第4章 運動器障害理学療法学 11)脊椎疾患 ④椎間板ヘルニア

〈第52回 PT国試 午後32〉

腰椎椎間板ヘルニアで陽性となるテストはどれか. 
1.Apleyテスト
2.Patrickテスト
3.Thomasテスト
4.McMurrayテスト
5.大腿神経伸張テスト

解答

1.× Apleyテストは半月板損傷で陽性となる.
2.× Patrickテストは股関節疾患で陽性となる.
3.× Thomasテストは股関節屈曲拘縮で陽性となる.
4.× McMurrayテストは半月板損傷で陽性となる.
5.○ 正しい.


〈第53回 PT国試 午後12〉

50歳の男性.1か月前から腰痛と右殿部痛が生じ,徐々に右下肢の疼痛が増悪してきた.腰部MRIを示す.この病態で陽性になるのはどれか. 

1.Apley test
2.Lasègue test
3.Lachman test
4.Thompson test
5.McMurray test

解答

1.× Apley testは半月板損傷の検査である.
2.○ MRIよりL5-S1の椎間板ヘルニアよりLasègue testは陽性となる.
3.× Lachman testは前十字靱帯損傷の検査である.
4.× Thompson testはアキレス腱断裂の検査である.
5.× McMurray testは半月板損傷の検査である.


〈第51回 PT国試 午後6〉

40歳の男性.2週前から腰痛と右殿部から大腿前面にかけてのしびれが生じ,徐々に右下肢の筋力低下を自覚するようになってきた.この患者に行う検査として適切なのはどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ 正しい.
2.× 外反ストレステストは内側側腹靱帯損傷で陽性となる.
3.× Oberテストは大腿筋膜張筋短縮時に陽性となる.
4.× パトリック徴候は股関節疾患で陽性となる.
5.× Thomasテストは股関節屈曲拘縮で陽性となる.


〈第49回 PT国試 午前35〉

腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか. 
1.L4神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる.
2.L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う.
3.L5神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる.
4.S1神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる.
5.S1神経根障害では膝蓋腱反射が低下する.

解答

1.× S1神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる.
2.○ 正しい.
3.× L4神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる.
4.× L4,L5神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる.
5.× L4神経根障害では膝蓋腱反射が低下する.


〈第54回 PT国試 午後14〉

40歳の男性.長時間の立位により右下肢の疼痛が生じるようになったため受診し腰椎椎間板ヘルニアと診断された.右の片脚立位で踵の挙上ができなかった.重度の感覚鈍麻が疑われる部位はどれか. 

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答

1.× ①L3領域
2.× ②L4領域
3.× ③L4領域
4.○ ④下腿三頭筋の筋力低下よりS1領域が疑われる.
5.× ⑤L5領域


〈第51回 PT国試 午前9〉

44歳の女性.1か月前から腰痛および左下肢痛を訴える.腰椎MRIの矢状断像(A)と水平断像(B)とを示す.なお,水平断像は矢状断像で最も所見がある椎体間の高位のものである.この患者にみられる所見はどれか. 

1.左下腿内側の感覚障害
2.左足部の感覚障害
3.左大腿四頭筋の筋力低下
4.右下腿外側の感覚障害
5.右長母指伸筋の筋力低下

解答

1.× 左下腿内側の感覚障害は左L3-L4椎間板ヘルニアで出現する.
2.○ 正しい.
3.× 左大腿四頭筋の筋力低下は左L3-L4椎間板ヘルニアで出現する.
4.× 右下腿外側の感覚障害は右L4-L5椎間板ヘルニアで出現する.
5.× 右長母指伸筋の筋力低下は右L4-L5椎間板ヘルニアで出現する.


〈第45回 PT国試 午後7〉

35歳の女性.2か月前から腰痛と右殿部痛とが生じ,徐々に右下肢の疼痛が増悪してきた.腰部MRIを示す.この患者に認められるのはどれか. 

1.椎体骨折
2.腰椎分離症
3.腰椎すべり症
4.椎間板ヘルニア
5.後縦靱帯骨化症

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ①2か月前から腰痛と右殿部痛,②徐々に右下肢の疼痛が増悪,③腰部MRIより椎間板ヘルニア(L5-S1)である.
5.× 誤り.


〈第56回 PT国試 午前15〉

次の文により15,16の問いに答えよ.45歳の女性.3日前,自宅で荷物を持ち上げた際に,腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった.安静にしていたが,疼痛が軽快しないため受診し,腰椎椎間板ヘルニアと診断された.最も疑われる病変部位はどれか. 
1.L1/2
2.L2/3
3.L3/4
4.L4/5
5.L5/S1

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあることから,病部位はL5/S1と考える.


〈第56回 PT国試 午前16〉

次の文により15,16の問いに答えよ.45歳の女性.3日前,自宅で荷物を持ち上げた際に,腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった.安静にしていたが,疼痛が軽快しないため受診し,腰椎椎間板ヘルニアと診断された.発症から2か月が経過し,足背外側部の疼痛と安静時の腰痛は改善したが,労作時に軽度の腰痛が続いているため再度受診した.理学療法として適切でないのはどれか. 
1.TENS
2.ホットパック
3.Williams型装具の装着
4.体幹筋群の筋力トレーニング
5.ハムストリングスのストレッチング

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 安静時の腰痛は改善しているため,Williams型装具の装着はせず体幹筋群の筋力強化により体幹の安定性を図る.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試 午前81〉

腰椎椎間板ヘルニアの急性期の治療で適切でないのはどれか. 
1.薬物療法
2.ダーメンコルセット装着
3.活動制限
4.腰椎間欠牽引
5.硬膜外ブロック注射

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 腰椎椎間板ヘルニアの急性期に腰椎間欠牽引を実施すると症状を悪化させる原因となる可能性があるため適切でない.
5.○ 正しい.


〈第58回 PT国試 午後42〉

腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか. 
1.急性期から間欠牽引を行う.
2.急性期から硬性コルセットを使用する.
3.急性期の疼痛に対して体操療法を行う.
4.進行性の筋力低下があれば手術療法を考慮する.
5.腰への負担を減らすために数か月間のベッド上安静とする.

解答

1.× 腰椎椎間板ヘルニア急性期の間欠牽引は禁忌である.
2.× 腰椎椎間板ヘルニアの急性期は軟性コルセットを使用する.
3.× 急性期の疼痛が軽快してから体操療法を行う.
4.○ 正しい.
5.× 腰への負担を減らすために2~7日安静とするが,完全な安静臥床はできるかぎり避ける.


〈第57回 PT国試 午後41〉

腰椎椎間板ヘルニアの保存療法後の理学療法で誤っているのはどれか. 
1.四つ這い位で一側下肢を挙上する.
2.腸腰筋の短縮がある場合は伸張する.
3.端座位で骨盤の前後傾運動をゆっくり行う.
4.就寝時は側臥位で腰椎伸展位をとるよう指導する.
5.パピーポジションで腰椎伸展位をとるよう指導する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 就寝時に側臥位をとると脊柱管や椎間孔が狭小化するため適切でない.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試 午前82〉

腰椎椎間板ヘルニアの慢性期の指導で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.膝を曲げて寝る.
2.背もたれのない腰掛けを使う.
3.中腰で物を持つ.
4.あぐら座位で座る.
5.Williams腰痛体操を行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 背もたれのない腰掛けを使うと背もたれのある座位よりも椎間板内圧が高くなるため,背もたれのある腰掛を使用するように指導する.
3.× 中腰で物を持つと腰椎に剪断力がはたらき,また過度の伸張が背筋や後部の靱帯にかかるため,しゃがんで出来るだけ体幹を直立して下肢筋力を用いて持ち上げるように指導する.
4.× あぐら座位は椎間板内圧が高くなるため,避けるように指導する.
5.○ 正しい.


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