第4章 運動器障害理学療法学 06)下肢の骨折・脱臼 ②大腿骨近位部骨折

〈第54回 PT国試 午前13〉

82歳の女性.転倒して右股関節痛を訴えた.エックス線写真を示す.疑うべき疾患はどれか. 

1.股関節脱臼
2.坐骨骨折
3.大腿骨近位部骨折
4.恥骨結合離開
5.恥骨骨折

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 大腿骨近位部骨折(大腿骨頸部骨折)
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 PT国試 午前5〉

骨盤部のエックス線写真を示す.認められる所見はどれか. 

1.股関節の脱臼
2.股関節の形成不全
3.大腿骨頭の壊死
4.大腿骨頸部の骨折
5.大腿骨頭のすべり

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 右大腿骨頸部の骨折が認められる.
5.× 誤り.


〈第56回 PT国試 午前7〉

78歳の女性.自宅玄関で転倒してから起立歩行不能となり救急搬送された.来院時の単純エックス線画像を示す.最も考えられるのはどれか.

1.股関節脱臼
2.大腿骨頸部骨折
3.大腿骨骨頭骨折
4.大腿骨転子下骨折
5.大腿骨転子部骨折

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 大腿骨転子部骨折が認められる.


〈第51回 PT国試 午後42〉

大腿骨近位部骨折に対する人工骨頭置換術(後方アプローチ)後,全荷重が可能な状態での理学療法において適切でないのはどれか. 
1.背臥位における膝伸展位での股関節外転運動
2.腹臥位における他動的な股関節伸展運動
3.座位における重錘を用いた大腿四頭筋の筋力増強
4.低い椅子から股関節内旋位での立ち上がり練習
5.歩行器を用いた屋外歩行練習

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 人工骨頭置換術(後方アプローチ)の脱臼肢位は屈曲・内転・内旋であるため,低い椅子から股関節内旋位での立ち上がり練習は行わない.
5.○ 正しい.


〈第42回 PT国試 午前80〉

転倒による右大腿骨頸部内側骨折に人工骨頭置換術を施行したとき,術後の起立訓練開始時期への影響が最も少ないのはどれか. 
1.術前の歩行能力
2.セメントの使用
3.手術切開創の治癒
4.心機能の低下
5.片麻痺の合併

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 手術切開創の治癒前から起立訓練可能であるため,人工骨頭置換術後の起立訓練開始時期への影響が最も少ない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試 午後14〉

87歳の女性.転倒して左股関節痛を訴え,入院となった.受傷後2日目に後方侵入法で手術を受けた.術後のエックス線写真を示す.正しいのはどれか. 

1.臥床時には股関節を内転位に保つ.
2.靴下の着脱は股関節外旋位で行う.
3.術後1週から大腿四頭筋セッティングを開始する.
4.術後2週から中殿筋の筋力トレーニングを開始する.
5.術後3か月は免荷とする.

解答

1.× 人工骨頭置換術後は臥床時には股関節を外転位に保つ.
2.○ 正しい.
3.× 人工骨頭置換術翌日から大腿四頭筋セッティングを開始する.
4.× 人工骨頭置換術後2日から中殿筋の筋力トレーニングを開始する.
5.× 人工骨頭置換術後2日から疼痛自制内にて部分荷重を行う.


〈第41回 PT国試 午前25〉

80歳の女性.転倒によって左大腿骨頸部内側骨折を受傷.人工骨頭置換術(セメントレス)施行2週後の理学療法で適切でないのはどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 90°以上の股関節屈曲は人工骨頭置換術の脱臼肢位であるため適切でない.


〈第52回 PT国試 午後40〉

転位のない大腿骨転子部骨折に対する観血的整復固定術後の理学療法として優先度の低いのはどれか. 
1.早期からの歩行練習
2.脱臼予防肢位の指導
3.早期からのROM練習
4.大腿四頭筋の等尺性運動
5.足関節の自動的底背屈運動

解答

1.○ 正しい.
2.× 大腿骨転子部骨折に対する観血的整復固定術は脱臼の恐れがないため,脱臼予防肢位の指導は優先度が低い.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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