〈第58回 PT国試 午前8〉
53歳の女性.自転車走行中に転倒受傷し,鎖骨骨幹部骨折に対して観血的整復固定術が施行された.術後のエックス線写真を示す.術後翌日の患側の理学療法で正しいのはどれか.
1.手指運動を行う.
2.患部に超音波療法を行う.
3.肩関節挙上の等張性運動を行う.
4.全身の安静のためベッド上で行う.
5.他動で肩関節の可動域練習を行う.
解答
1.○ 正しい.
2.× 患部への超音波療法は骨癒合が遷延した場合に行う.
3.× 鎖骨骨折術後における肩関節挙上の等張性運動は骨癒合の得られる4週以降に行う。
4.× 術後翌日に全身の安静は必要ない.
5.× 鎖骨骨折術後における他動による肩関節の可動域練習は癒合の得られる4週以降に行う。
〈第50回 PT国試 午前33〉
上腕骨骨折について正しいのはどれか.
1.顆上骨折は高齢者に多い.
2.近位部骨折は小児に多い.
3.近位部骨折では外転位固定を行う.
4.骨幹部骨折では骨壊死が起こりやすい.
5.骨幹部骨折では橈骨神経麻痺が起こりやすい.
解答
1.× 上腕骨顆上骨折は小児で最も頻度の高い骨折の1つで5~10歳に多い.
2.× 上腕骨近位部骨折は高齢者女性に多い骨折である.
3.× 上腕骨近位部骨折では内転・内旋位固定を行う.
4.× 上腕骨骨幹部骨折では骨壊死が起こりにくい.
5.○ 正しい.
〈第55回 PT国試 午前13〉
60歳の女性.転倒して右肩関節痛を訴えた.エックス線写真を示す.まず患部に行うべき治療はどれか.
1.ギプス固定
2.極超短波療法
3.三角巾固定
4.髄内釘固定
5.超音波療法
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 転位の少ない上腕骨近位部骨折は,まず三角巾のみの固定で早期運動療法を行う.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第43回 PT国試 午前13〉
75歳の女性.玄関で転倒し右肩の痛みと挙上困難とを生じ,カラーアンドカフ法で保存的な治療を受けた.骨折時の右肩のエックス線写真(A)と固定状態の写真(B)とを示す.1か月経過して骨折部が安定した.この時点での理学療法(C①~⑤)で適切でないのはどれか.
1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 上腕骨近位部骨折は仮骨形成に約6週必要であり,受傷1か月後に肩関節内外旋を行うと骨折転位を助長する可能性があるため適切でない.
〈第57回 PT国試 午前32〉
上腕骨骨幹部骨折で最も合併しやすい神経障害はどれか.
1.腋窩神経
2.筋皮神経
3.尺骨神経
4.正中神経
5.橈骨神経
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 上腕骨骨幹部骨折で最も合併しやすい神経障害は橈骨神経である.
〈第55回 PT国試 午前44〉
外反肘をきたしやすいのはどれか.
1.尺骨肘頭骨折
2.上腕骨外顆骨折
3.上腕骨顆上骨折
4.上腕骨内側上顆骨折
5.橈骨小頭骨折
解答
1.× 誤り.
2.○ 上腕骨外顆骨折は外反肘をきたしやすい.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第48回 PT国試 午後14〉
15歳の男子.6歳時に転倒して左上腕骨外顆骨折の診断で骨接合術を受けた.最近左手のしびれを訴えるようになり受診した.両肘の伸展を行わせたところ,両側とも完全伸展が可能であったが左肘に図の様な変形を認めた.この患者で最も考えられるのはどれか.
1.腋窩神経障害
2.筋皮神経障害
3.正中神経障害
4.尺骨神経障害
5.橈骨神経障害
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ①6歳時に左上腕骨外顆骨折,②最近左手のしびれ,③左肘の外反変形がみられることから,遅発性の尺骨神経障害である.
5.× 誤り.
〈第54回 PT国試 午前44〉
小児でVolkmann拘縮を起こしやすいのはどれか.
1.上腕骨顆上骨折
2.上腕骨外顆骨折
3.上腕骨近位部骨折
4.上腕骨骨幹部骨折
5.上腕骨内側上顆骨折
解答
1.○ Volkmann拘縮は上腕骨顆上骨折に合併しやすい.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第58回 PT国試 午後8〉
6歳の女児.公園で転倒し,骨折の診断で同日緊急手術を受けた.術後のエックス線写真を示す.術後の患側上肢の理学療法で正しいのはどれか.
1.術後1週で筋力増強運動を開始する.
2.肘関節の運動は自動より他動を優先する.
3.術後2週で肩関節の可動域練習を開始する.
4.仮骨形成してから肘関節の可動域練習を開始する.
5.術後翌日に急激な痛みがあっても手指運動を行う.
解答
1.× 術後1週で筋力増強運動を開始するのは時期尚早である.
2.× 肘関節の運動は他動より自動を優先する.
3.× 肩関節の可動域練習は術後翌日より開始する.
4.○ 正しい.
5.× 術後翌日に急激な痛みがあった際は合併症を疑い,手指運動を行わない.
〈第46回 PT国試 午後7〉
次の文により7,8の問いに答えよ.8歳の男児.公園の滑り台から誤って転落して左手をつき,痛みのために救急外来を受診した.左肘関節中枢部に疼痛,腫脹および変形が認められる.初診時の左肘のエックス線写真(A,B)を示す.急性期の合併症で起こりにくいのはどれか.
1.橈骨神経麻痺
2.正中神経麻痺
3.尺骨神経麻痺
4.上腕動脈損傷
5.尺骨動脈損傷
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 上腕骨顆上骨折の合併症で尺骨動脈損傷は起こりにくい.
〈第46回 PT国試 午後8〉
次の文により7,8の問いに答えよ.8歳の男児.公園の滑り台から誤って転落して左手をつき,痛みのために救急外来を受診した.左肘関節中枢部に疼痛,腫脹および変形が認められる.初診時の左肘のエックス線写真(A,B)を示す.徒手整復と外固定とによる保存治療後4週のエックス線写真(C,D)を示す.肘関節の自動可動域は伸展-20°,屈曲80°であった.この時点の理学療法で誤っているのはどれか.
1.肩関節の振子運動
2.肘関節の温熱療法
3.肘関節の自動屈曲伸展運動
4.肘関節の他動屈曲伸展運動
5.握力の強化訓練
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 保存治療後4週のエックス線写真(C,D)にてまだ骨癒合が得られていないため,肘関節の他動屈曲伸展運動は行わない.
5.○ 正しい.
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