〈第59回 PT国試 午前43〉
Parkinson病の治療で適切でないのはどれか.
1.リズム刺激
2.ドパミン作動薬
3.脳深部刺激療法
4.経頭蓋磁気刺激法
5.ボツリヌス毒素療法
解答
1.○ 適切である.
2.○ 適切である.
3.○ 適切である.
4.○ 適切である.
5.× ボツリヌス毒素療法は痙性麻痺に対する治療である.
〈第44回 PT国試 午前64〉
Parkinson病患者の理学療法で正しいのはどれか.
1.安静時振戦にはPNFが適応となる.
2.すくみ足には外的リズム刺激が有効である.
3.無動が強い時期には立位でのバランス練習を行う.
4.幻覚が出現している時期には理学療法は行わない.
5.症候性の夜間頻回覚醒は日中の活動を促すことで改善がみられる.
解答
1.× 安静時振戦にPNFは適応とならない.
2.○ 正しい.
3.× 無動が強い時期には立位でのバランス練習は転倒の危険が高いため行わない.
4.× 幻覚が出現している時期でも理学療法は行う.
5.× 症候性の夜間頻回覚醒は日中の活動を促しても改善しない.
〈第47回 PT国試 午前44〉
Parkinson病患者では,すくみ足の症状があっても,床の上の横棒をまたぐことは円滑にできる.この現象と同じ機序を利用した訓練法はどれか.
1.水中での歩行訓練
2.重りを用いた筋力増強訓練
3.リズム音に合わせた歩行訓練
4.バランスボードを用いた立位訓練
5.自転車エルゴメーターによる有酸素運動
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ リズム音に合わせた歩行訓練が外的手がかりを利用した訓練法である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第45回 PT国試 午前12〉
68歳の男性.5年前に左手の振戦によって発症したParkinson病患者.1か月前に風邪をこじらせ,肺炎を併発したため入院した.歩行障害は3年前から出現し徐々に進行したが,転倒しながらも何とか自力で歩行していた.理学療法が開始され,立位を保持させたところ,図のような姿勢が見られた.この患者に認められるのはどれか.
1.骨盤は前傾している.
2.頸部の立ち直りは十分である.
3.立位時の踵接地は十分である.
4.重心線は踵よりも前方に落ちている.
5.膝関節伸展筋力はMMT3以上である.
解答
1.× 骨盤は後傾している.
2.× 頸部の立ち直りは不十分である.
3.× 立位時の踵接地は不十分である.
4.× 重心線は踵よりも後方に落ちている.
5.○ 正しい.
〈第51回 PT国試 午後28〉
すくみ足現象がみられるParkinson病患者の歩行練習を理学療法士の近位見守り下で実施した.このときの練習方法で適切でないのはどれか.
1.横歩き
2.階段昇降
3.スラローム歩行
4.歩隔を狭めた歩行
5.メトロノームの音を活用した方法
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× すくみ足現象がみられるParkinson病患者において歩隔を狭めた歩行は適切でない.
5.○ 正しい.
〈第49回 PT国試 午前27〉
Parkinson病のすくみ足を改善させる方法はどれか.
1.足下を注視する.
2.体幹を屈曲する.
3.踵を持ち上げる.
4.一歩目を小さく前に出す.
5.床に引かれた横線をまたぐ.
解答
1.× すくみ足を改善させる方法として足下より少し先の床を見る.
2.× すくみ足を改善させる方法として体幹を伸展位にする.
3.× すくみ足を改善させる方法として踵を持ち上げるのは適切でない.
4.× すくみ足を改善させる方法として一歩目を大きく前に出す.
5.○ 正しい.
〈第43回 PT国試 午前72〉
Parkinson病のすくみ足への対処法で誤っているのはどれか.
1.常に同じ側の足から踏み出させる.
2.一旦,足を後ろへ引いてから踏み出させる.
3.「いち,に」などの声を出しながら踏み出させる.
4.床にはしご状の目印を付けてまたがせる.
5.目標物を注視させて歩かせる.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× すくみ足への対処法として目標物を注視させて歩かせるのは適切でない.
〈第50回 PT国試 午後7〉
50歳の男性.Parkinson病.発症後5年を経過し,すくみ足が出現してきている.自宅で転倒が頻回に生じている.転倒予防として自宅の廊下に模様を入れる際に効果的な図柄はどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.○ すくみ足にははしご状や格子状の視覚手がかりが有効である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第42回 PT国試 午前17〉
60歳の男性.6年前にパーキンソン病と診断され,ヤールの重症度分類ステージⅢである.歩行訓練で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× パーキンソン病の歩行訓練では両側にT字杖を用いることはない.
2.○ 正しい.
3.× パーキンソン病の歩行訓練で短下肢装具は必要ない.
4.○ 正しい.
5.× ヤールの重症度分類ステージⅢに対する歩行訓練としては難易度が高い.
〈第41回 PT国試 午前34〉
58歳の男性.パーキンソン病でヤールの重症度分類はステージⅢ.運動に対する意欲は強い.運動療法で適切でないのはどれか.
1.棒体操
2.メトロノームで足踏み練習
3.歩行率を高めた歩行練習
4.マット上での寝返り練習
5.目印に沿った歩行練習
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× ヤールの重症度分類ステージⅢにおいて,歩行率を高めた歩行練習は小刻み歩行を助長させるため適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第58回 PT国試 午後14〉
68歳の男性.5年前にParkinson病と診断された.現在,両手に安静時振戦,両上下肢に中等度の筋強剛を認める.「最近,歩いているときに足が出にくく,バランスを崩して転びそうになることが増えてきた」との訴えがある.日常生活は自立しているが,屋外歩行時には転倒への不安があるため外出を控えている.この患者のHoehn&Yahrの重症度分類ステージはどれか.
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 日常生活は自立しているが,転倒への不安があり外出を控えているため,Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第52回 PT国試 午前10〉
62歳の男性.Parkinson病.起立と歩行は可能であるが.歩行中の方向転換時に不安定となり転倒しそうになる.姿勢反射障害もみられる.独居で日常生活はほぼ自立しているが,通院には介助が必要である.この患者のHoehn&Yahrの重症度分類ステージはどれか.
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ ①起立と歩行は可能,②姿勢反射障害あり,③日常生活はほぼ自立しているため,Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第47回 PT国試 午前10〉
次の文により10,11の問いに答えよ.50歳の男性.Parkinson病.4年前から右足のふるえが出現し,抗Parkinson病薬を服用している.ADLは自立し,家事を行うことはできているが,作業に時間がかかるようになった.最近,下り坂の途中で足を止めることができず,前方へ転倒するようになったという.Hoehn&Yahrの重症度分類のステージはどれか.
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ ①ADLは自立,②下り坂の途中で足を止めることができずに前方へ転倒しているため,Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第47回 PT国試 午前11〉
次の文により10,11の問いに答えよ.50歳の男性.Parkinson病.4年前から右足のふるえが出現し,抗Parkinson病薬を服用している.ADLは自立し,家事を行うことはできているが,作業に時間がかかるようになった.最近,下り坂の途中で足を止めることができず,前方へ転倒するようになったという.自宅でバランス練習を行うことになった.練習方法として適切なのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 円背改善目的の運動でありバランス練習として適切でない.
2.○ 正しい.
3.× Hoehn&Yahrの重症度分類のステージⅢに対する自宅でのバランス練習としては難易度が高い.
4.× Hoehn&Yahrの重症度分類のステージⅢに対する自宅でのバランス練習としては難易度が高い.
5.× Hoehn&Yahrの重症度分類のステージⅢに対する自宅でのバランス練習としては難易度が高い.
〈第58回 PT国試 午前15〉
67歳の男性.Parkinson病.発症後5年経過.Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ.四肢に中等度の筋強剛を認めるが,筋力や関節可動域に明らかな問題はない.歩行場面では,開始後しばらくして小刻み歩行で小走りとなり,会話しながらだとそれが顕著となる.腰掛けるために椅子に近づくと,すくみ足がみられる.この患者の歩行障害への対応で適切なのはどれか.
1.狭い場所を歩く.
2.直線上を継ぎ足で歩く.
3.長下肢装具を用いて歩く.
4.認知課題を追加しながら歩く.
5.リズミカルな繰り返しの聴覚刺激を用いて歩く.
解答
1.× 狭い場所を歩くと小刻み歩行を誘発するため適切でない.
2.× 直線上を継ぎ足で歩くのは難易度が高く,また,小刻み歩行やすくみ足の改善にも適さない.
3.× 長下肢装具を用いてもすくみ足は改善しない.
4.× 認知課題を追加しながら歩くと小刻み歩行を誘発するため適切でない.
5.○ 正しい.
〈第55回 PT国試 午前15〉
75歳の女性.Parkinson病.Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅣ.歩行時に小刻み歩行,突進現象,すくみ足が出現する.歩行練習として適切なのはどれか.
1.速く歩く.
2.広いところで歩く.
3.床に引いた一本線上を歩く.
4.目標地点の手前を注視して歩く.
5.お盆に載せたコップを運びながら歩く.
解答
1.× 速く歩くと小刻み歩行や突進現象を誘発するため適切でない.
2.○ 正しい.
3.× 歩幅に合わせた横線を床に引き,またぐように歩行する.
4.× 目標地点の手前を注視して歩くとすくみ足を誘発するため,少し遠くを見て歩くよう指導する.
5.× ステージⅣでお盆に載せたコップを運びながら歩くのは困難である.
〈第42回 PT国試 午前18〉
70歳の男性.パーキンソン病.ヤールの重症度分類ステージIV.椅子からの立ち上がり動作が図のようになり,上手にできないことが多い.立ち上がり動作の訓練として適切なのはどれか.2つ選べ.
1.足関節を底屈させて床を蹴るようにする.
2.体幹を前屈させてお辞儀をするようにする.
3.両上肢を前方へ出すようにする.
4.殿部が座面を離れると同時に膝関節を伸展する.
5.座面を膝の位置より低いものにする.
解答
1.× 椅子からの立ち上がり動作時に足関節を底屈させて床を蹴るようにすると,ますます後方重心となる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 椅子からの立ち上がり動作時に殿部が座面を離れると同時に膝関節を伸展すると,ますます後方重心となる.
5.× 椅子からの立ち上がり動作時に座面を膝の位置より低いものにすると,さらに前方への重心移動が必要となり,立ち上がりが困難となる.
〈第45回 PT国試 午後30〉
Parkinson病のYahrの重症度分類ステージⅤにおける運動療法で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.四つ這い位保持
2.膝立ち位保持
3.立位保持
4.呼吸訓練
5.嚥下訓練
解答
1.× Yahrの重症度分類ステージⅤでは四つ這い位保持は困難である.
2.× Yahrの重症度分類ステージⅤで膝立ち位保持は困難である.
3.× Yahrの重症度分類ステージⅤで立位保持は困難である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第53回 PT国試 午後17〉
70歳の男性.3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し,在宅で治療を行っている.ADLは自立していたが,1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり,歩行の際に一歩目が思うように前に出ず,歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという.在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.両下肢に弾性包帯を装着する.
2.足関節に重錘バンドを装着する.
3.一歩目を小さく前に出すよう指導する.
4.床にはしご状の目印を付けてまたがせる.
5.かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する.
解答
1.× 両下肢に弾性包帯を装着するのは失調症に対する歩行指導である.
2.× 足関節に重錘バンドを装着するのは失調症に対する歩行指導である.
3.× Parkinson病の歩行指導では一歩目を大きく前に出すよう指導する.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第48回 PT国試 午前11〉
60歳の男性.10年前にParkinson病と診断された.日常生活は自立している.すくみ足のため自宅で頻回に転倒するようになった.この患者に対する指導で適切なのはどれか.
1.スリッパを履くよう勧める.
2.足関節に重錘バンドを装着する.
3.T字杖歩行を指導する.
4.車椅子での移動を指導する.
5.自宅での手すり設置の場所を指導する.
解答
1.× すくみ足があり転倒リスクが高いためスリッパは適切でない.
2.× すくみ足に足関節に重錘バンドを装着しても効果がない.
3.× すくみ足にT字杖歩行を指導しても効果がない.
4.× 日常生活は自立しているため車椅子での移動時期でない.
5.○ 正しい.
〈第41回 PT国試 午前81〉
パーキンソン病患者のすくみ足に対する家族への指導で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.向かい合って両手を引いて歩く.
2.後方から骨盤を押して歩く.
3.リズムに合わせて1歩を踏み出す.
4.床に踏み越える目印のテープを貼る.
5.両腕を大きく振って階段を昇る.
解答
1.× 向かい合って両手を引いて歩くとすくみ足を助長するため適切でない.
2.× 後方から骨盤を押して歩くとすくみ足を助長するため適切でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× パーキンソン病患者のすくみ足がみられる場合は,手すりを使用して階段を昇る.
〈第49回 PT国試 午後8〉
60歳の男性.Parkinson病.3年前に右手の振戦で発症し,2年前から左足と左手の振戦を認めている.最近,前かがみが強くなり,腹部が締めつけられるような感覚を生じることがある.独歩は可能.事務仕事を継続している.外来時の指導で適切なのはどれか.
1.呼吸法
2.毎日10分間の散歩
3.体幹コルセットの装着
4.四肢の高負荷筋力トレーニング
5.肩甲帯と体幹を大きく動かす運動
解答
1.× Hoehn&Yahrの重症度分類のステージⅡであるため呼吸法の指導はまだ必要でない.
2.× 職場に通勤しているため毎日10分間の散歩は適切でない.
3.× Parkinson病患者に対し体幹の動きを制限する体幹コルセットの装着は適切でない.
4.× Parkinson病患者に対し四肢の高負荷筋力トレーニングは固縮を強めるため適切でない.
5.○ ①前かがみが強い,②独歩可能,③仕事を継続していることから,肩甲帯と体幹を大きく動かす運動が適切である.
〈第46回 PT国試 午後12〉
56歳の女性.3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者.数か月前から前傾姿勢を認めるようになった.事務員として仕事をしている.理学療法として優先されるのはどれか.
1.リズム音を用いた歩行訓練
2.体幹筋のストレッチ訓練
3.呼吸リハビリテーション
4.下肢の筋力増強訓練
5.環境整備
解答
1.× すくみ足がみられないため,リズム音を用いた歩行訓練は効果がない.
2.○ 数か月前から前傾姿勢がみられているため,体幹筋のストレッチ訓練を優先して行う.
3.× 呼吸機能に問題がないため,呼吸リハビリテーションはまだ不要である.
4.× 仕事(通勤)が可能であるため,下肢の筋力増強訓練は優先度が低い.
5.× ADLに問題がないため,環境整備はまだ不要である.
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