第2章 神経筋障害理学療法学 12)筋疾患 ③強直性筋ジストロフィー

〈第54回 PT国試 午後6〉

26歳の男性.20歳ころから乗り物のつり革を握ると放しにくいことを自覚し始め,四肢遠位筋優位の筋力低下を自覚するようになった.母親にも同様の症状がある.前頭部に脱毛があり,側頭筋や咬筋が萎縮し,顔の幅が狭く頰がこけた顔貌をしている.認められる可能性が高いのはどれか. 
1.アテトーゼ
2.Gowers徴候
3.ミオトニア
4.Lhermitte徴候
5.Romberg徴候

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 筋強直性ジストロフィーのためミオトニアが認められる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第56回 PT国試 午後15〉

32歳の男性.筋強直性ジストロフィー.手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる.側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める.筋力はMMTで頸部2,肩関節周囲2,肘関節周囲2,手指3,股関節周囲2,膝関節周囲2,足関節周囲1で,立位になればかろうじて短距離歩行可能である.労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく,SpO₂の低下を認めない.正しいのはどれか. 
1.ROM運動は筋強直に抵抗して行う.
2.食事は咀嚼回数を減らす形態にする.
3.等尺性収縮による筋力増強は行わない.
4.アンビューバックを活用した呼吸練習を行う.
5.下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない.

解答

1.× ROM運動は筋強直に抵抗せず,愛護的に行う.
2.○ 正しい.
3.× 過負荷にならない程度に等尺性収縮による筋力増強を行う.
4.× 呼吸機能が保たれているため,アンビューバックを活用した呼吸練習を行うには時期尚早である.
5.× 下肢装着型の補助ロボット導入は有効である.


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