第7章 精神障害作業療法学 03)神経症性障害 ⑤解離性障害

〈第48回 OT国試 午後46〉

転換性障害の性格傾向はどれか.2つ選べ. 
1.強迫性
2.依存性
3.愛他性
4.演技性
5.攻撃性

解答

1.× 誤り.
2.○ 転換性障害の性格傾向は誇張的・演技的・未熟的・依存的・自己中心的・感情的・非暗示的などである.
3.× 誤り.
4.○ 転換性障害の性格傾向は誇張的・演技的・依存的・感情的・非暗示的である.
5.× 誤り.


〈第55回 OT国試 午後42〉

心因性偽発作が疑われる患者における発作症状の観察の際に重要でないのはどれか. 
1.咬舌
2.流涙
3.尿失禁
4.四肢の外傷
5.チアノーゼ

解答

1.○ 咬舌は心因性のけいれん発作ではみられないので,発作症状の観察の際重要である.
2.× 誤り.
3.○ 尿失禁は心因性のけいれん発作ではみられないので,発作症状の観察の際重要である.
4.○ 四肢の外傷は心因性のけいれん発作ではみられないので,発作症状の観察の際重要である.
5.○ チアノーゼは心因性のけいれん発作ではみられないので,発作症状の観察の際重要である.


〈第56回 OT国試 午後42〉

解離性けいれん発作について正しいのはどれか. 
1.誘因なく突然起こる.
2.睡眠中には起こらない.
3.発作持続時間は数分程度である.
4.発作時に意識は完全に消失する.
5.転倒による打撲傷が頻繁にみられる.

解答

1.× 解離性けいれん発作は心理的原因によって生じる.
2.○ 解離性けいれん発作は睡眠中や人の見ていないところでは生じない.
3.× 解離性けいれん発作の発作時間は長い.
4.× 解離性けいれん発作の発作時に意識は完全に消失せず,また昏迷やトランス状態を呈することがある.
5.× 解離性けいれん発作は転倒による打撲傷,咬舌や尿失禁はみられない.


〈第50回 OT国試 午後49〉

心因性のけいれん発作を繰り返す患者への対応で適切なのはどれか. 
1.叱咤激励する.
2.心理検査を提案する.
3.作業療法への参加を中止する.
4.その都度プログラムを変更する.
5.ストレス状況について話し合う.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ ストレスにより心因性けいれん発作が生じているので,ストレス状況について話し合うのは適切である.


〈第58回 OT国試 午後46〉

解離性障害に対する初期の作業療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.支持的態度で接する.
2.治療的退行を促進する.
3.患者の要求通りに作業を進める.
4.新しい行動パターンの形成を促す.
5.解離症状は心理的葛藤とは無関係であると説明する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 治療的退行は促進しない.
3.× 患者の要求通りには作業を進めない.
4.○ 正しい.
5.× 解離症状と心理的葛藤との関係は説明しない.


〈第47回 OT国試 午後39〉

転換性障害患者の作業療法の特徴で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.集団活動が適している.
2.依存関係が形成されやすい.
3.症状の心理的意味を解釈する.
4.要求が増えた場合は休止する.
5.身体化症状に対しては対症療法を併用する.

解答

1.× 集団活動は適していない.
2.○ 正しい.
3.× 症状と心理的意味との解釈はしすぎない.
4.× 要求が増えた場合であっても休止せず,心理的距離を保つ.
5.○ 正しい.


〈第50回 OT国試 午前46〉

転換性障害による歩行障害のある患者への対応として適切なのはどれか. 
1.希死念慮に注意する.
2.感情の言語化を促す.
3.歩行障害の受容を促す.
4.歩行機能への介入は行わない.
5.葛藤と症状との関係を洞察させる.

解答

1.× 誤り.
2.○ 無意識下に抑圧された感情の言語化を促すことは適切である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午後46〉

転換性障害のため歩行障害がみられる患者への作業療法で優先すべきなのはどれか. 
1.住宅環境の整備を進める.
2.廃用性機能障害を予防する.
3.無意識の葛藤についての洞察を促す.
4.難易度の高い作業への挑戦を勧める.
5.器質的な原因との矛盾点に直面させる.

解答

1.× 心因性歩行障害のため住環境整備は必要ない.
2.○ 正しい.
3.× 歩行障害と無意識の葛藤について深く洞察しない.
4.× 適切な難易度の作業を実施して身体症状の改善を図る.
5.× 器質的な原因との矛盾点は指摘しない.


〈第46回 OT国試 午後13〉

次の文により13,14の問いに答えよ.29歳の女性.歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが,検査では異常は認められなかった.紹介されて精神科外来を受診し,入院することとなった.手足がふるえ,軽い麻痺のような脱力があり,自立歩行ができないため車椅子を使用している.立位保持や移乗に介助を必要とし,ADLはほぼ全介助である.この患者の障害はどれか. 
1.社会恐怖
2.強迫性障害
3.離人性障害
4.転換性障害
5.パニック障害

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 検査で異常所見が無いが軽い麻痺のような脱力から自立歩行ができていないので,転換性障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第46回 OT国試 午後14〉

次の文により13,14の問いに答えよ.29歳の女性.歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが,検査では異常は認められなかった.紹介されて精神科外来を受診し,入院することとなった.手足がふるえ,軽い麻痺のような脱力があり,自立歩行ができないため車椅子を使用している.立位保持や移乗に介助を必要とし,ADLはほぼ全介助である.この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.自己洞察を促す.
2.自己表現の機会を増やす.
3.身体症状に対して対応する.
4.自己中心的な依存は禁止する.
5.集団活動で役割を担ってもらう.

解答

1.× 症状と心理的葛藤との関連についての自己洞察は促さない.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 自己中心的な依存は禁止せず,心理的距離を保つ.
5.× 集団活動で役割を担ってもらうと,症状が増悪するため不適切である.


〈第53回 OT国試 午前18〉

29歳の女性.歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが器質的問題が認められなかったため,紹介によって精神科外来を受診し入院することとなった.手足が震え,軽い麻痺のような脱力があり,自立歩行ができないため車椅子を使用している.立位保持や移乗に介助を必要とし,ADLはほぼ全介助である.この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.自己洞察を促す.
2.自己表現の機会を増やす.
3.集団活動で役割を担わせる.
4.自己中心的な依存は受け入れない.
5.身体機能に対する治療的な介入を行う.

解答

1.× 症状と心理的葛藤との関連についての自己洞察は促さない.
2.○ 正しい.
3.× 集団活動で役割を担わせると,症状が増悪するため不適切である.
4.× 自己中心的な依存に対して,心理的距離を保つ.
5.○ 正しい.


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