第4章 運動器障害理学療法学 13)スポーツ損傷 ④膝関節部

〈第49回 PT国試 午前13〉

次の文により13,14の問いに答えよ.10歳の女児.1か月ほど前から運動後に膝の痛みを訴え,膝脛骨結節部に圧痛があった.単純エックス線写真を示す.最も考えられるのはどれか. 

1.腓骨骨折
2.膝靱帯損傷
3.膝半月板損傷
4.第1Köhler病
5.Osgood-Schlatter病

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ ①10歳,②1か月ほど前から運動後に膝の痛み,③膝脛骨結節部に圧痛,④単純エックス線写真で脛骨結節部の異常陰影がみられることからOsgood-Schlatter病である.


〈第49回 PT国試 午前14〉

次の文により13,14の問いに答えよ.10歳の女児.1か月ほど前から運動後に膝の痛みを訴え,膝脛骨結節部に圧痛があった.単純エックス線写真を示す.運動後以外には膝の痛みの訴えはなかった.正しい対応はどれか.

1.ギプス固定
2.運動の制限
3.運動後の極超短波
4.運動後のホットパック
5.腸脛靱帯のストレッチ

解答

1.× Osgood-Schlatter病はギプス固定でなく装具を装着する.
2.○ 正しい.
3.× 運動後の膝の痛みは炎症によるものであること,また,骨端線への照射が禁忌であることから極超短波は行わない.
4.× 運動後の膝の痛みは炎症によるものであるため,ホットパックは行わない.
5.× Osgood-Schlatter病では腸脛靱帯でなくハムストリングスや大腿四頭筋のストレッチを行う.


〈第44回 PT国試 午前28〉

次の文により28,29の問いに答えよ.12歳の女児.ミニバスケットボールの練習を始めてから,右膝のやや遠位部に疼痛と腫脹とが出現したため来院した.症状は運動後に悪化し,安静で軽快する.エックス線写真を示す.認められるのはどれか.

1.大腿骨遠位骨幹端部の骨膜反応
2.大腿骨顆部の骨硬化
3.膝蓋骨の骨棘形成
4.脛骨顆間隆起の尖鋭化
5.脛骨粗面部骨端の不整

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ ①12歳,②ミニバスケットボール,③右膝のやや遠位部に疼痛と腫脹,④症状は運動後に悪化し,安静で軽快することからOsgood-Schlatter病であり,エックス線写真では脛骨粗面部骨端の不整が認められる.


〈第44回 PT国試 午前29〉

次の文により28,29の問いに答えよ.12歳の女児.ミニバスケットボールの練習を始めてから,右膝のやや遠位部に疼痛と腫脹とが出現したため来院した.症状は運動後に悪化し,安静で軽快する.エックス線写真を示す.この患者の理学療法で適切でないのはどれか. 

1.膝サポーターの装着
2.大腿四頭筋のストレッチ
3.疼痛部のアイスマッサージ
4.スクワットによる下肢筋力訓練
5.ハムストリングスのストレッチ

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 症状は運動後に悪化するため,炎症時期はスポーツ活動を禁止し,スクワットによる下肢筋力訓練も行わない.
5.○ 正しい.


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