健康診査で運動発達遅滞を指摘され,地域の療育センターを紹介された.痙直型両麻痺と診断され,週1回の外来理学療法が開始された.現在,首が座り上肢を支持して数秒間のみ円背姿勢で床座位保持が可能となった.この時期のホームプログラムとして適切なのはどれか.
1.下肢の保護伸展反応の促通
2.上肢の他動的可動域訓練
3.腹臥位での体幹伸展運動
4.四つ這い位保持訓練
5.介助歩行
解答
1.× 数秒間のみ床座位保持が可能となったため,上肢の保護伸展反応の促通する.
2.× 上肢の他動的可動域訓練は運動発達を促す運動として適切でない.
3.○ 上肢を支持して数秒間のみ円背姿勢で床座位保持(4~5か月)が可能となったため,ホームプログラムとして腹臥位での体幹伸展運動(5か月)を行う.
4.× 四つ這い位保持(7か月)訓練はまだ時期尚早である.
5.× 介助歩行はまだ時期尚早である.
〈第50回 PT国試 午前12〉
4歳の男児.痙直型両麻痺.GMFCS(gross motor function classification system)レベルⅢ.立位姿勢を図に示す.理学療法で適切なのはどれか.
1.股関節内旋筋の促通
2.ハムストリングスの促通
3.腹筋群と殿筋群の同時収縮の促通
4.長下肢装具の使用
5.両側T字杖の使用
解答
1.× 股関節内旋筋を促通すると股関節内旋が増強し立位姿勢が不安定となるため適切でない.
2.× ハムストリングスを促通すると膝屈曲が増強し立位姿勢が不安定となるため適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 短下肢装具を使用する.
5.× 両側ロフストランド杖を使用する.
〈第45回 PT国試 午前15〉
4歳の脳性麻痺児.抱っこでは常に図のような姿勢を示す.遊びの姿勢で適切でないのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 下肢の異常伸展パターンが抑制されていない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第41回 PT国試 午前20〉
4歳の男児.痙直型両麻痺.平行棒内両手支持での立位保持は可能だが,はさみ状歩容である.運動療法で適切でないのはどれか.
1.ブリッジ
2.膝立ち位保持
3.四つ這い移動
4.立位
5.歩行
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× はさみ脚肢位となっているため適切な立位でない.
5.○ 正しい.
〈第46回 PT国試 午後14〉
4歳の男児.脳性麻痺痙直型両麻痺.図のような理学療法を行っている.訓練目的として誤っているのはどれか.
1.上肢パラシュート反応の促通
2.股関節内転筋の緊張抑制
3.股関節伸展筋の促通
4.体幹伸展筋の促通
5.膝屈曲筋の促通
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 脳性麻痺痙直型両麻痺は膝関節屈曲位になりやすいため,膝屈曲筋の促通を訓練目的にしない.
〈第53回 PT国試 午後16〉
4歳の男児.痙直型両麻痺.しばしば割り座で座る.バニーホッピングと交互性パターンの四つ這いを併用して移動する.PCW〈postural control walker〉を用いた歩行練習を実施している.この児に対する遊びの指導内容で最も適切なのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
2.× 下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
3.○ 正しい.
4.× 全身の異常伸展パターンが抑制されていないので不適切である.
5.× PCWで歩行練習をしているためプローンボードでの立位は最も適切とは言えない.
〈第59回 PT国試 午後15〉
5歳の女児.脳性麻痺による痙直型両麻痺.屋内での主な移動は車椅子で,監視下でPCW(postural control walker)を用いた歩行練習をしている.この児に対する動作指導で最も適切なのはどれか.
1.割座保持
2.補装具なしでの歩行
3.立位保持装置での立位
4.バニーホッピングでの移動
5.膝立ち位でのキャッチボール
解答
1.× 割座保持は下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
2.× 足底接地や膝関節制御を目的に補装具を使用した歩行練習を行う.
3.× PCWで歩行練習をしているため立位保持装置での立位は最も適切とは言えない.
4.× バニーホッピングでの移動は下肢の股関節屈曲・内転・内旋筋の痙性を高めるため不適切である.
5.○ 正しい.
〈第42回 PT国試 午前27〉
5歳の女児.痙直型両麻痺.頸定は6か月,寝返りは11か月,座位は2歳で可能となった.現在,平行棒内で裸足での立位保持は可能だが歩行は自立していない.小学校入学時に使用する可能性が最も低いのはどれか.
1.歩行器
2.バギー
3.転倒保護帽
4.短下肢装具
5.ロフストランドクラッチ
解答
1.○ 正しい.
2.× 平行棒内で裸足での立位保持が可能であるためバギーは適切でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第48回 PT国試 午後16〉
6歳の女児.脳性麻痺痙直型両麻痺.手指の巧緻動作は拙劣だが上肢・体幹の機能障害は比較的軽度で,座位バランスは良好である.両手で平行棒につかまれば椅子から立ち上がることができ,平行棒内立位は片手支持でも安定して保持できる.歩き出そうとすると支持脚股関節・膝関節の屈曲が生じ,尻もちをつきそうになり歩けない.この患者の歩き出しの問題への対処として行う理学療法で適切なのはどれか.
1.バルーン上座位保持練習
2.バルーン上腹臥位での体幹伸展練習
3.台上座位からの立ち上がり練習
4.壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊び
5.低い台に片足を乗せるステップ動作の練習
解答
1.× 上肢・体幹の機能障害は比較的軽度で座位バランスは良好であるため,バルーン上座位保持練習は適切でない.
2.× 上肢・体幹の機能障害は比較的軽度であるため,バルーン上腹臥位での体幹伸展練習は適切でない.
3.× 両手で平行棒につかまれば椅子から立ち上がることができるため,台上座位からの立ち上がり練習は適切でない.
4.× 壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊びは歩き出しの問題への対処でないため適切でない.
5.○ 正しい.
〈第43回 PT国試 午前38〉
6歳の痙直型両麻痺児.平行棒内での歩行を練習中.注意すれば踵を接地して歩けるが,足部外反扁平位と膝関節屈曲位とになりやすい.短下肢装具の処方で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.外側ストラップを付ける.
2.アーチサポートを付ける.
3.半長靴にする.
4.外側フレアヒールを用いる.
5.踵を補高する.
解答
1.× 足部外反扁平位であるため内側ストラップを付ける.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 足部外反扁平位であるため内側フレアヒールを用いる.
5.× 踵を補高するとさらに膝屈曲位になりやすくなるため適切でない.
〈第55回 PT国試 午後13〉
8歳の男児.脳性麻痺による痙直型両麻痺.GMFCSレベルⅢであり,床上はバニーホッピングで移動している.学校内の移動は車椅子駆動で自立している.車椅子の設定で正しいのはどれか.
1.ヘッドサポートをつける.
2.座面高は標準より高くする.
3.背もたれの高さは肩までとする.
4.背もたれはリクライニング式にする.
5.フットサポートはスイングアウト式にする.
解答
1.× 座位保持が可能であるため,ヘッドサポートは必要ない.
2.× 座面高は標準とする.
3.× 背もたれの高さは標準(腋窩から50~100mm低く)の設定とする.
4.× 座位保持が可能であるため,背もたれはリクライニング式でなく普通型にする.
5.○ 正しい.
〈第57回 PT国試 午前16〉
12歳の男児.脳性麻痺痙直型両麻痺.GMFCSレベルⅢで,立位では図のような姿勢を示す.治療方針として優先されるのはどれか.
1.長下肢装具を作製する.
2.体幹筋の同時収縮を促す.
3.選択的後根切断術を検討する.
4.歩行練習での介助量を減らす.
5.上肢での支持能力を向上させる.
解答
1.× 誤り.
2.○ 短下肢装具を使用し,体幹筋の同時収縮と下肢支持能力向上を優先とする.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第48回 PT国試 午後39〉
脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか.
1.重心の上下動が小さい.
2.骨盤の回旋が大きい.
3.股関節の内旋が大きい.
4.歩幅が大きい.
5.歩行率が小さい.
解答
1.× 脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行は重心の上下動が大きい.
2.× 脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行は骨盤の回旋が小さい.
3.○ 正しい.
4.× 脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行は歩幅が小さい.
5.× 脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行は歩行率が大きい.
〈第44回 PT国試 午前72〉
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか.
1.体幹の動揺は少ない.
2.肩関節は内転位になりやすい.
3.肘関節は伸展位になりやすい.
4.股関節は内転位になりやすい.
5.膝関節は伸展位になりやすい.
解答
1.× 痙直型両麻痺児の歩行は体幹の動揺が大きい.
2.× 痙直型両麻痺児の歩行では肩関節は外転位になりやすい.
3.× 痙直型両麻痺児の歩行では肘関節は屈曲位になりやすい.
4.○ 正しい.
5.× 痙直型両麻痺児の歩行では膝関節は屈曲位になりやすい.
〈第42回 PT国試 午前76〉
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で誤っているのはどれか.
1.体幹の側方動揺が大きい.
2.股・膝関節の屈曲が大きい.
3.股関節が内転位になりやすい.
4.足先から接地する.
5.上肢は伸展位をとる.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 痙直型両麻痺児の歩行では上肢は屈曲位をとる.
〈第43回 PT国試 午前77〉
痙直型両麻痺を呈する脳性麻痺児の歩行訓練に際して,痙縮を抑制する手技の対象となるのはどれか.2つ選べ.
1.大殿筋
2.中殿筋
3.長内転筋
4.腓腹筋
5.長腓骨筋
解答
1.× 痙直型両麻痺の歩行訓練に際して,大殿筋を促通する.
2.× 痙直型両麻痺の歩行訓練に際して,中殿筋を促通する.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 痙直型両麻痺の歩行訓練に際して,長腓骨筋を促通する.
〈第51回 PT国試 午前36〉
脳性麻痺の痙直型両麻痺で生じやすい肢位はどれか.
1.踵足
2.外反母趾
3.股関節外転位
4.股関節外旋位
5.クラウチング肢位
解答
1.× 脳性麻痺の痙直型両麻痺は内反尖足位を生じやすい.
2.× 脳性麻痺の痙直型両麻痺は外反母趾を生じにくい.
3.× 脳性麻痺の痙直型両麻痺は股関節内転位を生じやすい.
4.× 脳性麻痺の痙直型両麻痺は股関節内旋位を生じやすい.
5.○ 正しい.
〈第43回 PT国試 午前31〉
痙直型両麻痺児はどれか.2つ選べ.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× アテトーゼ型脳性麻痺児である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× アテトーゼ型脳性麻痺児である.
5.× アテトーゼ型脳性麻痺児である.
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