〈第58回 PT国試 午前7〉
両眼を強く閉眼するよう指示したところ,左側の兎眼が認められた.同じ脳神経の障害で生じる症状はどれか.
1.右方視したときの様子
2.普通に開眼したときの様子
3.歯をむき出しにしたときの様子
4.「アー」と発声したときの軟口蓋と咽頭後壁の様子
5.舌をまっすぐ出した時の様子
解答
1.× 左動眼神経の障害で生じる症状である.
2.× Horner徴候は交感神経遠心路の障害で生じる.
3.○ 正しい.
4.× 左迷走神経の障害で生じる.
5.× 左舌下神経の障害で生じる.
〈第52回 PT国試 午前16〉
46歳の男性.前日夜に冷たい風に当たり,翌朝目が覚めると右顔面の腫れぼったさを感じた.昼食時に食事が口からこぼれることに気が付き,近くの神経内科を受診した.開眼安静時の顔面の状態を図に示す.この患者で正常に保たれる運動はどれか.
1.額にしわを寄せる.
2.眉をひそめる.
3.まぶたを閉じる.
4.奥歯を嚙む.
5.口唇を閉じ突き出す.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 奥歯を嚙む筋は三叉神経支配のため正常に保たれる.
5.× 誤り.
〈第44回 PT国試 午前62〉
顔面筋麻痺について正しいのはどれか.
1.片側大脳病変では前頭筋麻痺が生じる.
2.片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる.
3.片側延髄下部病変では同側の顔面筋麻痺が生じる.
4.大脳病変では電気治療が有効である.
5.末梢性病変では顔面筋全体の同時収縮を促すように電気治療を行う.
解答
1.× 前頭筋は両側支配のため,片側大脳病変で前頭筋麻痺は生じない.
2.○ 橋に顔面神経核があるため,片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる.
3.× 延髄下部には顔面神経核がないため,片側延髄下部病変で顔面筋麻痺が生じない.
4.× 電気刺激は病的共同運動を誘発する恐れがあるため,大脳病変でも電気治療は行わない.
5.× 末梢性病変では病的共同運動の誘因となるような電気刺激療法および粗大で強力な随意運動を行わないことが重要であり,選択的な顔面筋の分離運動の促通と病的共同運動の抑制を行う.
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