第8章 精神医学 (01)精神機能の障害と精神症状 ⑤思考とその障害

〈第36回 PT国試・OT国試 午後71〉

患者に自由に話をしてもらったが,文章間のつながりに乏しく話がまとまらない.この症状はどれか. 
1.思考制止
2.思考吹入
3.思考途絶
4.思考奪取
5.連合弛緩

解答

1.× 思考制止は思考が不活発で考えが前に進まず滞り,患者もそのことを自覚する状態である.
2.× 思考吹入は「人の考えが頭の中に吹き込まれる」と感じる体験で,思考面での作為体験(作為思考)である.
3.× 思考途絶は,思考の進行が突然中断されて,話をしていて急に止まってしまう状態である.
4.× 思考奪取は「自分の考えが抜き取られる」と感じる体験で,思考面での作為体験(作為思考)である.
5.○ 正しい.


〈第45回 PT国試・OT国試 午前97〉

「細部に拘泥して重要なことを要領よく話すことができない」症状はどれか. 
1.保続
2.迂遠
3.思考制止
4.思考途絶
5.観念奔逸

解答

1.× 保続は限られた1つの概念だけが繰り返し現れ,思考が先に進まない状態である.
2.○ 正しい.
3.× 思考制止は思考が不活発で考えが前に進まず滞り,患者もそのことを自覚する状態である.
4.× 思考途絶は思考の進行が突然中断されて,話をしていて急に止まってしまう状態である.
5.× 観念奔逸は考えがよどみなく浮かび次々と展開する状態である.


〈第44回 PT国試・OT国試 午後91〉

突然子どもを亡くし,その悲しい思い出が頭を離れず,それ以外のことが考えられない状態はどれか. 
1.強迫観念
2.虚無妄想
3.思考干渉
4.思考制止
5.支配観念

解答

1.× 強迫は不合理で無意味と自覚する考えが本人の意思に反して支配的となり,無理に抑え込もうとすると強い不安が出現するものである.
2.× 虚無妄想は自分の体や世界がなくなったと確信する妄想である.
3.× 思考干渉は思考が他から干渉され操られるというさせられ体験である.
4.× 思考制止は思考が不活発で考えが前に進まず滞り,患者もそのことを自覚する状態である.
5.○ 正しい.


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