第8章 精神医学 (03)統合失調症 ③病型と基本症状

〈第58回 PT国試・OT国試 午前97〉

興奮や昏迷などの意志発動の異常が主体となる統合失調症の病型はどれか. 
1.緊張型
2.残遺型
3.単純型
4.破瓜型
5.妄想型

解答

1.○ 正しい.
2.× 残遺型はすでに妄想や幻覚は目立たなくなり,陰性症状だけが長期に続いている慢性経過にあたる統合失調症である.
3.× 単純型は幻覚,妄想などの精神病的なエピソードがないまま,残遺型統合失調症に特有な感情鈍麻,意欲低下などが潜行性,進行性に発展する稀な病型である.
4.× 破瓜型は無感情や無為など感情および意志の鈍麻が主体となる.
5.× 妄想型は妄想や幻覚など内的体験の異常が主体となる.


〈第50回 PT国試・OT国試 午前97〉

統合失調症で通院中の女性が壁を凝視したまま動かない.両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた.考えられるのはどれか. 
1.アカシジア
2.悪性症候群
3.急性ジストニア
4.緊張病症候群
5.薬剤性パーキンソニズム

解答

1.× アカシジア(静座不能症)とは抗精神病薬の副作用で,静かに座っていられずに立ったり歩き回ったりする錐体外路症状である.
2.× 悪性症候群は大量の抗精神病薬を用いた時にみられる副作用で,突然に高熱を発し,頻脈,発汗,流涎などの自律神経症状,意識障害,筋硬直,筋攣縮などを示す.
3.× 急性ジストニアは抗精神病薬の副作用で体幹の捻転と筋緊張の亢進,眼球上転,舌突出などが突然出現する.
4.○ 正しい.
5.× 薬剤性パーキンソニズムは抗精神病薬・抗潰瘍薬・降圧薬により誘発され,安静時振戦,筋強剛,無動,姿勢反射障害などが出現する.


〈第36回 PT国試・OT国試 午後72〉

妄想型統合失調症の特徴でないのはどれか. 
1.発症年齢が比較的遅い.
2.妄想は時に体系化する.
3.陰性症状は軽度である.
4.人格水準は保たれることが多い.
5.昏迷やカタレプシーがみられる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 昏迷やカタレプシーは緊張型統合失調症でみられる.


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