第7章 精神障害作業療法学 03)神経症性障害 ③強迫性障害

〈第49回 OT国試 午後47〉

厳粛な場所で「バカヤロー」と叫んでしまわないか,繰り返し気にしている患者の病態はどれか. 
1.社会恐怖
2.広場恐怖
3.解離性障害
4.強迫性障害
5.身体化障害

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 厳粛な場所で「バカヤロー」と叫んでしまわないか,繰り返し気にしているので,強迫性障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第48回 OT国試 午前46〉

作業療法中に「隣の人に触れるのが汚い」と言い,プログラムを中断してしまった.この患者にみられる障害はどれか. 
1.解離性障害
2.強迫性障害
3.身体表現性障害
4.妄想性パーソナリティ障害
5.非社会性パーソナリティ障害

解答

1.× 誤り.
2.○ 「隣の人に触れるのが汚い」と訴えていることから,強迫性障害が考えられる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午後46〉

強迫性障害患者に認知行動療法を行う際,患者の確認行為に対して治療者が「確かめたい気持ちはそのままにしておきましょう」と声をかけた.この言葉かけの技法はどれか. 
1.強化
2.教示
3.モデリング
4.プロンプティング(促し)
5.エクスポージャー(曝露法)

解答

1.× 誤り.
2.○ 「確かめたい気持ちはそのままにしておきましょう」と対処法を教えて指示を出しているので,教示である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第55回 OT国試 午後47〉

強迫性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか. 
1.自由度の高い作業を提供する.
2.正確さを必要とする作業を提供する.
3.強迫行為が始まれば作業を中止させる.
4.強迫行為の原因についての洞察を促す.
5.作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 正確さを必要とする作業は強迫行為を増悪させるため不適切である.
3.× 強迫行為が始まっても可能な範囲で作業を継続させる.
4.× 患者は強迫行為が不合理であると理解しているので,原因についての洞察を促しても問題解決にならない.
5.× 作業工程の確認を作業療法士が代わりに行っても問題解決にならない.


〈第49回 OT国試 午前47〉

強迫性障害患者の作業療法で適切なのはどれか. 
1.自由度の高い作業を提供する.
2.正確さを必要とする作業を提供する.
3.強迫行為が始まれば作業を中止させる.
4.強迫行為の原因についての洞察を促す.
5.作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 正確さを必要とする作業は強迫行為を増悪させるため不適切である.
3.× 強迫行為が始まっても可能な範囲で作業を継続させる.
4.× 患者は強迫行為が不合理であると理解しているので,原因についての洞察を促しても問題解決にならない.
5.× 作業工程の確認を作業療法士が代わりに行っても問題解決にならない.


〈第53回 OT国試 午後16〉

26歳の女性.結婚後に転居したアパートが古く汚れが目立っていた.食事の後片付け,掃除および手洗いをいくらやっても汚れが落ちていないのではないかと不安を感じるようになった.これらに長時間を要するようになり,生活に支障が出始めたため,夫に勧められて精神科を受診した.作業療法での対応として適切なのはどれか. 
1.自由度の高いプログラムを提供する.
2.正確さを必要とする作業を提供する.
3.手洗い行為が始まれば作業を中止させる.
4.手洗い行為の原因についての自己洞察を促す.
5.作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 強迫性障害が疑われるので,正確さを必要とする作業は症状を増悪させるため不適切である.
3.× 強迫性障害が疑われるので,手洗い行為が始まっても可能な範囲で作業を継続させる.
4.× 強迫性障害が疑われるので,強迫行為が不合理であると理解しており,原因についての自己洞察を促しても問題解決にならない
5.× 作業工程の確認を作業療法士が代わりに行っても問題解決にならない.


〈第58回 OT国試 午前16〉

35歳の男性.強迫性障害.中学生のころから洗浄強迫と確認癖があり,高校へ進学したが不登校が続き退学した.アルバイトに短期間従事したことがあるが未就労である.症状悪化のため半年前から精神科病院に入院し,家庭復帰を目的として作業療法を開始した.作業療法開始2か月目に「完全な作品ができない」と訴え,症状が増悪してきた.作業療法士の対応として最も適切なのはどれか. 
1.作業種目を変更する.
2.作業療法を中止する.
3.訴えを聞き,経過をみる.
4.担当作業療法士を交代する.
5.できている部分に患者の注意を向ける.

解答

1.× 作業種目を変更しても問題解決にならない.
2.× 作業療法を中止しても問題解決にならない.
3.× 訴えを聞き,経過をみると強迫行為を増悪させるため不適切である.
4.× 担当作業療法士を交代しても問題解決にならない.
5.○ 正しい.


〈第57回 OT国試 午後15〉

24歳の女性.大学卒業後に事務職として勤務していたが,汚物が付着していないかと気になり,頻繁に手を洗い何度も確認するようになった.確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した.家族は本人の確認行為に応じていた.精神科を受診したところ強迫性障害と診断され,外来での作業療法が処方された.作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか. 
1.常に本人を監視するように伝える.
2.本人の再就職を促すように伝える.
3.家の中の消毒を徹底するように伝える.
4.病気の原因を本人と話し合うように伝える.
5.本人からの確認の要求に応じないように伝える.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 「保証の要求」,「強迫行為の代行」や「ルールの強要」などを周囲の人へ求めることがあるが,不合理性・非現実性を双方が理解し,ルールを決め(例えば保証の要求は一回のみとする)本人からの確認の要求に応じないように伝える.


〈第51回 OT国試 午後14〉

次の文により14,15の問いに答えよ.16歳の女子.6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった.1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり,自分でもおかしいと感じるようになった.母親が途中でやめさせると余計に不安になり,最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった.そのため父親が本人を説得して精神科を受診した.この患者が示す症状はどれか. 
1.心気妄想
2.強迫行為
3.常同行為
4.チック障害
5.精神運動興奮

解答

1.× 誤り.
2.○ 手洗いに1時間半以上かけ,自分でもおかしいと感じながらも途中でやめると不安になることから,強迫行為が考えられる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午後15〉

次の文により14,15の問いに答えよ.16歳の女子.6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった.1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり,自分でもおかしいと感じるようになった.母親が途中でやめさせると余計に不安になり,最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった.そのため父親が本人を説得して精神科を受診した.作業療法中にたびたび手洗いを続けている.対応として最も適切なのはどれか. 
1.手を汚す作業に参加を促す.
2.作業療法をしばらく中断する.
3.なぜ手洗いをしてしまうのか話し合う.
4.手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ.
5.手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉める.

解答

1.× 手を汚す作業に参加を促すと作業療法への参加が難しくなるため不適切である.
2.× 作業療法をしばらく中断しても問題解決にならない.
3.× 自分でもおかしいと感じているので,なぜ手洗いをしてしまうのか話し合っても問題解決にならない.
4.○ 正しい.
5.× やめさせようとすると反発して暴言を吐くので,手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉めるのは不適切である.


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