第4章 運動器障害理学療法学 07)上肢の骨折・脱臼 ②前腕骨骨折

〈第54回 PT国試 午前31〉

尺骨骨幹部骨折と橈骨小頭の脱臼を生じるのはどれか. 
1.Barton骨折
2.Colles骨折
3.Galeazzi骨折
4.Monteggia骨折
5.Smith骨折

解答

1.× Barton骨折は橈骨遠位端関節内骨折である.
2.× Colles骨折は橈骨遠位端関節外骨折で骨片の背側転位を伴う.
3.× Galeazzi骨折は橈骨骨幹部骨折に尺骨遠位端の脱臼を伴う.
4.○ Monteggia骨折は尺骨骨幹部骨折に橈骨頭脱臼を伴う.
5.× Smith骨折は橈骨遠位端関節外骨折で骨片の掌側転位を伴う.


〈第53回 PT国試 午前43〉

手関節背屈位で手をついて転倒した患者のエックス線単純写真を示す.この病態として正しいのはどれか. 

1.chauffeur's骨折
2.Colles骨折
3.Galeazzi骨折
4.Monteggia骨折
5.Smith骨折

解答

1.× chauffeur's骨折は橈骨茎状突起の骨折である.
2.○ 手関節背屈位で手をついた橈骨遠位端骨折であるので,Colles骨折である.
3.× Galeazzi骨折は橈骨骨幹部骨折に尺骨遠位端の脱臼を伴う.
4.× Monteggia骨折は尺骨骨幹部骨折に橈骨頭脱臼を伴う.
5.× Smith骨折は手関節掌屈位で手をついた橈骨遠位端骨折で骨片の掌側転位を伴う.


〈第43回 PT国試 午前9〉

次の文により問題9,問題10に答えよ.72歳の女性.歩行中に転倒して右手をついた.診療所で良好な整復を得て,ギプス固定を受けた.受傷直後の右上肢のエックス線写真を示す.この骨折について正しいのはどれか. 

1.Bennett脱臼骨折
2.Colles骨折
3.Galeazzi骨折
4.Monteggia脱臼骨折
5.Smith骨折

解答

1.× Bennett脱臼骨折は自転車のハンドルを握ったまま転倒したり,スキーでストックを持ったまま手をついた場合など,母指を外転した状態で末梢から長軸方向の力を受けて生じるCM関節脱臼骨折である.
2.○ 正しい.
3.× Galeazzi(ガレアッツィ)骨折は介達外力によって生じる橈骨骨幹部骨折と尺骨頭遠位端の脱臼の合併したものである.
4.× Monteggia脱臼骨折は尺骨近位1/3骨折と橈骨頭前方脱臼の合併したもので,打撃を防ごうとして直達外力を受けた場合や転落・転倒で手をつき介達外力を受けた場合などに生じる.
5.× Smith骨折は手関節を掌屈し手背をついて倒れたときに発生する橈骨遠位部骨折で,骨折線はColles骨折と逆方向で背側遠位から斜めに掌側近位方向に向かい,遠位骨片は掌側に転位する.


〈第43回 PT国試 午前10〉

次の文により問題9,問題10に答えよ.72歳の女性.歩行中に転倒して右手をついた.診療所で良好な整復を得て,ギプス固定を受けた.ギプス固定後の状態を示す.3週後に巻き直しのため受診した際,右前腕から手指に強い運動時痛と浮腫とを認めた.大学病院に紹介され,複雑性局所疼痛症候群の診断を受けた.この症例において初期治療で考慮すべきであった点はどれか.2つ選べ. 

1.日常生活では右手の安静を指導する.
2.前腕・手指の等尺性収縮を行わせる.
3.中手指節関節は動かせる固定とする.
4.手関節の固定は背屈位にする.
5.前腕から遠位の固定とする.

解答

1.× 複雑性局所疼痛症候群を予防するためには,早期から手指や肩関節の理学療法を行ったり,可能な範囲で日常生活において右手を使うよう指導する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× Colles骨折では手関節の固定は軽度掌屈・尺屈位にする.
5.× Colles骨折では上腕遠位からMP関節までギプス固定とする.


〈第52回 PT国試 午前11〉

35歳の女性.橈骨遠位端骨折後に右上肢にCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉を生じた.この患者にみられる所見に合致しないのはどれか. 
1.浮腫
2.痛覚鈍麻
3.発汗異常
4.アロディニア
5.皮膚温の変化

解答

1.○ 正しい.
2.× CRPSでは痛覚鈍麻はみられない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後25〉

CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のtypeⅠに認められずtypeⅡに認められるのはどれか. 
1.骨萎縮
2.痛覚過敏
3.発汗異常
4.皮膚温異常
5.末梢神経伝導検査異常

解答

1.× 骨萎縮はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
2.× 痛覚過敏はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
3.× 発汗異常はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
4.× 皮膚温異常はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
5.○ 正しい.


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