〈第51回 OT国試 午後42〉
身体表現性障害の患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか.
1.現実検討能力を高める.
2.不安な気持ちを解釈する.
3.集団作業療法を基本とする.
4.対人関係能力の向上を図る.
5.感情表現を促す活動を提供する.
解答
1.× 現実検討能力を高めても症状の改善に至らない.
2.× 症状への意識を高めてしまうので不安な気持ちにはあまり触れない.
3.× 個別作業療法を基本とする.
4.× 対人関係能力の向上を図っても症状の改善に至らない.
5.○ 正しい.
〈第53回 OT国試 午前43〉
作業療法中に腹痛を訴える身体表現性障害の患者への対応として適切なのはどれか.
1.軽い身体活動を勧める.
2.痛みの原因について話し合う.
3.積極的に話しかけて注意をそらす.
4.痛みが完全に治るまで安静を促す.
5.身体的所見に異常がないことを説明する.
解答
1.○ 正しい.
2.× 症状への意識を高めてしまうので痛みの原因にはあまり触れない.
3.× 受容的・支持的態度で傾聴する.
4.× 痛みがあっても可能な範囲で作業を継続する.
5.× 身体的所見に異常がないことを否定せず傾聴的態度を示す.
〈第58回 OT国試 午前14〉
58歳の男性.不動産関係の会社勤務.半年前に新プロジェクトを担当してから,下肢のしびれと疼痛を訴えるようになった.整形外科や神経内科を受診したが,身体的な疾患は認めなかった.次第に食思低下や不眠を自覚したため,精神科を受診して入院となり,作業療法が導入された.開始当初に,「足のしびれや疼痛があるので整形外科を受診できるように担当医に伝えて欲しい」と作業療法士に訴えた.このときの作業療法士の対応として最も適切なのはどれか.
1.訴えについては傾聴するに留める.
2.整形外科を受診できるよう担当医に掛け合うと約束する.
3.しびれや疼痛は精神的な問題であることを繰り返し説明する.
4.会社で担当した新プロジェクトをどのように感じていたか尋ねる.
5.作業療法に参加をすると下肢の痛みやしびれが軽減すると伝える.
解答
1.○ 正しい.
2.× 整形外科を受診できるよう担当医に掛け合うと約束するのは不適切である.
3.× しびれや疼痛は精神的な問題であることを繰り返し説明するのは不適切である.
4.× 症状への意識を高めてしまうので原因にはあまり触れない.
5.× 作業療法に参加をすると下肢の痛みやしびれが軽減すると伝えるのは不適切である.
〈第54回 OT国試 午前18〉
50歳の女性.10年前に義母の介護に際して突然の視力障害を訴えたが,眼科的に異常はみられなかった.1か月前に夫の単身赴任が決まってから,下肢の冷感,疼痛を主訴として,整形外科,血管外科などを受診するも異常所見は指摘されなかった.次第に食事もとれなくなり,心配した夫が精神科外来を受診させ,本人はしぶしぶ同意して任意入院となった.主治医が,身体以外のことに目を向けるようにと作業療法導入を検討し,作業療法士が病室にいる本人を訪問することになった.本人は着座すると疼痛が増強するからと立位のままベッドの傍らに立ち続けて,他科受診できるよう主治医に伝えてほしいと同じ発言を繰り返す.この患者に対する病室での作業療法士の対応で最も適切なのはどれか.
1.他科受診できるよう約束する.
2.夫の単身赴任をどのように感じているか尋ねる.
3.痛みが軽減することを約束して作業療法への参加を促す.
4.身体的には問題がなく,心の問題であることを繰り返し伝える.
5.他のスタッフの発言との食い違いが生じないよう,聞き役に徹する.
解答
1.× 他科受診できるように約束するのは不適切である.
2.× 症状への意識を高めてしまうので原因にはあまり触れない.
3.× 痛みが軽減することを約束するのは不適切である.
4.× 身体的所見に異常がないことを否定せず傾聴的態度を示す.
5.○ 正しい.
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