第1章 作業療法の基本 02)法規,関連制度 ⑥就労支援

〈第48回 OT国試 午後37〉

障害者の就労について正しいのはどれか. 
1.トライアル雇用は12か月実施できる.
2.障害者もハローワークで職業紹介を受けられる.
3.ジョブコーチは保健所配置の専門職員のことである.
4.民間企業に対する障害者雇用率は10%と規定されている.
5.利用開始時に65歳以上では就労継続支援A型を利用する.

解答

1.× 障害者トライアル雇用は3か月実施できる.
2.○ 正しい.
3.× ジョブコーチ(職業適応援助者)は職業リハビリテーションの専門職員のことである.
4.× 民間企業に対する障害者雇用率は2.2%と規定されている.
5.× 障害者の就労において利用開始時に65歳未満では就労継続支援A型を利用する.


〈第59回 OT国試 午前49〉

就労支援の制度の説明で適切なのはどれか. 
1.就労定着支援の対象は就労してから6か月経過した者である.
2.ストレスチェックで高ストレス者に該当した者を対象とする.
3.障害者雇用率には障害者手帳を所持しない難病患者が含まれる.
4.作業療法士が企業訪問した場合は訪問リハビリテーションで算定する.
5.両立支援コーディネーターは支援対象者の代理として関係者と交渉を行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× ストレスチェックは労働安全衛生法に基づくもので就労支援の制度とは別である.
3.× 障害者雇用率には障害者手帳を所持しない難病患者は含まれない.
4.× 作業療法士が企業訪問した場合は訪問リハビリテーションで算定できない.
5.× 両立支援コーディネーターは,患者・家族と医療側と企業側の3者間をつないで必要な支援をコーディネートする.


〈第56回 OT国試 午前50〉

就労定着支援事業について正しいのはどれか. 
1.利用期間は1年である.
2.他の職場への斡旋を行う.
3.目的は職業上の適性を確認することである.
4.一般就労を6か月継続している者が対象である.
5.日常生活や社会生活上の相談・指導は行わない.

解答

1.× 就労定着支援事業の利用期間は3年である.
2.× 就労定着支援事業は同じ職場に定着できることを目指すもので,他の職場への斡旋は行わない.
3.× 就労定着支援事業は職業上の適性を確認することが目的ではない.
4.○ 就労定着支援事業は就労7か月目から利用でき,就業開始より3年6か月までの3年間利用可能(支援期間3年)である.
5.× 就労定着支援事業は日常生活や社会生活上の相談・指導も行う.


〈第58回 OT国試 午前49〉

就労継続支援A型事業で正しいのはどれか. 
1.利用期間は3年である.
2.雇用契約に基づいた就労を提供する.
3.ジョブコーチの配置が義務付けられている.
4.利用開始時点の年齢制限は定められていない.
5.対象は一般就労を6か月継続している者である.

解答

1.× 就労継続支援A型事業に利用期間に定めはない.
2.○ 正しい.
3.× 就労継続支援A型事業にジョブコーチの配置は義務付けられていない.
4.× 就労継続支援A型事業の年齢制限は18歳以上で64歳までの方である.
5.× 対象に一般就労を6か月継続している者の定めがあるのは就労定着支援事業である.


〈第50回 OT国試 午前50〉

就労移行支援事業について正しいのはどれか. 
1.利用期間に制限がある.
2.利用者の年齢に制限はない.
3.公共職業安定所が実施主体となる.
4.障害者雇用促進法による事業である.
5.就労継続支援A型事業所への就労を目標とする.

解答

1.○ 正しい.
2.× 利用者の年齢は18歳から65歳未満までである.
3.× 就労移行支援事業所が実施主体となる.
4.× 障害者綜合支援法による事業である.
5.× 一般企業への就労を目標とする.


〈第57回 OT国試 午後49〉

就労した障害者が一般企業での就労を継続する際に,就職後6か月を経てから利用できる障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づくサービスはどれか. 
1.就労移行支援
2.就労継続支援A型
3.就労継続支援B型
4.就労定着支援
5.生活訓練

解答

1.× 就労移行支援の対象は一般企業への就職を目指す障害のある18~65歳未満で,利用期間は2年間で雇用契約・賃金支給がない.
2.× 就労継続支援A型の対象年齢は18~65歳未満で,利用期間の制限はなく雇用契約・賃金支給がある.
3.× 就労継続支援B型は対象年齢・利用期間に制限がなく,雇用契約はあるが賃金支給はない.
4.○ 就労定着支援は就職後7か月目から就職後3年6か月目まで利用可能(利用期間は1年ごとの更新で最長3年間)で,障がいのある方が就労先の労働環境や業務内容に順応し長く働き続けられるよう支援する.
5.× 生活訓練の利用期間は2年で通所型・訪問型・宿泊型があり,自立した生活の実現に向けて生活能力の維持・向上トレーニングが必要な障害のある方を対象に支援する.


〈第55回 OT国試 午前40〉

地域障害者職業センターの役割で適切なのはどれか. 
1.就労定着支援
2.職業準備訓練
3.求人の開拓
4.適応訓練
5.職業紹介

解答

1.× 誤り.
2.○ 地域障害者職業センターの役割には①職業評価,②職業準備支援,③知的障害者・重度知的障害者の判定,④職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業がある.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第53回 OT国試 午後49〉

精神障害者の就労支援方法と実施機関の組合せで正しいのはどれか. 
1.リワーク ――― ハローワーク
2.職業準備支援 ――― 地域障害者職業センター
3.職場適応訓練 ――― 精神保健福祉センター
4.トライアル雇用 ――― 障害者就業・生活支援センター
5.ジョブガイダンス ――― 地域包括支援センター

解答

1.× リワーク ――― 地域障害者職業センター
2.○ 正しい.
3.× 職場適応訓練 ――― ハローワーク
4.× トライアル雇用 ――― ハローワーク
5.× ジョブガイダンス ――― ハローワーク


〈第52回 OT国試 午後50〉

精神障害者の就労支援方法と実施機関の組合せで正しいのはどれか. 
1.リワーク ――― ハローワーク
2.ジョブコーチ ――― 地域障害者職業センター
3.職場適応訓練 ――― 保健所
4.トライアル雇用 ――― 地域包括支援センター
5.ジョブガイダンス ――― 障害者就業・生活支援センター

解答

1.× リワーク ――― 地域障害者職業センター
2.○ 正しい.
3.× 職場適応訓練 ――― ハローワーク
4.× トライアル雇用 ――― ハローワーク
5.× ジョブガイダンス ――― ハローワーク


〈第49回 OT国試 午後50〉

精神障害者の就労支援についての組合せで正しいのはどれか. 
1.リワーク ――― ハローワーク
2.ジョブコーチ ――― 地域障害者職業センター
3.職場適応訓練 ――― 保健所
4.トライアル雇用 ――― 地域包括支援センター
5.ジョブガイダンス ――― 障害者就業・生活支援センター

解答

1.× リワーク ――― 地域障害者職業センター
2.○ 正しい.
3.× 職場適応訓練 ――― ハローワーク
4.× トライアル雇用 ――― ハローワーク
5.× ジョブガイダンス ――― ハローワーク


〈第56回 OT国試 午後49〉

精神障害者の就労支援について正しいのはどれか. 
1.精神障害者は障害者雇用義務の対象ではない.
2.ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない.
3.精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない.
4.障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない.
5.就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない.

解答

1.× 精神障害者は障害者雇用義務の対象である.
2.× ジョブコーチは事業主への支援も行う.
3.× 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象である.
4.× 障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋する.
5.○ 就労継続支援B型事業所では訓練生という立場の福祉的就労であるため,最低賃金などの各種労働関係法規は適用されない.


〈第51回 OT国試 午後50〉

精神障害者の就労支援について正しいのはどれか. 
1.就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない.
2.障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない.
3.ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない.
4.精神障害者は障害者雇用率に算定できない.
5.精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない.

解答

1.○ 正しい.
2.× 障害者就業・生活支援センターでは職場実習の斡旋をする.
3.× ジョブコーチは事業主への支援も行う.
4.× 精神障害者は障害者雇用率に算定できる.
5.× 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象である.


〈第55回 OT国試 午前49〉

精神障害者の雇用対策で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.精神障害者は障害者雇用義務の対象である.
2.就職1年後の職場定着率は他障害に比べて高い.
3.ハローワーク障害者職業紹介状況の就職件数の伸び率は他障害に比べて低い.
4.障害者雇用対策における精神障害者の定義は「障害者年金を受給している者」である.
5.IPS〈Individual Placement and Support〉はストレングスとリカバリー志向の実践が特徴である.

解答

1.○ 正しい.
2.× 就職1年後の職場定着率は他障害に比べて低い.
3.× ハローワーク障害者職業紹介状況の就職件数の伸び率は他障害に比べて高い.
4.× 障害者雇用対策における精神障害者の定義は「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者」である.
5.○ 正しい.


〈第54回 OT国試 午前50〉

精神障害者の雇用や就労支援で適切なのはどれか. 
1.就労移行支援の標準利用期間は1年間である.
2.精神障害者は法定雇用率の算定基礎に含まれている.
3.障害者就労・生活支援センターは,利用者と雇用契約を締結しなければならない.
4.個別化された援助付き雇用プログラムは,就労後より就労前の訓練を重視している.
5.就労定着支援では,職場定着に必要な業務上のスキルアップに特化した専門支援を提供する.

解答

1.× 就労移行支援の標準利用期間は2年間である.
2.○ 正しい.
3.× 障害者就労・生活支援センターは,就業面・生活面における一体的な相談支援を実施する.
4.× 個別化された援助付き雇用プログラムは,就労前より就労後の訓練を重視している.
5.× 就労定着支援では,職場定着に必要な各種関係機関との連絡調整や課題解決への支援を提供する.


〈第59回 OT国試 午後49〉

精神障害者の一般就労に向けた支援で正しいのはどれか. 
1.地域障害者職業センターで事業主に対する支援を行っている.
2.トライアル雇用は障害種別を問わず雇用期間は3か月である.
3.精神障害者雇用トータルサポーターはジョブコーチへの指導を行う.
4.就労中の精神障害者の定着支援を目的としたジョブガイダンスが実施される.
5.障害者就業・生活支援センターで生活支援に基づいた職業紹介を行っている.

解答

1.○ 正しい.
2.× 精神障害者は最大12か月トライアル雇用期間を設けることができる.
3.× 精神障害者雇用トータルサポーターは,精神保健福祉士や臨床心理士の資格を持つハローワークの専門スタッフである.
4.× 求職中の精神障害者の求職支援を目的としたジョブガイダンスが実施される.
5.× 障害者就業・生活支援センターは雇用,保健,福祉,教育等の関係機関との連携の下,就業面及び生活面における一体的な支援を行っている.


〈第58回 OT国試 午後49〉

精神障害者に対する就労支援として最も適切なのはどれか. 
1.障害を開示して働くことは勧めない.
2.作業療法士が患者の就労支援の方針を決定する.
3.生活リズムが不安定な患者には精神科デイケア以外の利用は勧めない.
4.就労経験のある患者は地域障害者職業センターの職業評価を利用できない.
5.就労中の生活に関する問題は障害者就業・生活支援センターに相談できる.

解答

1.× 障害を開示して働くことを勧める.
2.× 作業療法士は各機関と連携し患者の就労支援を調整する.
3.× 生活リズムが不安定な患者には精神科デイケア以外の利用も勧める.
4.× 就労経験のある患者は地域障害者職業センターの職業評価を利用できる.
5.○ 正しい.


〈第52回 OT国試 午前40〉

精神障害者の就労と最も関連があるのはどれか. 
1.精神症状の程度
2.精神障害の診断名
3.職業前訓練の時間
4.これまでの入院期間
5.就労へのモチベーション

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 精神障害者の就労と最も関連があるのは本人の就労意志である.


〈第56回 OT国試 午後20〉

32歳の男性.統合失調症.これまで院内の外来作業療法に参加していたが,友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった.担当の作業療法士が院内のカンファレンスで,この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要なのはどれか. 
1.罹患期間
2.幻聴の頻度
3.病識の程度
4.就労への意欲
5.統合失調症の病型

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 就労移行支援事業所は,就業が可能と思われる18歳以上65歳未満の障害者に対し一般就労を目指して2年間を限度に支援するもので,働きたいという本人の希望が重要である.
5.× 誤り.


〈第50回 OT国試 午後19〉

25歳の男性.統合失調症.大学卒業後,営業職に就いたものの,まもなく発症して入院となった.退院後,就労支援を受けたいという本人の希望があり,現在は配食サービスを行う事業所に通っている.事業所とは雇用契約を交わしており,職業指導員の指導の下に調理と配達業務を担当し,業務以外の悩みについては生活支援員に相談している.この患者が利用している就労支援サービス事業所として適切なのはどれか. 
1.障害者就業・生活支援センター
2.就労継続支援A型事業所
3.就労継続支援B型事業所
4.障害者職業能力開発校
5.就労移行支援事業所

解答

1.× 障害者就業・生活支援センターは職業準備訓練と職場実習の斡旋する施設である.
2.○ 事業所と雇用契約を結んで指導員の下で業務を行っているので就労継続支援A型事業所である.
3.× 就労継続支援B型事業所は雇用契約を結ばない.
4.× 障害者職業能力開発校は公的に職業訓練を行う施設である.
5.× 就労移行支援事業所は職業訓練を受けながら一般企業への就職を支援する施設である.


〈第55回 OT国試 午後20〉

45歳の男性.統合失調症.外来治療を受けながら母親と2人で暮らしている.3年前までは仕事に就いていたが,職場での対人関係がうまくいかず症状が悪化し退職した.現在は精神症状は落ち着き,ADLは自立し生活リズムも整っている.一般就労を希望し,作業療法士に相談した.この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切なのはどれか. 
1.自立訓練
2.共同生活援助
3.就労移行支援
4.就労定着支援
5.就労継続支援B型

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 一般就労を目指しているので就労移行支援が適切である.
4.× 就労定着支援は障害者枠で一般就労した人への支援である.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午後20〉

28歳の男性.統合失調症.持続性の幻聴や被害妄想のため,21歳から入退院を繰り返していたが「働きたい」という本人の希望を尊重して,一般就労を目指して支援することになった.作業療法士を含めた多職種によって生活を支援する一方,地域障害者職業センターやハローワークと協力して,マッチングを図りながら24か月を限度に支援を行っている.この患者が受けている就労支援サービスはどれか. 
1.就労移行支援
2.職場適応訓練
3.リワーク支援
4.就労継続支援A型
5.就労継続支援B型

解答

1.○ 一般就労を目指し24か月を限度に支援を受けているので就労支援事業である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


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