第2章 神経筋障害理学療法学 06)ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群 ②理学療法

〈第41回 PT国試 午前83〉

ギラン・バレー症候群の回復期の運動療法で適切でないのはどれか. 
1.漸増抵抗運動
2.マット上での四つ這い移動
3.バルーンを用いた座位での体幹筋強化
4.歩行練習
5.体操による筋のストレッチ

解答

1.× ギラン・バレー症候群の回復期における漸増抵抗運動は過負荷であるため適切でない.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第58回 PT国試 午前45〉

Guillain-Barré症候群の治療で正しいのはどれか. 
1.ステロイド投与が第一選択である.
2.筋力低下の進行期には関節可動域練習より筋力増強運動を優先する.
3.人工呼吸管理の場合,早期から胸郭ストレッチを行う.
4.筋力低下の進行が停止すれば,早期から漸増抵抗運動を開始する.
5.約半数が発症6か月後の歩行障害に長下肢装具を必要とする.

解答

1.× Guillain-Barré症候群はステロイドが無効であり,免疫グロブリン静注療法を行う.
2.× Guillain-Barré症候群における筋力低下の進行期は筋力増強運動より関節可動域練習を優先する.
3.○ 正しい.
4.× Guillain-Barré症候群では,筋力低下の進行停止後,早期から漸増抵抗運動は過負荷のため適切でない.
5.× Guillain-Barré症候群では発症6か月後の歩行障害に長下肢装具を必要とすることはまれである.


〈第48回 PT国試 午前38〉

軸索変性型のGuillain-Barré症候群で適切なのはどれか. 
1.発症後1週間経過すれば高負荷の訓練は可能である.
2.γ-グロブリン大量療法中に運動療法は行わない.
3.下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する.
4.手内筋麻痺は3か月以内で回復する.
5.発症後6か月間で症状は固定する.

解答

1.× Guillain-Barré症候群の発症後1週間経過における高負荷の訓練は禁忌である.
2.× Guillain-Barré症候群ではγ-グロブリン大量療法中でも関節可動域訓練を中心とした廃用症候群予防目的の運動療法を行う.
3.○ 正しい.
4.× Guillain-Barré症候群は3~12か月かけて徐々に近位筋から回復するが,軸索変性型は脱髄型よりも回復が遅いため,手内筋麻痺は3か月以内で回復しない.
5.× 軸索変性型のGuillain-Barré症候群は発症6か月以降も症状は改善する.


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