第2章 神経筋障害理学療法学 11)重症筋無力症(MG) ③理学療法

〈第58回 PT国試 午後17〉

44歳の女性.3年前に全身型重症筋無力症と診断され,拡大胸腺摘出術を受けた.現在ステロイド内服治療を継続し,定期的にγグロブリン大量静注療法を受けている.この患者の理学療法で正しいのはどれか. 
1.血清CK値を指標に運動量を調整する.
2.筋力増強には過用に注意し漸増負荷を実施する.
3.筋緊張亢進に対してボツリヌス毒素療法を考慮する.
4.クリーゼのときには閉塞性換気障害を念頭に入れる.
5.体温上昇で神経症状が増悪するため環境温に注意する.

解答

1.× 重症筋無力症は筋疾患でないため,血清CK値は運動量の指標にならない.
2.○ 正しい.
3.× 重症筋無力症は筋緊張亢進しないため,ボツリヌス毒素療法は適応にならない.
4.× クリーゼのときには拘束性換気障害を念頭に入れる.
5.× 重症筋無力症は体温上昇ではなく疲労で神経症状が増悪する.


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