〈第57回 OT国試 午後31〉
Alzheimer型認知症について正しいのはどれか.
1.男性に多い.
2.階段状に増悪する.
3.意味記憶の障害で発症することが多い.
4.人物の見当識より時間の見当識が障害されやすい.
5.軽度認知障害の約80%はAlzheimer型認知症に移行する.
解答
1.× 男性より女性に多い.
2.× 階段状に増悪するのは脳血管性認知症である.
3.× 記銘力障害・見当識障害・物盗られ妄想で発症することが多い.
4.○ 正しい.
5.× 軽度認知障害の一部がAlzheimer型認知症に移行する.
〈第59回 OT国試 午前43〉
Alzheimer型認知症に特徴的なのはどれか.
1.階段状に進行する.
2.錐体外路症状を伴う.
3.まだら認知症である.
4.地誌的見当識障害がある.
5.末期まで病識は保たれる.
解答
1.× 階段状に進行するのは脳血管認知症に特徴的である.
2.× 錐体外路症状を伴うのはLewy小体型認知症に特徴的である.
3.× まだら認知症は脳血管認知症に特徴的である.
4.○ 正しい.
5.× 初期まで病識は保たれる.
〈第55回 OT国試 午後49〉
Alzheimer型認知症で正しいのはどれか.
1.まだら認知症の特徴を示す.
2.症状の経過は階段状の増悪を示す.
3.認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する.
4.神経原線維変化はタウ蛋白の細胞外沈着により起こる.
5.現在では認知症治療薬を使用することで根本的治療も望める.
解答
1.× まだら認知症は脳血管認知症の特徴である.
2.× 症状の経過が階段状の増悪を示すは脳血管認知症の特徴である.
3.○ 正しい.
4.× 神経原線維変化はタウ蛋白の細胞内沈着により起こる.
5.× 認知症治療薬の使用は症状の進行を遅らせることが望める.
〈第47回 OT国試 午前41〉
Alzheimer型認知症でみられないのはどれか.
1.汚言症
2.観念失行
3.視空間失認
4.物盗られ妄想
5.遂行機能障害
解答
1.× 汚言症はトウレット症候群でみられる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第51回 OT国試 午前43〉
前頭側頭型認知症に比べAlzheimer型認知症でみられやすい生活上の特徴はどれか.
1.万引きしても悪びれない.
2.同じものばかり食べ続ける.
3.物を盗られたと家族を疑う.
4.挨拶もなくふっと去っていく.
5.眼についた文字を次々読み上げる.
解答
1.× 万引きしても悪びれないのは前頭側頭型認知症の特徴である.
2.× 同じものばかり食べ続けるのは前頭側頭型認知症の特徴である.
3.○ 正しい.
4.× 挨拶もなくふっと去っていくのは前頭側頭型認知症の特徴である.
5.× 眼についた文字を次々読み上げるのは前頭側頭型認知症の特徴である.
〈第48回 OT国試 午前42〉
Alzheimer型認知症の作業療法場面で特徴的なのはどれか.
1.多動傾向
2.固執傾向
3.模倣行動
4.感情失禁
5.構成失行
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ アルツハイマー型認知症は視空間認知障害を呈するので構成失行がを合併する.
〈第52回 OT国試 午後43〉
Alzheimer型認知症患者の自尊心の回復を目指した作業療法の目標で優先すべきなのはどれか.
1.成功体験
2.見当識の改善
3.遂行機能の改善
4.空間認知力の改善
5.短期記憶力の向上
解答
1.○ 成功体験を通して自尊心の回復を促す.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第50回 OT国試 午後10〉
80代の女性.息子の家族と同居.孫の名前を忘れる,日付がわからない,居眠りする,洗濯や掃除を完了せず放置するなどのエピソードが頻繁にあり受診したところ,Alzheimer型認知症と診断され作業療法の指示が出た.介入で適切なのはどれか.
1.家事はできるだけ減らすよう指導する.
2.家事を複数同時に行わないよう指導する.
3.休息を今まで以上に多く取るよう指導する.
4.「今日は何月何日ですか」と家族に尋ねさせる.
5.「お孫さんの名前はなんでしたか」と毎回聞く.
解答
1.× 家事は可能な範囲でできるだけしてもらう.
2.○ 正しい.
3.× 休息を今まで以上に多く取る必要はない.
4.× わからないことを尋ねることは失敗体験につながり,症状を進行させるので不適切である.
5.× わからないことを尋ねることは失敗体験につながり,症状を進行させるので不適切である.
〈第53回 OT国試 午後19〉
67歳の女性.Alzheimer型認知症.HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた.自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり,送迎によって通所リハビリテーションに通っている.作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している.記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか.
1.「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう.
2.家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる.
3.作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる.
4.「もう○月の○日ですね」と伝えて日付を確認する.
5.「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ リアリティオリエンテーションの実施は有効である.
5.× 誤り.
〈第52回 OT国試 午後19〉
79歳の女性.Alzheimer型認知症.趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが,75歳ごろから物忘れが目立ち始めた.最近,夫が入院して独居となったが,洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった.HDS-R10点で,日付,減算,遅延再生および野菜の想起に失点を認めた.問題行動は特に認めない.この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか.
1.詩吟
2.洋裁
3.計算ドリル
4.献立づくり
5.立体パズル
解答
1.○ 導入時は慣れ親しんだ活動である詩吟が適切である.
2.× 洋裁慣れ親しんだ活動であるができなくなって自信を失っているので不適切である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第58回 OT国試 午後19〉
60歳の男性.Alzheimer型認知症.若いころから日曜大工が趣味で,本棚や花壇などを作っていた.1年前から食事をしたことを忘れるようになった.最近,置き忘れた財布を「盗まれた」などと言い,家庭内でのトラブルが多くなり精神科を受診して入院となった.作業療法導入時,「ここは学校ですか.私は仕事がありますので帰ります」と言い,作業療法室内を歩き回り,他の患者に対する怒声や暴言が観察された.この時期の作業療法士の対応で優先すべきなのはどれか.
1.患者の言動を厳しく叱責する.
2.職業リハビリテーションを導入する.
3.場の雰囲気に馴れるように援助する.
4.本棚作りなどの木工作業を導入する.
5.記憶力の改善を目的とした活動を導入する.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 不穏や興奮がみられているので場の雰囲気に馴れ落ち着かせることを優先すべきである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第59回 OT国試 午後16〉
60歳の女性.専業主婦.Alzheimer型認知症.1年前から最近の出来事を徐々に思い出せなくなり,家に引きこもりがちになった.趣味をする気力がなくなり近所づきあいも減った.「物が盗まれた」などの被害的な言動が増加したため,心配した夫に伴われて精神科を受診した.服薬治療を開始し,重度認知症患者デイケアを利用することとなった.この患者の特徴で適切なのはどれか.
1.認知機能が変動する.
2.いつも同じ席に座りたがる.
3.具体的な幻視について話す.
4.睡眠時に大きな声で寝言を言う.
5.外出時に帰ることができなくなる.
解答
1.× 認知機能が変動するのはLewy小体型認知症の特徴である.
2.× いつも同じ席に座りたがるのは前頭側頭型認知症の特徴である.
3.× 具体的な幻視について話すのはLewy小体型認知症の特徴である.
4.× 睡眠時に大きな声で寝言を言うのはLewy小体型認知症の特徴である.
5.○ 正しい.
〈第46回 OT国試 午後19〉
次の文により19,20の問いに答えよ.70歳の男性.仕事における意欲と作業能率の低下を主訴に来院した.最近,物をよく置き忘れる,金庫の暗証番号を思い出せない,得意先にたどり着けないといったことが多くなってきた.頭部MRIを示す.この画像で顕著にみられる所見はどれか.
1.後頭葉萎縮
2.小梗塞多発
3.脳幹部萎縮
4.前頭葉萎縮
5.側頭葉内側部萎縮
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 海馬を含む側頭葉内側の萎縮がみられる
〈第46回 OT国試 午後20〉
次の文により19,20の問いに答えよ.70歳の男性.仕事における意欲と作業能率の低下を主訴に来院した.最近,物をよく置き忘れる,金庫の暗証番号を思い出せない,得意先にたどり着けないといったことが多くなってきた.頭部MRIを示す.この患者にみられる可能性が高い症状はどれか.
1.幻覚
2.尿失禁
3.希死念慮
4.症状日内変動
5.地誌的見当識障害
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 得意先にたどり着けないことから地誌的見当識障害が疑われる.
〈第48回 OT国試 午前14〉
次の文により14,15の問いに答えよ.70代の女性.Alzheimer型認知症の診断を受けデイケアを利用しながら自宅で生活を続けている.独歩での移動は可能であるが,屋外では道に迷う.IADLは全介助である.感情のコントロールができなくなり,デイケア施設職員に文句を言ったり介護に抵抗することもある.この患者に特徴的にみられる症状や障害で正しいのはどれか.
1.幻視
2.人格変化
3.意識混濁
4.不全片麻痺
5.視空間認知の障害
解答
1.× 幻視はレビー小体型認知症でみられる.
2.× 人格変化はまだみられていない.
3.× 意識の障害はみられていない.
4.× 不全片麻痺は脳血管性認知症でみられる.
5.○ 道に迷うことから視空間認知障害(地誌的見当識)がみられる.
〈第48回 OT国試 午前15〉
次の文により14,15の問いに答えよ.70代の女性.Alzheimer型認知症の診断を受けデイケアを利用しながら自宅で生活を続けている.独歩での移動は可能であるが,屋外では道に迷う.IADLは全介助である.感情のコントロールができなくなり,デイケア施設職員に文句を言ったり介護に抵抗することもある.この患者に対するデイケアプログラムで優先すべき目標はどれか.
1.気分の安定
2.買い物の練習
3.対人関係の改善
4.家事動作の練習
5.短期記銘力の向上
解答
1.○ 文句を言ったり抵抗する周辺症状に対応することが優先される.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第49回 OT国試 午前14〉
次の文により14,15の問いに答えよ.78歳の女性.Alzheimer型認知症.物忘れが激しくなるに従い,何をするにも介護者である夫に頼り,そばを離れない状態となった.そのため,主治医にデイケアを勧められ,通所を開始した.デイケア導入時に行う知的機能検査で適切なのはどれか.
1.WPPSI
2.WAIS-Ⅲ
3.Blessed dementia rating scale(DRS)
4.Mini mental state examination(MMSE)
5.Behavioral pathology in Alzheimer's disease rating scale(BEHAVE-AD)
解答
1.× WPPSIは適応年齢が3歳10か月~7歳1か月の知能検査である.
2.× WAIS-Ⅲは適応年齢が16~89歳の知能検査である.
3.× DRSは認知症の重症度評価である.
4.○ 正しい.
5.× BEHAVE-ADはアルツハイマー病のBPSD評価である.
〈第49回 OT国試 午前15〉
次の文により14,15の問いに答えよ.78歳の女性.Alzheimer型認知症.物忘れが激しくなるに従い,何をするにも介護者である夫に頼り,そばを離れない状態となった.そのため,主治医にデイケアを勧められ,通所を開始した.在宅での生活を継続させるために作業療法で優先するのはどれか.
1.体力の維持
2.不安の軽減
3.合併症の予防
4.対人交流の拡大
5.ストレスの発散
解答
1.× 誤り.
2.○ 導入時は不安の軽減が優先される.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第50回 OT国試 午後13〉
次の文により13,14の問いに答えよ.76歳の女性,HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)が19点のAlzheimer型認知症.グループホームで異食や他の入居者への暴力がみられるようになり,対応困難で精神科病院に入院となった.この時期の作業療法で優先する目的はどれか.
1.体力の維持
2.行動の統制
3.合併症の予防
4.作業能力の向上
5.施設環境への適応
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 新しい環境への適応を促すことが優先される.
〈第50回 OT国試 午後14〉
次の文により13,14の問いに答えよ.76歳の女性,HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)が19点のAlzheimer型認知症.グループホームで異食や他の入居者への暴力がみられるようになり,対応困難で精神科病院に入院となった.作業療法中にみられる行動障害への対応で適切なのはどれか.
1.患者に注意する.
2.患者を説得する.
3.行動を黙認する.
4.行動を制止する.
5.患者に理由を尋ねる.
解答
1.× 注意は問題行動を増悪させるので不適切である.
2.× 説得ではなく傾聴・受容的対応をする.
3.× 問題行動は修正していく.
4.× 問題行動の制止は症状を増悪させるので不適切である.
5.○ 正しい.
〈第47回 OT国試 午後13〉
次の文により13,14の問いに答えよ.70歳の女性.買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり,心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した.Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した.患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」,「だまされた.帰りたい」と訴えて興奮することが多い.この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか.
1.食事動作の維持
2.精神的混乱の軽減
3.廃用症候群の予防
4.非言語的交流の活用
5.福祉用具の適用評価
解答
1.× 誤り.
2.○ 興奮がみられるので精神的混乱の軽減が適切である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第47回 OT国試 午後14〉
次の文により13,14の問いに答えよ.70歳の女性.買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり,心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した.Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した.患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」,「だまされた.帰りたい」と訴えて興奮することが多い.その後,興奮が落ち着き,作業療法室に定期的に通うようになった.今後の作業療法の留意点で適切なのはどれか.
1.個室で作業を行う.
2.薬物の作用を学習させる.
3.病期の説明を繰り返し行う.
4.作業手順を1工程ずつ説明する.
5.長時間かけて仕上げる作業を課題に選ぶ.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 工程は簡単で短時間で終える馴染みのある作業が良い.
5.× 誤り.
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