〈第53回 OT国試 午前48〉
我が国のアルコール関連問題について正しいのはどれか.2つ選べ.
1.成人の飲酒者の割合は,男性より女性が多い.
2.アルコール依存症は,自殺のリスクを高める.
3.女性のアルコール依存症の有病率は,減少傾向にある.
4.妊娠している女性の飲酒は,胎児性アルコール症候群の危険因子である.
5.未成年者への学校でのアルコール教育は,三次予防としての取り組みである.
解答
1.× 成人の飲酒者の割合は,女性より男性が多い.
2.○ 正しい.
3.× 女性のアルコール依存症の有病率は,増加傾向にある.
4.○ 正しい.
5.× 未成年者への学校でのアルコール教育は,一次予防としての取り組みである.
〈第54回 OT国試 午後48〉
アルコール関連問題に対する二次予防はどれか.
1.入院による治療
2.中学校や高等学校でのアルコール教育
3.未成年が酒類を入手しづらくする環境作り
4.病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見
5.断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)などの自助グループへの参加推奨
解答
1.× 入院による治療は三次予防である.
2.× 中学校や高等学校でのアルコール教育は一次予防である.
3.× 未成年が酒類を入手しづらくする環境作りは一次予防である.
4.○ 正しい.
5.× 断酒会やAAlcoholics Anonymousなどの自助グループへの参加推奨は三次予防である.
〈第50回 OT国試 午後43〉
アルコールによる精神障害に関連が強いのはどれか.
1.解離
2.過食
3.健忘
4.強迫
5.離人
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ アルコール精神病にアルコール性健忘症候群(Korsakoff症候群)がある.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第49回 OT国試 午前41〉
アルコール依存症の患者が,作業療法の際に「お酒の飲み方以外は何も問題はない」と主張した.この防衛機制はどれか.
1.昇華
2.退行
3.投射
4.否認
5.抑圧
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ アルコール依存症の患者が「お酒の飲み方以外は何も問題はない」と主張する防衛機制は否認である.
5.× 誤り.
〈第52回 OT国試 午後40〉
アルコール依存症の患者の離脱症状を示す発言はどれか.
1.「自分は飲酒量を減らさなければならない」
2.「二日酔いで子供の運動会に行けなかった」
3.「飲酒した晩の翌朝,迎え酒をすると汗がおさまる」
4.「妻が自分の飲酒についてあれこれ言うのが不愉快だ」
5.「自分は昔に比べて,ずいぶん酒が強くなったと思う」
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 自律神経症状である発汗を発現しているので離脱症状が考えられる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第51回 OT国試 午後45〉
アルコール依存症患者への抗酒薬に期待できる効果はどれか.
1.不眠の改善
2.不安感の軽減
3.離脱症状の緩和
4.飲酒に対する嫌悪
5.幻覚妄想状態の改善
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 抗酒薬は飲酒により不快な症状を起こす作用がある.
5.× 誤り.
〈第55回 OT国試 午前44〉
アルコール依存症に合併しやすい病状とそれに対する治療との組合せで正しいのはどれか.
1.アルコール幻覚症 ――― 抗不安薬の投与
2.Wernicke脳症 ――― ビタミンDの投与
3.再飲酒 ――― 断酒会
4.振戦せん妄 ――― 抗酒薬の投与
5.人格変化 ――― 修正型電気けいれん療法
解答
1.× アルコール幻覚症 ――― 飲酒中止後,数日から数週で消失するが抗精神病薬の投与もある.
2.× Wernicke脳症 ――― ビタミンB1の投与
3.○ 正しい.
4.× 振戦せん妄 ――― 飲酒中止後,3~4日持続し消失するが抗不安薬の投与もある.
5.× 人格変化 ――― 症状に応じた治療を実施する.
〈第59回 OT国試 午後44〉
アルコール依存症の治療で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.抗酒薬が治療の中心である.
2.診断には脳波検査が必須である.
3.家族の共依存に対して働きかける.
4.自助グループへの参加が有効である.
5.重症の身体合併症の治療は依存症の改善後に行う.
解答
1.× 精神療法が治療の中心である.
2.× 診断には脳波検査が必須ではない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 重症の身体合併症の治療は依存症の治療と並行して行う.
〈第57回 OT国試 午後43〉
アルコール依存症の治療について正しいのはどれか.
1.本人や家族に対する心理教育が有効である.
2.離脱への導入の時期から作業療法を実施する.
3.Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する.
4.離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である.
5.患者に否定的な家族には自助グループへの参加は勧めない.
解答
1.○ 正しい.
2.× 離脱症状が落ち着いてから作業療法を実施する.
3.× Wernicke脳症の予防にビタミンB1を投与する.
4.× 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は有効である.
5.× 患者に否定的な家族には自助グループへの参加は勧める.
〈第56回 OT国試 午前44〉
アルコール依存症の作業療法を行うにあたって,適切でないのはどれか.
1.酒害教育と並行して行う.
2.退薬症候群が遷延しているか把握する.
3.家族が健康になるよう支援する視点をもつ.
4.本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入する.
5.回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要である.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 初期の段階は生活リズムや体力づくりが中心となり,その後,心理教育,内省などによって治療していく.
5.○ 正しい.
〈第52回 OT国試 午前44〉
アルコール離脱直後の作業療法で最も優先すべきなのはどれか.
1.内省
2.仲間づくり
3.体力づくり
4.治療への動機付け
5.生活設計の立て直し
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ アルコール離脱直後は,軽運動による気晴らしと体力向上を期待する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第53回 OT国試 午後44〉
離脱症状が消退して間もないアルコール依存症の患者に対する作業療法で最も優先される目標はどれか.
1.家族関係の改善
2.基礎体力の改善
3.対人技能の獲得
4.自助グループへの参加
5.ストレス対処行動の獲得
解答
1.× 誤り.
2.○ 離脱症状消退直後は,軽運動による気晴らしと体力向上を期待する.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第48回 OT国試 午後42〉
アルコール依存症患者の作業療法で最も重要なのはどれか.
1.運動能力を向上させる.
2.本人の意志を優先する.
3.協調性を体験させる.
4.単独行動を促す.
5.依存性を高める.
解答
1.× 体力向上を図る.
2.× 本人の意思のみを優先するのではなく,包括的プログラムを実施していく.
3.○ 正しい.
4.× 仲間意識の形成などのため集団を活用する.
5.× 依存性を高めるような支援は不適切である.
〈第46回 OT国試 午前42〉
アルコール依存症患者の作業療法の目的で優先度が低いのはどれか.
1.自尊感情の向上
2.認知能力の向上
3.基礎体力の向上
4.現実認識の向上
5.ストレス耐性の向上
解答
1.○ 正しい.
2.× アルコール依存症では認知機能の障害は多くないので優先度は低い.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第47回 OT国試 午前42〉
アルコール依存症患者の自助グループ活動で適切なのはどれか.
1.体験を共有する.
2.半年間で終了する.
3.身体機能訓練に主眼を置く.
4.医師の指導の下で行われる.
5.週1回の参加が決められている.
解答
1.○ 正しい.
2.× アルコール依存症患者の自助グループ活動に期間の定めはない.
3.× アルコール依存症患者の自助グループ活動は自らの体験談を語ることに主眼を置く.
4.× アルコール依存症患者の自助グループ活動は医師の指導の下では行われない.
5.× アルコール依存症患者の自助グループ活動に参加の定めはない.
〈第59回 OT国試 午後14〉
58歳の男性.アルコール依存症.長年,製造業に従事し晩酌を欠かしたことはなかった.徐々に飲酒量が増え,連続飲酒で入退院を繰り返している.今回Wernicke脳症のため入院となり,その後Korsakoff症候群が残遺した.状態が安定したため作業療法が処方された.この患者に出現する可能性が高い症状はどれか.
1.観念奔逸
2.体感幻覚
3.不安発作
4.記銘力障害
5.フラッシュバック
解答
1.× 観念奔逸は躁状態で出現の可能性が高い.
2.× 体感幻覚は統合失調症で出現の可能性が高い.
3.× 不安発作は不安神経症で出現の可能性が高い.
4.○ 正しい.
5.× フラッシュバックはPTSDで出現の可能性が高い.
〈第59回 OT国試 午前13〉
35歳の男性.一人暮らし.銀行員.半年前に仕事のミスがあり,徐々に飲酒量が増えた.酒がなくなると深夜でも買いに出かけた.2週前より無断欠勤が続いており,上司が自宅を訪問すると泥酔していた.上司に伴われて精神科を受診し,作業療法が処方された.健康診断で肝機能障害を指摘されているが,これまでに禁酒の試みはない.現時点で観察される症状で誤っているのはどれか.
1.渇望
2.抑制喪失
3.離脱症状
4.耐性の増大
5.負の強化への抵抗
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 離脱症状は飲酒中止後から96時間頃にかけてみられるので現時点では観察されない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第56回 OT国試 午前14〉
50歳の男性.アルコール依存症.大学を卒業後,就職したころから飲酒が始まる.転勤で一人暮らしになってから飲酒量が増加し,仕事もやめ昼夜問わずに飲み続けるようになった.その後,精神科病院を受診し入退院を繰り返す.主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた.作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが,退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう.何とかしてほしい」と話す.この患者の心理状態として最も適切なのはどれか.
1.否認
2.共依存
3.両価性
4.自己中心
5.刹那主義
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 「もう飲まない」「つい飲んでしまう」という,相反する感情を同時に抱いているので両価性である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第47回 OT国試 午後15〉
46歳の男性.アルコール依存症.以前から大酒家で,糖尿病,高脂血症(脂質異常症)及び肝機能障害を指摘されていた.出張先で連続飲酒状態になり,家族と会社嘱託医師の勧めでアルコール専門病棟に初めて入院した.離脱症状が治まって1週後,作業療法を開始することになった.作業療法参加時の観察事項として適切でないのはどれか.
1.飲酒要求による無断外出
2.睡眠不足による注意力散漫
3.肝機能障害による易疲労感
4.フラッシュバックによる幻覚
5.末梢神経障害による歩行障害
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× フラッシュバックはLSD等の幻覚剤でみられる.
5.○ 正しい.
〈第54回 OT国試 午後14〉
45歳の男性.アルコール依存症.家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい,翌日に強い罪悪感を覚えることが増えている.反省して飲酒を減らそうとしたがうまくいかなかった.このままではいけないと思い,精神科を受診した.患者は妻の強い希望を受け入れて,しぶしぶ入院治療を受けることにした.治療プログラムの1つとして作業療法が処方された.初回の面接で,患者は,断酒しなければならないのはわかるが,コントロールして飲みたいという気持ちもあると述べた.治療への動機づけの目的で,面接の中で取り上げるべき話題として最も適切なのはどれか.
1.妻との関係
2.作業療法の必要性
3.飲酒による身体的な問題
4.断酒について迷っている気持ち
5.ストレス発散のための飲酒の必要性
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 断酒の必要性とコントロールして飲みたいという気持ちがあるので動機づけとして適切である.
5.× 誤り.
〈第55回 OT国試 午前17〉
40歳の男性.20歳から飲酒を始め,就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた.その後,毎晩の飲酒量が増え,遅刻や無断欠勤をし,休みの日は朝から飲酒するようになった.連続飲酒状態になり,リビングで泥酔し尿便を失禁していた.心配した妻に連れられて精神科を受診し,そのまま入院となった.離脱症状が治まり,体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された.初回面接時には「自分は病気ではない」と話した.初期の対応で適切なのはどれか.
1.飲酒しないように繰り返し指導する.
2.心理教育により依存症の理解を促す.
3.AA〈Alcohlics Anonymous〉を紹介する.
4.10METsの運動で身体機能の回復を促す.
5.飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す.
解答
1.× 誤り.
2.○ 「自分は病気ではない」と否認しているので,依存症について理解を促すのが適切である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第52回 OT国試 午後16〉
55歳の男性.アルコール依存症に肝機能障害を合併.仕事上のトラブルから連続飲酒状態となり入院治療に至った.退院後,依存症専門デイケアを利用することになったが,少し位なら飲んでも大丈夫と思っている様子であった.妻同伴で担当作業療法士と面接を行った際に再発予防のための助言を受けることとなった.作業療法士の対応として最も適切なのはどれか.
1.断酒の意志の弱さを患者に指摘する.
2.飲みたい場合は少量にとどめるよう患者に勧める.
3.患者の飲酒状況を把握してもらうよう妻に依頼する.
4.体力回復を促すため患者の食事管理を妻に依頼する.
5.Alcoholics Anonymous〈A.A.〉への参加を患者に勧める.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 少しくらいなら飲んでも大丈夫と思っている様子なのでAAへの参加を促す.
〈第52回 OT国試 午前14〉
32歳の女性.アルコール依存症.美容師として働く兼業主婦.25歳ごろから飲酒量が増えた.現時点では,仕事や家事に大きな支障はない.このまま飲酒を続けていると大変なことになると思い,飲酒量を減らそうと努力しているが,飲み始めるといつも深酒してしまう.1人の力では断酒できないと悩み,自ら精神科病院を受診し入院治療を受けることになった.回復を目的とした作業療法の評価で最も重要度が高いのはどれか.
1.見当識
2.基礎体力
3.金銭管理
4.自己評価
5.日常生活能力
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 一人では断酒できないと悩んでいるので,まず自己評価を行う.
5.× 誤り.
〈第57回 OT国試 午後14〉
43歳の女性.アルコール依存症.高校卒業後,就職.20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった.40歳ころから酒量が増え,二日酔いのまま出勤するようになった.上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり,最近,泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった.離脱症状が落ち着いた後,作業療法が処方された.この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか.
1.基礎体力
2.対人関係技能
3.断酒への意志
4.復職への意欲
5.問題解決能力
解答
1.○ 軽運動による気晴らしと体力向上を期待するため,導入期作業療法評価として重要度が高い.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第46回 OT国試 午前14〉
次の文により14,15の問いに答えよ.50歳の男性.アルコール依存症.30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた.遅刻や欠勤を繰り返し,2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった.妻に付き添われて精神科を受診し,アルコール専門病棟へ入院した.入院後2週経過し,離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された.この患者の導入期評価で優先度が高いのはどれか.
1.認知機能
2.作業能力
3.金銭管理
4.基礎体力
5.対人関係
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 導入時の評価は離脱症状と身体機能(体力)の把握が重要である.
5.× 誤り.
〈第46回 OT国試 午前15〉
次の文により14,15の問いに答えよ.50歳の男性.アルコール依存症.30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた.遅刻や欠勤を繰り返し,2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった.妻に付き添われて精神科を受診し,アルコール専門病棟へ入院した.入院後2週経過し,離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された.回復期の作業療法で適切でないのはどれか.
1.家族同伴の心理教育を行う.
2.集団内の仲間意識を育てる.
3.自助グループへの参加を促す.
4.医療機関の利用終了を目指す.
5.退院後の生活について助言する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 回復期は退院が目的でなく,退院へ向けた生活設計などである.
5.○ 正しい.
〈第50回 OT国試 午後15〉
48歳の男性.アルコール依存症.30歳ころから仕事上のストレスにより飲酒量が増えてきた.40歳ころから遅刻や欠勤を繰り返すようになり2年前に会社をやめた.2か月前から連続飲酒状態となったため妻に付き添われて精神科を受診し,入院した.入院後2週経過し,離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された.この時期の作業療法で適切でないのはどれか.
1.家族同伴で心理教育を行う.
2.集団内で仲間意識を育てる.
3.自助グループへの参加を促す.
4.プログラムでの頑張りを促す.
5.退院後の生活について助言する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 導入時はプログラムでの頑張りでなく参加を促す.
5.○ 正しい.
〈第58回 OT国試 午前17〉
52歳の男性.アルコール依存症.警備会社に勤務.若いころから飲酒が習慣化していたが,最近,朝から酒を飲むようになった.同居する両親に対する暴力行為で警察の介入があり,2日後に入院した.入院後,振戦せん妄が出現し,5日目に消失した.落ち着きがみられるようになり,作業療法が処方された.この時期に優先すべき作業療法の目的はどれか.
1.家族内での関係性を改善する.
2.基礎体力の回復・維持を行う.
3.ストレス対処技能を獲得する.
4.他者との協調的な活動を体験する.
5.職場復帰に向けた職業的技能を修得する.
解答
1.× 誤り.
2.○ 導入時の作業療法の目的は基礎体力の回復・維持である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第51回 OT国試 午前17〉
40歳の女性.長年のアルコール摂取による肝硬変,膵炎および2次性糖尿病の合併症がある.飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり,夫に連れられて精神科を受診し,入院となった.離脱症状が治まり,作業療法が開始された.作業療法士の支援で適切なのはどれか.
1.SSTを実施する.
2.他者との協調行動を促す.
3.酒害に関する心理教育を行う.
4.作業療法士への依存は容認する.
5.作業に対する頑張りを強化する.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 導入時は酒害に対する理解を深めるための心理教育が適切である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第49回 OT国試 午前18〉
52歳の男性.アルコール依存症.45歳ころから入退院を繰り返し離婚した.単身生活になって飲酒が一層激しくなり,食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した.離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが,落ち込んだ様子や自己中心的な行動がみられたり,理由なく作業療法を欠席したりすることがある.この時点での作業種目で適切なのはどれか.
1.散歩
2.革細工
3.パソコン操作
4.バレーボール
5.院内新聞の編集
解答
1.○ 導入期は軽運動による気晴らしと体力向上を期待する.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第53回 OT国試 午後15〉
39歳の男性.アルコール依存症.前回退院後に連続飲酒状態となり,妻からの依頼で2回目の入院となった.入院の際,妻からお酒をやめないと離婚すると告げられた.離脱症状が治まるのを待って作業療法が開始された.用意されたプログラムには自ら欠かさず参加し,特に運動プログラムでは休むことなく身体を動かしていた.妻には「飲酒による問題はもう起こさないので大丈夫」と話している.この患者に対する作業療法士の対応として最も適切なのはどれか.
1.運動プログラムを増やす.
2.さらに努力を続けるよう伝える.
3.支持的に接し,不安が示されたら受け止める.
4.離婚されないためということを動機付けに用いる.
5.過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおく.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ プログラムに自ら欠かさず参加しているので支持的・受容的態度で接する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第48回 OT国試 午前16〉
53歳の男性.アルコール依存症.34歳から頻回の入院を繰り返し,仕事も失い,妻とも離婚した.1週前から終日飲酒して,食事も摂らない状態が続くため入院となった.入院後は振戦せん妄がみられたが,3週後には状態が安定し,体力強化を目的に作業療法が処方された.作業療法場面でみられやすいのはどれか.
1.柔軟な判断
2.高い目標設定
3.共感的な感情表出
4.熟慮に基づく行動
5.円滑な対人関係の構築
解答
1.× 焦ったり求めるものが高かったりするため,柔軟な判断はみられにくい.
2.○ 正しい.
3.× 無関心な態度をとることがあるため,共感的な感情表出はみられにくい.
4.× 集中力に欠け根気強く続かないため,熟慮に基づく行動はみられにくい.
5.× 他者への攻撃的なところがあり,円滑な対人関係の構築はみられにくい.
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