第8章 義肢装具学 01)義肢学 ③上腕義手

〈第50回 OT国試 午前31〉

上腕義手装着時の適合判定において肩関節の可動域で正しいのはどれか. 
1.外転60°以上
2.内転20°以上
3.屈曲90°以上
4.伸展15°以上
5.外旋30°以上

解答

1.× 外転90°以上
2.× 内転は適合判定に含まれない.
3.○ 正しい.
4.× 伸展30°以上
5.× 外旋45°以上


〈第44回 OT国試 午前59〉

上腕義手の適合検査で正しいのはどれか. 
1.口元でのフックの最大開きの効率は30%である.
2.コントロールケーブルシステムの操作効率は30%である.
3.肘90°屈曲位でのフックの最大開きの効率は70%である.
4.肘継手を最大屈曲させるために肩関節の屈曲が35°必要である.
5.義手装着時に20kgで下垂負荷したときのソケットのずれが20mmである.

解答

1.× 口元でのフックの最大開きの効率は50%以上である.
2.× コントロールケーブルシステムの操作効率は50%以上である.
3.× 肘90°屈曲位でのフックは完全開大位である.
4.○ 肘継手を最大屈曲させるための肩関節屈曲は45°以内のため適合している.
5.× 義手装着時に20kgで下垂負荷したときのソケットが25mm以上ずれてはならない


〈第42回 OT国試 午前61〉

上腕切断者に対する義手の適合検査で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.20kgの下垂力に対してソケットが30mm滑った.
2.コントロールシステム操作方式の効率は60%であった.
3.義手装着時の肘継手の能動屈曲角度が120°であった.
4.肘継手を屈曲するために必要な力は4.5kgであった.
5.肘継手を屈曲するために必要な肩関節の屈曲は30°であった.

解答

1.× 20kgの下垂力に対してソケットが25mm以上ずれてはならない.
2.○ コントロールシステム操作方法の効率は50%以上なので適合している.
3.× 義手装着時の肘継手の能動屈曲角度が135°である.
4.× 肘継手を90°から屈曲するために必要な力が4.5kgを越えてはならない.
5.○ 肘継手を屈曲するために必要な肩関節屈曲は45°を越えてはならないので適合している.


〈第41回 OT国試 午前22〉

上腕義手の適合検査で誤っているのはどれか. 

1.下垂力に対する安定性
2.口元の位置でのフックの拡大
3.肘の屈曲に要する力
4.ソケットの適合チェック
5.コントロールケーブルシステムの効率

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ソケットの適合チェックは肩屈曲0°,肘屈曲90°で行う.
5.○ 正しい.


〈第53回 OT国試 午前5〉

上腕能動義手の適合検査において,コントロールケーブルシステムの操作効率をチェックする計算式を以下に示す.コントロールケーブルシステムの操作効率(%)=A/B×100.Aにあたる計測はどれか.2つ選べ. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 回旋力に対する安定性のチェックである.
2.× ケーブルを介して計測する.
3.× 下垂力に対する安定性のチェックである.
4.× 手先具を単体で開くときの力を計測しているので伝達効率のAにあたる.
5.× 口元の位置で手元具を最大に開かせた時の開き幅を計測しているので操作効率のAにあたる.


〈第59回 OT国試 午後31〉

上腕能動義手の適合判定で,肘離断患者の場合に実施しない検査はどれか. 
1.回旋力に対する安定性
2.ソケットの適合チェック
3.引っ張り荷重に対する安定性
4.ケーブルシステムの効率チェック
5.肘の最大屈曲に要する肩関節の屈曲角度

解答

1.× 肘離断は上腕部回旋運動がよくできるので回旋力に対する安定性は実施しない.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第57回 OT国試 午後30〉

上腕能動義手の適合検査項目とその不適合の原因との組合せで正しいのはどれか. 
1.義手装着時の肩関節可動域 ――― 肘プーリーユニット取り付け位置の不良
2.前腕部(肘継手)の屈曲可動域 ――― ソケットのトリミング不良
3.肘の最大屈曲に要する肩関節の屈曲角度 ――― ケーブルの長さの不良
4.回旋力に対する安定性 ――― ハーネスの調整不良
5.引っ張り荷重(下垂力)に対する安定性 ――― リテーナーの位置不良

解答

1.× 義手装着時の肩関節可動域 ――― ソケットのトリミング不良
2.× 前腕部(肘継手)の屈曲可動域 ――― 肘プーリーユニット取り付け位置の不良
3.○ 正しい.
4.× 回旋力に対する安定性 ――― リテーナーの位置不良
5.× 引っ張り荷重(下垂力)に対する安定性 ――― ハーネスの調整不良


〈第59回 OT国試 午前5〉

55歳の男性.右利き.交通事故により右上腕切断(断端長22cm,90%残存)となった.既往歴として左片麻痺があった.MMTで肩甲骨外転は右5・左3.肩関節可動域は,屈曲が右160度・左140度,内旋が右45度・左50度であった.義手適合判定を行ったところ,肘90度屈曲位で手先具が完全には開かなかった.最も考えられる原因はどれか. 
1.ケーブルが短すぎる.
2.左側の肩甲帯の筋力が低下している.
3.前腕支持部のトリミングが不良である.
4.ソケットがオープンショルダー式である.
5.右側の肩関節の内旋可動域に制限がある.

解答

1.× ケーブルが長すぎるのが原因である.
2.○ 正しい.
3.× 前腕支持部のトリミングの不良は関係ない.
4.× ソケットがオープンショルダー式であることとは関係ない.
5.× 右側の肩関節の屈曲可動域に制限がある.


〈第55回 OT国試 午後9〉

30歳の女性.上腕切断標準断端.上腕義手は差し込み式ソケット,8字ハーネス,複式コントロールケーブルシステム,随意開き式能動フックで構成されている.適合判定の際,肘90°屈曲位で手先具が完全には開かなかった.原因として考えられるのはどれか. 
1.フックのゴムが弱い.
2.ケーブルハウジングが短かすぎる.
3.残存肢の肩甲帯の筋力が低下している.
4.前腕支持部のトリミングが不良である.
5.切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある.

解答

1.× フックのゴムが強すぎるのが原因である.
2.× ケーブルハウジングが長すぎるのが原因である.
3.○ 正しい.
4.× 前腕支持部のトリミングの不良は関係ない.
5.× 切断肢の肩関節の屈曲可動域の制限が原因である.


〈第47回 OT国試 午前34〉

上腕義手(手先具は能動開き式)の適合判定の際,肘90度屈曲位で手先具が完全には開かなかった.原因として考えられるのはどれか.2つ選べ. 
1.ケーブルハウジングが長過ぎる.
2.ソケットが断端と適合していない.
3.前腕支持部のトリミングが不良である.
4.残存肢の肩甲帯の筋力が低下している.
5.切断肢肩関節の回旋可動域に制限を認める.

解答

1.○ 正しい.
2.× ソケットと断端との適合は関係ない.
3.× 前腕支持部のトリミングの不良は関係ない.
4.○ 正しい.
5.× 切断肢の肩関節の屈曲可動域の制限が原因である.


〈第45回 OT国試 午前5〉

上腕義手の適合検査の結果,肘90°屈曲位で手先具を完全に開くことができなかった.対応として適切なのはどれか.

1.①の黒塗り部分を短縮
2.②の黒塗り部分を削除
3.③を矢印の方向へ移動
4.④を矢印の方向へ移動
5.⑤の黒塗り部分を延長

解答

1.○ 正しい.
2.× ソケットが不適合となるので適切でない.
3.× ケーブルシステムが走行不良となり手先具操作が難しくなる.
4.× ケーブルシステムが走行不良となり手先具操作が難しくなる.
5.× ケーブルハウジングが長くなると手先具操作が難しくなる.


〈第52回 OT国試 午前5〉

30歳の男性.左上腕切断短断端.右利き.肘継手の屈曲および手先の開閉コントロールを行い,「釘打ちがしたい」との希望があり,上腕義手を作製することになった.選択する義手のパーツとして適切なのはどれか. 
1.オープンショルダーソケット
2.リュックサックハーネス
3.単式コントロールケーブルシステム
4.能動肘ブロック継手
5.能動ハンド

解答

1.× オープンショルダーソケットは上腕標準断端用である.
2.× リュックサックハーネスは手関節離断,手根部切断に使用する.
3.× 単式コントロールケーブルシステムは前腕義手に用いる.
4.○ 正しい.
5.× 能動フックを用いる.


〈第49回 OT国試 午前7〉

42歳の女性.右利き.生来健康.悪性黒色腫による左上腕切断.標準断端.今後化学療法が施行される予定である.この患者に対する上腕義手として適切なのはどれか. 
1.ソケットは差し込み式
2.コントロールケーブルは単式
3.肘完全屈曲に要する肩屈曲角は50°
4.口元での手先具は40%開大
5.操作効率は40%

解答

1.○ 正しい.
2.× コントロールケーブルは複式を用いる.
3.× 肘完全屈曲に要する肩屈曲角は45°を越えてはならないので適切でない.
4.× 口元での手先具は50%以上開大しないとならないので適切でない.
5.× 操作効率は50%以上なので適切でない.


〈第51回 OT国試 午前5〉

30歳の女性.左上腕切断(短断端).図のような能動義手を選択した.この義手を使用して可能な動作はどれか. 

1.ドアノブを回す.
2.綿棒で耳かきをする.
3.30kgの米袋を持ち上げる.
4.エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ.
5.包丁操作のときに野菜を押さえる.

解答

1.× 能動ハンドのため回旋機能はない.
2.× 耳まで挙上し細かな動きは困難である.
3.× 30kgの米袋は重量負荷が高すぎ持ち上げるのは困難である.
4.× 後ろへ回しての作業は困難である.
5.○ 正しい.


〈第45回 OT国試 午後29〉

右利きの右上腕切断者への義手の導入方法で適切なのはどれか. 
1.義手操作で書字の練習を行う.
2.断端の周径が安定してから行う.
3.手先具の開閉は肘最大屈曲位で行う.
4.肘ロックの訓練は肩関節屈曲90°で行う.
5.手先具の把握訓練の対象物は硬いものから行う.

解答

1.× 利き手交換で書字の練習を行う.
2.× 断端形成を行いながら仮義手から導入する.
3.× 手先具の開閉は任意の肘屈曲角度で行う.
4.× 肘ロックの訓練は肩関節軽度外転・伸展で行う.
5.○ 正しい.


〈第43回 OT国試 午前61〉

上腕義手使用者の訓練で適切でないのはどれか. 
1.肩甲帯の可動域訓練を行う.
2.つまみ動作は硬い物から軟らかい物へと進める.
3.肘ロックを解除して手先を開閉する練習を行う.
4.応用訓練として革細工や折り紙などの両手動作を行う.
5.切断肢が利き手の場合,非利き手での書字訓練を行う.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 肘ロックで手先を開閉する練習を行う.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第47回 OT国試 午後7〉

上腕切断者に対する義手操作の指導の様子を図に示す.操作内容として正しいのはどれか.

1.肘継手の屈曲-伸展動作
2.肘継手のロックの操作
3.手先具の交換操作
4.手先具の回旋操作
5.手先具の開閉動作

解答

1.× 誤り.
2.○ 肩伸展による操作なので肘継手ロックの操作練習である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第50回 OT国試 午後8〉

次の文により8,9の問いに答えよ.32歳の女性.交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存).上腕能動義手の適合検査で,肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった.考えられる原因はどれか.2つ選べ. 
1.左肩屈曲の可動域低下
2.左肩伸展の筋力低下
3.左肩甲骨下制の筋力低下
4.右肩甲骨外転の筋力低下
5.右肩甲帯挙上の可動域低下

解答

1.○ 正しい.
2.× 力源に利用されるのは肩関節屈曲,肩甲骨外転である.
3.× 力源に利用されるのは肩関節屈曲,肩甲骨外転である.
4.○ 正しい.
5.× 力源に利用されるのは肩関節屈曲,肩甲骨外転である.


〈第50回 OT国試 午後9〉

次の文により8,9の問いに答えよ.32歳の女性.交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存).上腕能動義手の適合検査で,肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった.この患者の肘継手として適切なのはどれか.

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 肘プーリーユニットは短断端や身体運動に乏しい症例に適応される.


〈第48回 OT国試 午後6〉

次の文により6,7の問いに答えよ.50歳の女性.右上腕短断端切断.受傷後3か月経過.図のような上腕義手を製作した.パーツの名称で正しいのはどれか. 

1.①ミュンスター型ソケット
2.②単軸肘ブロック継手
3.③肘コントロールケーブル
4.④ターミナル(回り端子)
5.⑤能動ハンド

解答

1.× ①差し込み式ソケット
2.× ②能動肘ブロック継手
3.× ③複式コントロールケーブル
4.○ 正しい.
5.× ⑤能動フック


〈第48回 OT国試 午後7〉

次の文により6,7の問いに答えよ.50歳の女性.右上腕短断端切断.受傷後3か月経過.図のような上腕義手を製作した.義手操作練習時,肘90°屈曲位で手先具を完全に開くことができなかった.対応で正しいのはどれか. 

1.肘継手を交換する.
2.9字ハーネスに変える.
3.手先具の力源ゴムを増やす.
4.ケーブルハウジングを短くする.
5.リフトレバーの位置を遠位にする.

解答

1.× 肘継手を交換しても手先具の開閉に影響しない.
2.× 9字ハーネスは前腕義手に用いられる.
3.× 手先具の力源ゴムを増やすと開きにくくなる.
4.○ 正しい.
5.× リフトレバーは肘屈曲の力点なので手先具の開閉に影響しない.


〈第46回 OT国試 午後6〉

次の文により6,7の問いに答えよ.24歳の男性.農機具に巻き込まれて右上腕を切断した.断端長は標準断端である.図のような上腕義手を製作することとした.パーツの名称で正しいのはどれか.2つ選べ. 

1.胸郭バンド
2.腋窩ループ
3.リテーナー
4.ベースプレート
5.ケーブルハウジング

解答

1.× 8字ハーネス
2.× 肘ロック・コントロールケーブル
3.× リフトレバー
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第46回 OT国試 午後7〉

次の文により6,7の問いに答えよ.24歳の男性.農機具に巻き込まれて右上腕を切断した.断端長は標準断端である.図のような上腕義手を製作することとした.この義手の適合検査結果で適合と判断されるのはどれか. 

1.肘90°屈曲位のコントロールケーブルシステムの効率判定が85%
2.引っ張り荷重に対する安定性の判定でずれが20mm
3.義手装着下垂時の長さが残存肢の環指と同じ長さ
4.義手装着時の能動的肘屈曲が100°
5.口元での手先具の操作判定が35%

解答

1.○ 正しい.
2.× 20kgの引っ張り荷重に対する安定性の判定でずれが25mm以内
3.× 義手装着下垂時の長さが残存肢の母指先端と同じ長さ
4.× 義手装着時の能動的肘屈曲が135°
5.× 口元での手先具の操作判定が50%


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