第6章 老年学 (02)症候と疾患 ⑤認知症

〈第37回 PT国試・OT国試 午後77〉

脳血管性認知症にみられないのはどれか. 
1.夜間せん妄
2.けいれん発作
3.運動障害
4.まだら認知症
5.思考制止

解答

1.○ 脳血管性認知症にみられる.
2.○ 脳血管性認知症にみられる.
3.○ 脳血管性認知症にみられる.
4.○ 脳血管性認知症にみられる.
5.× 思考制止はうつ病でみられる.


〈第49回 PT国試・OT国試 午前98〉

Alzheimer型認知症について正しいのはどれか. 
1.階段状に増悪する.
2.女性より男性に多い.
3.意味記憶の障害で発症することが多い.
4.人物の見当識より時間の見当識が障害されやすい.
5.軽度認知障害の80%はAlzheimer型認知症に移行する.

解答

1.× 階段状に増悪するのは脳血管性認知症である.
2.× Alzheimer型認知症は男性より女性に多い.
3.× Alzheimer型認知症は記銘力障害・見当識障害・物盗られ妄想で発症することが多い.
4.○ 正しい.
5.× 軽度認知障害の一部がAlzheimer型認知症に移行する.


〈第39回 PT国試・OT国試 午後85〉

アルツハイマー病に関して正しいのはどれか. 
1.老年期の認知症の80%を占める.
2.発症に男女差はない.
3.症状は階段状に悪化する.
4.記憶障害が初期からみられる.
5.CTで大脳白質の低吸収域病巣が散在する.

解答

1.× アルツハイマー病は老年期の認知症の30~40%を占める.
2.× アルツハイマー病の発症は男女比1:2である.
3.× 症状が階段状に悪化するのは脳血管性認知症である.
4.○ 正しい.
5.× アルツハイマー病のCTでは脳溝や脳室拡大に加え海馬を中心に側頭葉内側面の大脳皮質の萎縮が存在する.


〈第53回 PT国試・OT国試 午前89〉

Lewy小体型認知症に伴うことが多いのはどれか. 
1.幻視
2.失語症
3.高血圧
4.聴覚障害
5.入眠障害

解答

1.○ 正しい.
2.× Lewy小体型認知症に伴うことが多いのは幻視である.
3.× Lewy小体型認知症に伴うことが多いのは幻視である.
4.× Lewy小体型認知症に伴うことが多いのは幻視である.
5.× Lewy小体型認知症に伴うことが多いのはREM睡眠行動障害である.


〈第59回 PT国試・OT国試 午前95〉

Lewy小体型認知症の早期にみられる症状はどれか. 
1.幻視
2.考想伝播
3.失語
4.人格変化
5.脱抑制

解答

1.○ 正しい.
2.× 考想伝播は統合失調症でみられる症状である.
3.× 失語はAlzheimer型認知症の中期にみられる症状である.
4.× 人格変化はPick病の早期にみられる症状である.
5.× 脱抑制はPick病の早期にみられる症状である.


〈第49回 PT国試・OT国試 午前96〉

Lewy小体型認知症に特徴的なのはどれか. 
1.幻視
2.感情失禁
3.滞続言語
4.錐体路徴候
5.時刻表的行動

解答

1.○ 正しい.
2.× 感情失禁は脳血管性認知症に特徴的である.
3.× 滞続言語はPick病に特徴的である.
4.× 錐体路徴候は脳血管性認知症に特徴的である.
5.× 時刻表的行動はPick病に特徴的である.


〈第50回 PT国試・OT国試 午前96〉

Alzheimer型認知症と比較してLewy小体型認知症に特徴的なのはどれか. 
1.常同行動
2.取り繕い
3.物盗られ妄想
4.繰り返される幻視
5.初期からの記憶障害

解答

1.× 常同行動はPick病に特徴的な症状である.
2.× 取り繕いはAlzheimer型認知症に特徴的な症状である.
3.× 物盗られ妄想はAlzheimer型認知症に特徴的な症状である.
4.○ 正しい.
5.× 初期からの記憶障害はAlzheimer型認知症に特徴的な症状である.


〈第44回 PT国試・OT国試 午後93〉

Alzheimer型認知症と比べてLewy小体型認知症で特徴的な症状はどれか. 
1.失認
2.幻視
3.脱抑制
4.反響言語
5.感情失禁

解答

1.× 失認はAlzheimer型認知症に特徴的な症状である.
2.○ 正しい.
3.× 脱抑制は前頭側頭型認知症(Pick病)に特徴的な症状である.
4.× 反響言語はAlzheimer型認知症,前頭側頭型認知症(Pick病)でみられる.
5.× 感情失禁は脳血管性認知症に特徴的な症状である.


〈第55回 PT国試・OT国試 午前94〉

早期の前頭側頭型認知症でみられないのはどれか. 
1.幻視
2.常同行動
3.病識低下
4.自発性低下
5.社会的対人行動の障害

解答

1.× 幻視はレビー小体型認知症でみられる.
2.○ 早期の前頭側頭型認知症でみられる.
3.○ 早期の前頭側頭型認知症でみられる.
4.○ 早期の前頭側頭型認知症でみられる.
5.○ 早期の前頭側頭型認知症でみられる.


〈第47回 PT国試・OT国試 午前96〉

前頭側頭型認知症(Pick病)に特徴的な症状はどれか.2つ選べ. 
1.幻視
2.考え無精
3.替え玉妄想
4.時刻表的行動
5.物盗られ妄想

解答

1.× 幻視はレビー小体型認知症に特徴的な症状である.
2.○ 正しい.
3.× 替え玉妄想はカプグラ症候群(ソジーの錯覚)ともいい家族などの自分にとって重要な人物が姿は同じなのに別人のように思える妄想である.
4.○ 正しい.
5.× 物盗られ妄想はアルツハイマー型認知症に特徴的な症状である.


〈第43回 PT国試・OT国試 午後93〉

Alzheimer病と比べPick病で特徴的な症状はどれか.2つ選べ. 
1.失行
2.人格変化
3.滞続言語
4.記銘力障害
5.パーキンソニズム

解答

1.× 失行はAlzheimer病に特徴的な症状である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 記銘力障害はAlzheimer病に特徴的な症状である.
5.× パーキンソニズムはレビー小体型認知症に特徴的な症状である.


〈第43回 PT国試・OT国試 午後77〉

女性に多いのはどれか. 
1.筋萎縮性側索硬化症
2.晩発性小脳皮質萎縮症
3.Alzheimer病
4.進行性核上性麻痺
5.Parkinson病

解答

1.× 筋萎縮性側索硬化症は40~50歳代(60~70歳代)に好発し男性にやや多い.
2.× 晩発性小脳皮質萎縮症は50~70歳代に好発し男性に多い.
3.○ 正しい.
4.× 進行性核上性麻痺は50~70歳代に好発し男性に多い.
5.× Parkinson病は中高年以降に好発し女性にやや多い.


〈第41回 PT国試・OT国試 午後85〉

女性に多いのはどれか. 
1.筋萎縮性側索硬化症
2.晩発性小脳皮質萎縮症
3.アルツハイマー病
4.進行性核上性麻痺
5.パーキンソン病

解答

1.× 筋萎縮性側索硬化症は40~50歳代(60~70歳代)に好発し男性にやや多い.
2.× 晩発性小脳皮質萎縮症は50~70歳代に好発し男性に多い.
3.○ 正しい.
4.× 進行性核上性麻痺は50~70歳代に好発し男性に多い.
5.× パーキンソン病は中高年以降に好発し女性に女性にやや多い.


〈第56回 PT国試・OT国試 午前96〉

我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切なのはどれか. 
1.5%
2.15%
3.35%
4.50%
5.70%

解答

1.× 誤り.
2.○ 軽度認知障害の有病率は15%である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第57回 PT国試・OT国試 午前97〉

後頭葉の血流低下が特徴的なのはどれか. 
1.HIV認知症
2.血管性認知症
3.前頭側頭型認知症
4.Lewy小体型認知症
5.Alzheimer型認知症

解答

1.× HIV認知症は血流量低下は特徴的でない.
2.× 血管性認知症は血流量低下は特徴的でない.
3.× 前頭側頭型認知症は前頭葉・側頭葉の血流量低下が特徴的である.
4.○ 正しい.
5.× Alzheimer型認知症は頭頂葉・側頭葉の血流量低下が特徴的である.


〈第52回 PT国試・OT国試 午後97〉

疾患と病変の組合せで正しいのはどれか. 
1.Lewy小体型認知症 ――― 白質の病変
2.Alzheimer型認知症 ――― アミロイドの沈着
3.血管性認知症 ――― 黒質の神経細胞脱落
4.大脳皮質基底核変性症 ――― 運動ニューロン病変
5.前頭側頭型認知症 ――― 大脳皮質の腫大神経細胞

解答

1.× Lewy小体型認知症 ――― 大脳皮質のLewy小体
2.○ 正しい.
3.× 血管性認知症 ――― 脳梗塞
4.× 大脳皮質基底核変性症 ――― 大脳基底核の変性
5.× 前頭側頭型認知症 ――― 大脳皮質の嗜銀性封入体(Pick球)


〈第48回 PT国試・OT国試 午前97〉

疾患と病変の組合せで正しいのはどれか. 
1.Lewy小体型認知症 ――― 白質の病変
2.Alzheimer型認知症 ――― 大脳皮質の老人斑
3.血管性認知症 ――― 黒質の神経細胞脱落
4.大脳皮質基底核変性症 ――― 運動ニューロン病変
5.前頭側頭型認知症 ――― 大脳皮質の腫大神経細胞

解答

1.× Lewy小体型認知症 ――― 大脳皮質のLewy小体
2.○ 正しい.
3.× 血管性認知症 ――― 脳梗塞
4.× 大脳皮質基底核変性症 ――― 大脳基底核の変性
5.× 前頭側頭型認知症 ――― 大脳皮質の嗜銀性封入体(Pick球)


〈第51回 PT国試・OT国試 午前92〉

認知症をきたす疾患で脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性があるのはどれか.2つ選べ. 
1.Lewy小体型認知症
2.進行性核上性麻痺
3.慢性硬膜下血腫
4.Wernicke脳症
5.正常圧水頭症

解答

1.× Lewy小体型認知症は変性疾患であるため脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性がない.
2.× 進行性核上性麻痺は変性疾患であるため脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性がない.
3.○ 正しい.
4.× Wernicke脳症は代謝疾患であるため脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性がない.
5.○ 正しい.


〈第56回 PT国試・OT国試 午後98〉

疾患と症状の組合せで正しいのはどれか. 
1.Alzheimer型認知症 ――― パーキンソニズム
2.血管性認知症 ――― 情動失禁
3.進行性核上性麻痺 ――― 他人の手徴候
4.大脳皮質基底核変性症 ――― 幻視
5.Lewy小体型認知症 ――― アテトーゼ

解答

1.× Alzheimer型認知症 ――― 取り繕い
2.○ 正しい.
3.× 進行性核上性麻痺 ――― パーキンソニズム
4.× 大脳皮質基底核変性症 ――― 他人の手徴候,パーキンソニズム
5.× Lewy小体型認知症 ――― 幻視,パーキンソニズム


〈第51回 PT国試・OT国試 午前96〉

病名と症状の組合せで正しいのはどれか. 
1.前頭側頭型認知症 ――― 脱抑制
2.進行性核上性麻痺 ――― 取り繕い
3.皮質基底核変性症 ――― 認知の変動
4.Lewy小体型認知症 ――― 肢節運動失行
5.Alzheimer型認知症 ――― 垂直性眼球運動障害

解答

1.○ 正しい.
2.× 進行性核上性麻痺 ――― 垂直性眼球運動障害
3.× 皮質基底核変性症 ――― 肢節運動失行
4.× Lewy小体型認知症 ――― 認知の変動
5.× Alzheimer型認知症 ――― 取り繕い


〈第38回 PT国試・OT国試 午後78〉

認知症患者の症状でないのはどれか. 
1.強迫観念
2.夜間せん妄
3.見当識障害
4.記銘力低下
5.感情失禁

解答

1.× 強迫観念は強迫性障害でみられる.
2.○ 認知症患者の症状である.
3.○ 認知症患者の症状である.
4.○ 認知症患者の症状である.
5.○ 認知症患者の症状である.


〈第45回 PT国試・OT国試 午後97〉

認知症で記銘力低下と関連して出現する妄想はどれか. 
1.被毒妄想
2.心気妄想
3.罪業妄想
4.憑きもの妄想
5.もの盗られ妄想

解答

1.× 被毒妄想は統合失調症でみられる.
2.× 心気妄想は統合失調症,うつ病でみられる.
3.× 罪業妄想はうつ病でみられる.
4.× 憑きもの妄想は統合失調症でみられる.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試・OT国試 午後61〉

次の図を用いる検査はどれか. 

1.WAIS-Ⅲ
2.三宅式記銘力検査
3.Kohs (コース)立方体組合せテスト
4.改訂長谷川式簡易知能評価スケール
5.ミニメンタルステート検査(MMSE)

解答

1.× WAIS-Ⅲは動作性IQと言語性IQを14下位検査を用いる方法である.
2.× 三宅式記銘力検査は聴覚性言語性記憶検査で有関係対語と無関係対語を各10語を読み上げ記銘させ対語の一方を提示しもう一方の語を想起させる方法である.
3.× Kohs立方体組合せテストは知能検査で各面が赤,白,青,黄,赤と白,青と青に塗り分けられた立方体ブロックを用いた方法である.
4.× 改訂長谷川式簡易知能評価スケールは認知症に用いられる検査で9項目30点満点からなる方法である.
5.○ 正しい.


〈第50回 PT国試・OT国試 午前80〉

MMSE(mini mental state examination)に含まれ,HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)には含まれない項目はどれか. 
1.計算
2.見当識
3.遅延再生
4.構成課題
5.言語流暢性課題

解答

1.× 計算はMMSEとHDS-Rの両方に含まれる.
2.× 見当識はMMSEとHDS-Rの両方に含まれる.
3.× 遅延再生はMMSEとHDS-Rの両方に含まれる.
4.○ 正しい.
5.× 言語流暢性課題はHDS-Rに含まれ,MMSEに含まれない.


〈第41回 PT国試・OT国試 午後59〉

「野菜の名前をできるだけ多く言ってください」という課題で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の一問にある.
2.全般性注意の検査として利用されている.
3.エピソード記憶の障害の検出に有用である.
4.1分間に20種類以上解答できたときに正常と判定する.
5.言語の流暢性の障害があると成績が低下する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 全般性注意の検査として利用されているのは持続遂行試験(CPT)などである.
3.× エピソード記憶の障害の検出に有用であるのはリバーミード行動記憶検査(RBMT)などである.
4.× 健常高齢者の平均出題個数である10種類以上解答できたときに正常と判定する.
5.○ 正しい.


〈第55回 PT国試・OT国試 午後96〉

認知症患者に対して行われるのはどれか.2つ選べ. 
1.音楽療法
2.内観療法
3.森田療法
4.精神分析療法
5.リアリティオリエンテーション

解答

1.○ 正しい.
2.× 内観療法は認知症患者に対して行うのが難しい.
3.× 森田療法は認知症患者に対して行うのが難しい.
4.× 精神分析療法は認知症患者に対して行うのが難しい.
5.○ 正しい.


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