第2章 整形外科学 (03)末梢神経損傷 ①分類

〈第44回 PT国試・OT国試 午後49〉

有髄末梢神経切断後の変性について正しいのはどれか. 
1.切断部から末梢側の軸索の興奮性は切断4週後まで保たれる.
2.切断部から末梢側の軸索の変性は最末端から中枢側へ進行する.
3.Schwann細胞の変性は切断部位に限局して生じる.
4.切断部から中枢側への逆行性変性が出現する.
5.変性後に再生する軸索にSchwann細胞は付着しない.

解答

1.× 末梢神経切断により切断部から末梢側の軸索の興奮性は切断直後に断たれる.
2.× 末梢神経切断により切断部から末梢側の軸索の変性は中枢側から最末端へ進行する.
3.× 末梢神経切断によりSchwann細胞の変性は切断部から末梢側に生じる.
4.○ 正しい.
5.× 末梢神経切断により変性後に再生する軸索にSchwann細胞は付着する.


〈第46回 PT国試・OT国試 午前68〉

末梢神経損傷で予後が最も良いのはどれか. 
1.Waller(ワーラー)変性
2.放射線ニューロパチー
3.neurotmesis(ニューロトメーシス)
4.axonotmesis(アクソノトメーシス)
5.neurapraxia(ニューラプラキシア)

解答

1.× Waller変性は機能が元の近い状態まで回復しうる.
2.× 放射線ニューロパチーは一過性から難治性の伝導障害まで様々である.
3.× neurotmesisは神経断裂であり遠位断端までの間に間隙があることが多く,神経再生は望めない.
4.× axonotmesisは軸索断裂であり機能が元の近い状態まで回復しうる.
5.○ 正しい.


〈第41回 PT国試・OT国試 午後83〉

末梢神経損傷で予後が最も良いのはどれか. 
1.ニューロトメーシス
2.アクソノトメーシス
3.ニューロプラキシア
4.ワーラー変性
5.引き抜き損傷

解答

1.× ニューロトメーシスは神経断裂であり遠位断端までの間に間隙があることが多く,神経再生は望めない.
2.× アクソノトメーシスは軸索断裂であり機能が元の近い状態まで回復しうる.
3.○ 正しい.
4.× ワーラー変性は機能が元の近い状態まで回復しうる.
5.× 引き抜き損傷は牽引損傷によって神経根が引き抜かれる重篤な損傷である.


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