〈第57回 PT国試 午後17〉
64歳の女性.右利き.脳梗塞.約1か月前に左大脳に発症.現在は聴覚理解に問題はないが,発語は非流暢かつ緩徐である.話す言葉の量は少なく,発語の際には多大な努力を要している.四肢の麻痺はみられない.この患者への対応として正しいのはどれか.
1.患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する.
2.患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する.
3.医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える.
4.コミュニケーションエイドを導入する.
5.患者にメモをとるように指導する.
解答
1.× 患者の話す内容が文法的に誤っていても医療者は細かく修正せずそのまま聞く.
2.○ 正しい.
3.× 聴覚理解に問題はないため,医療者が口頭で説明をするときにジェスチャーは必ずしも必要でない.
4.× 失語症では仮名文字が苦手になることが多いため,コミュニケーションエイドは導入しない.
5.× 記憶に問題があるわけではないので,メモをとる指導は必要がない.
〈第55回 PT国試 午前12〉
66歳の女性.左中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞でBroca失語と重度の右片麻痺を認める.理学療法実施の際,コミュニケーションに対する配慮で正しいのはどれか.
1.使用頻度の低い単語を用いる.
2.出にくい言葉は先回りして言う.
3.できるだけ長い文章で話しかける.
4.意思伝達には易しい漢字を用いる.
5.ジェスチャーは可能な限り用いない.
解答
1.× 使用頻度の高い単語を用いる.
2.× 出やすい言葉でコミュニケーションがとれるよう配慮する.
3.× できるだけ短い易しい文章で話しかける.
4.○ 正しい.
5.× ジェスチャーも用いながらコミュニケーションをとる.
〈第53回 PT国試 午後44〉
脳血管障害の患者に対する治療で適切でないのはどれか.
1.片麻痺に対するCI療法
2.抑うつ状態に対する認知行動療法
3.弛緩性麻痺に対するボツリヌス毒素療法
4.歩行障害に対するトレッドミル歩行練習
5.半側空間無視に対するプリズム適応療法
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 脳血管障害の患者に対する治療は痙性麻痺に対するボツリヌス毒素療法である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第43回 PT国試 午前63〉
脳血管障害に伴いやすい症状と治療の組合せで適切でないのはどれか.
1.痙縮 ――― リラクセーション
2.肩手症候群 ――― 星状神経節ブロック
3.肩関節亜脱臼 ――― アームスリングの装着
4.反張膝 ――― 下腿三頭筋の筋力増強
5.尖足拘縮 ――― アキレス腱延長術
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 反張膝 ――― 下腿三頭筋のストレッチ
5.○ 正しい.
〈第51回 PT国試 午後24〉
脳卒中片麻痺の上肢に対するCI療法〈constraint-induced movement therapy〉で正しいのはどれか.
1.非麻痺側上肢を拘束する.
2.理学療法士の近位監視下で行う.
3.疼痛が少しでもあれば適応とならない.
4.他動的関節可動域運動を長時間行う方法である.
5.患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる.
解答
1.○ 正しい.
2.× CI療法は1日2~6時間プログラムを実施するため,理学療法士の近位監視下でなく自主訓練で行うことが多い.
3.× CI療法は軽度の疼痛であれば適応となる.
4.× CI療法は非麻痺側上肢を拘束条件下で長時間,麻痺肢の使用を促す方法である.
5.× CI療法は手関節が随意的に20°以上伸展できること,Ⅰ指~Ⅲ指が随意的に10°以上伸展できることが適応基準であるため,患側手指がBrunnstrom法ステージⅡは適応外となる.
〈第45回 PT国試 午後29〉
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか.
1.健側上肢を拘束する.
2.慢性期例は適応とならない.
3.理学療法士の近位監視下で行う.
4.他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である.
5.患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる.
解答
1.○ 正しい.
2.× CI療法は歩行,セルフケアが自立していることが条件とされており,慢性期例も適応となる.
3.× CI療法は1日2~6時間プログラムを実施するため,理学療法士の近位監視下でなく自主訓練で行うことが多い.
4.× CI療法は非麻痺側上肢を拘束条件下で長時間,麻痺肢の使用を促す方法である.
5.× CI療法は手関節が随意的に20°以上伸展できること,Ⅰ指~Ⅲ指が随意的に10°以上伸展できることが適応基準であるため,患側手指がBrunnstrom法ステージⅡは適応外となる.
〈第43回 PT国試 午前65〉
脳卒中の麻痺肢の使用促進を目的とする治療はどれか.
1.SI(Sensory Integration)
2.CI療法(Constraint Induced Movement Therapy)
3.CPM(Continuous Passive Motion)
4.TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)
5.Frenkel体操
解答
1.× SI(Sensory Integration:感覚統合療法)とは子どもの学習,行動,情緒あるいは社会的発達を脳における感覚間の統合という視点で分析し,治療的介入を行うもので,対象となる障害はLD(学習障害)や自閉症などの発達障害が中心となる.
2.○ 正しい.
3.× CPM(Continuous Passive Motion)は膝・肩・肘などの関節手術後に用いられる持続的他動運動装置で,疼痛を感じさせないほどの極めてゆっくりした速さで関節を動かすものである.
4.× TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation;経皮的電気神経刺激)は疼痛軽減を目的として体表面上から神経に電気刺激を加える治療法である.
5.× Frenkel体操は視覚を用いて代償的にフィードバック能力を高め協調性を改善しようとする協調性運動障害に対する運動療法である.
〈第51回 PT国試 午前25〉
脳卒中片麻痺に対する斜面台を用いた運動療法の目的で適切でないのはどれか.
1.内反尖足の予防
2.立位感覚の向上
3.覚醒レベルの向上
4.体幹筋筋力の維持
5.膝関節伸展筋の痙縮抑制
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 膝関節伸展筋の促通
〈第44回 PT国試 午前61〉
立位保持困難な脳卒中片麻痺患者に対する傾斜台を用いた立位保持訓練の目的として適切でないのはどれか.
1.尖足の予防
2.覚醒レベルの向上
3.立位感覚の維持
4.下肢の骨粗鬆症予防
5.膝関節伸展筋の痙縮抑制
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 膝関節伸展筋の促通
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