第7章 精神障害作業療法学 03)神経症性障害 ④ストレス関連障害

〈第55回 OT国試 午後46〉

心理的な外傷体験後の早期介入法として適切なのはどれか. 
1.デブリーフィング
2.心理的応急処置
3.集団精神療法
4.生活技能訓練
5.精神分析療法

解答

1.× 誤り.
2.○ PTSDに移行することを予防する為に,安心・安全の保障をして支持的な関わりをする.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第55回 OT国試 午後15〉

26歳の女性.通勤途中に2人が亡くなる交通事故を目撃した.数日後から睡眠障害,集中力の低下,現実感の変化などの症状が生じ,また,交通事故の起きた場所を避け,事故の夢を繰り返しみるようになった.これらの症状は3週後には消退した.考えられるのはどれか. 
1.解離性障害
2.強迫性障害
3.パニック障害
4.急性ストレス障害
5.PTSD〈外傷後ストレス障害〉

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ストレス反応が3週程度と一過性で治まっているので急性ストレス障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午前15〉

31歳の女性.2か月前に地元が大規模な災害に遭い,親が死亡したものの看護師として救助隊に加わり1か月活動した.通常の勤務に復帰後1週ころから不眠や中途覚醒が続くようになり,災害発生時の情景を夢で見るようになった.夫が様子を聞いても詳細を語ろうとせず,その後,自ら精神科を受診し外来作業療法が処方された.考えられる疾患はどれか. 
1.適応障害
2.パニック障害
3.全般性不安障害
4.急性ストレス障害
5.PTSD〈外傷後ストレス障害〉

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 大規模災害という著しく脅威的あるいは破壊的なストレスの多い出来事に見舞われて,2か月程経過後に精神症状が出現しているのでPTSDが考えられる.


〈第59回 OT国試 午後41〉

PTSDで誤っているのはどれか. 
1.アンヘドニアがみられる.
2.アルコール乱用の要因となる.
3.小さな物音に敏感に反応する.
4.外傷体験の直後は詳しく体験を語らせる.
5.フラッシュバックによる心的外傷の再体験がみられる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 外傷体験の直後に詳しく体験を語らせるのは避ける.
5.○ 正しい.


〈第54回 OT国試 午後47〉

PTSD(外傷後ストレス障害)に関する対応で適切なのはどれか. 
1.暴露療法は短期間に留める.
2.外傷体験の直後は詳しく体験を語らせる.
3.集団の中で体験を語り合うことは避ける.
4.心的外傷体験の一般的な心理反応を説明する.
5.心理的動揺がある程度収まってから心理的応急処置を実施する.

解答

1.× 暴露療法は少しずつ段階的に進める.
2.× 外傷体験直後に詳しく体験を語らせるのは避ける.
3.× 能動的に話せるようになったら,集団の中で体験を語り合うことも重要である.
4.○ 正しい.
5.× 外傷体験直後は,直ちに心理的応急処置を実施する.


〈第53回 OT国試 午後46〉

PTSD〈外傷後ストレス障害〉への作業療法場面での対応で適切なのはどれか. 
1.外傷体験後数か月以降は,その体験について触れないようにする.
2.外傷体験直後は,予防のためにその体験を詳しく話してもらう.
3.外傷体験後に起こる一般的な反応について患者に説明する.
4.外傷体験への馴れが生じないようにする.
5.治療は短期間で完結させる.

解答

1.× 能動的に話せるようになったら,体験について触れても良い.
2.× 外傷体験直後は,心理的応急処置を行う.
3.○ 正しい.
4.× 外傷体験への馴れは生じない.
5.× 治療期間は特に定めない.


〈第52回 OT国試 午前46〉

PTSD〈外傷後ストレス障害〉に関する支援方法として適切なのはどれか. 
1.体験に伴う認知の再構成を促す.
2.集団の中で体験を語ることを避けさせる.
3.トラウマ体験は想起させないようにする.
4.巧緻性を必要とする作業を用いて集中を促す.
5.フラッシュバックは短期間で治まる可能性が高いことを説明する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 能動的に話せるようになったら,集団の中で体験を語り合うことも重要である.
3.× 能動的に話せるようになったら,体験を想起しても良い.
4.× 精神的負荷の軽い作業を用いる.
5.× フラッシュバックは長期間持続する可能性が高いことを説明する.


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