第7章 精神障害作業療法学 03)神経症性障害 ②不安・恐怖性障害

〈第50回 OT国試 午後46〉

パニック障害の患者に対する作業療法の目的で適切なのはどれか. 
1.病識の獲得
2.身辺処理能力の向上
3.対人交流技能の向上
4.不安対処能力の向上
5.現実感喪失からの回復

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ パニック障害に対してはリラクセーション方法,不安への対処能力,症状への対処方法などの獲得が重要である.
5.× 誤り.


〈第57回 OT国試 午前47〉

パニック障害に対する作業療法導入初期の作業療法士の対応で適切なのはどれか. 
1.リラクセーションを練習する.
2.集団作業療法で役割を持たせる.
3.作業活動を通して自己洞察を促す.
4.スポーツ活動で体力の向上を促す.
5.パニック発作の不安がある場合は作業療法を中止する.

解答

1.○ パニック障害に対する作業療法導入初期は,リラクセーション方法,不安への対処能力,症状への対処方法などの獲得が重要である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午前42〉

胸が締めつけられる感じ,死んでしまうのではないかという強い不安,動悸,息苦しさなどが突然起こると訴える患者に対する症状軽減を目的としたプログラムとして最も適切なのはどれか. 
1.SST
2.散歩
3.絵画
4.レクリエーション
5.リラクセーション

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ パニック障害に対してはリラクセーション方法,不安への対処能力,症状への対処方法などの獲得が重要である.


〈第56回 OT国試 午後18〉

23歳の男性.中学生の頃から対人緊張が強く,人前での食事で発汗や赤面,緊張が強まることがあった.大学進学後も実習の発表時に緊張が強く,動悸や発汗を苦にしていた.卒業後に病院で作業療法士として働いていたが,通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると,動悸,振戦,発汗が生じるようになった.車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない.考えられるのはどれか. 
1.解離性障害
2.強迫性障害
3.パニック障害
4.社交(社会)不安障害
5.PTSD 〈外傷後ストレス障害〉

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 人前での食事や同僚がバスに乗り込んだりといった対人・社交場面で自律神経症状を呈していることから,社交(社会)不安障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第55回 OT国試 午前15〉

24歳の女性.高校生のころ,授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり,それ以降,人前で発表することに恐怖感を抱くようになった.就職後,会議のたびに動悸や手の震え,発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」,「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった.最近になり「人の視線が怖い」,「会議に出席するのがつらい」と言うようになり,精神科を受診し外来作業療法が開始された.この患者の障害として適切なのはどれか. 
1.社交(社会)不安障害
2.全般性不安障害
3.パニック障害
4.強迫性障害
5.身体化障害

解答

1.○ 人前で発表することに恐怖感があり,動悸や手の震え,発汗が生じ,「人の視線が怖い」と訴えていることから,社交(社会)不安障害が考えられる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第54回 OT国試 午前15〉

32歳の男性.通勤途中に突然激しい動悸や息苦しさ,めまいとともに,このまま死んでしまうのではないかという強い不安に襲われた.これらの症状は数分で消失したが,その後もたびたび同様の状況に陥った.また同じような強い不安に襲われるのではないかという恐れから,列車や飛行機の1人での利用ができなくなっている.考えられるのはどれか.2つ選べ. 
1.適応障害
2.広場恐怖
3.社交恐怖
4.パニック障害
5.急性ストレス反応

解答

1.× 誤り.
2.○ 同じような強い不安に襲われるのではないかという恐れから,列車や飛行機などの公共機関が利用ができなくなっているので,広場恐怖症が考えられる.
3.× 誤り.
4.○ 突然激しい動悸や息苦しさ,めまいとともに,このまま死んでしまうのではないかという強い不安に襲われたことから,パニック障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第52回 OT国試 午前15〉

51歳の女性.パート勤務.職場で突然,動悸がして息苦しくなり口をパクパク開けて過呼吸となった.「出勤するとまた発作が起こりそうだ」と言って自宅に閉じこもっている.この患者の症状で考えられるのはどれか. 
1.適応障害
2.身体化障害
3.解離性昏迷
4.パニック障害
5.急性ストレス反応

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 突然動悸がして息苦しくなり過呼吸が出現し,「出勤するとまた発作が起こりそうだ」と自宅に閉じこもっていることから,パニック障害が考えられる.
5.× 誤り.


〈第58回 OT国試 午前15〉

19歳の女性.大学生.1か月前から通学途中の電車の中で突然,強い不快感を覚え,大量の汗をかき,呼吸困難となり,このままでは死んでしまうのではないかと恐怖心を抱くようになった.次第に電車に乗れなくなり,通学ができなくなった.母親と精神科クリニックを受診して,外来作業療法が処方された.この患者の発作時に予想される症状はどれか.2つ選べ. 
1.健忘
2.昏迷
3.振戦
4.せん妄
5.動悸

解答

1.× 健忘は解離性障害でみられる.
2.× 昏迷は解離性障害でみられる.
3.○ パニック障害がみられているので振戦が予想される症状である.
4.× せん妄は意識変容でみられる.
5.○ パニック障害がみられているので動悸が予想される症状である.


〈第57回 OT国試 午前15〉

21歳の男性.大学生.1年前から様々な場面で不安感が出現し,急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった.最近は特に理由もなく,いらいらして落ち着かず,窒息感や脱力感,抑うつ,吐き気がひどくなり,大学にも通えず日常生活にも支障が出るようになった.精神科クリニックを受診し,外来作業療法を受けることになった.この患者の作業療法場面でみられる特徴はどれか.2つ選べ. 
1.演技的行動
2.呼吸促拍
3.集中困難
4.常同行動
5.連合弛緩

解答

1.× 演技的行動は境界性パーソナリティ障害の症状である.
2.○ 呼吸促拍は不安障害(パニック障害)の症状である.
3.○ 集中困難は不安障害(パニック障害)の症状である.
4.× 常同行動は広汎性発達障害、自閉症や認知症の症状である.
5.× 連合弛緩は統合失調症の症状である.


〈第56回 OT国試 午後14〉

20歳の女性.高校卒業後,コンビニエンスストアの仕事についた.2年が経過した頃,人手不足もあり業務に追われる状態が続いた.次第に集中困難,頭が回らない感覚,不眠,動悸や呼吸困難感が現れ始め,休職するに至った.約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが,頭痛,めまいによる歩行のふらつき,不眠が出現し,たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった.その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し,外来作業療法が導入された.導入時の作業療法で最も適切なのはどれか. 
1.全身のストレッチ
2.高負荷の歩行訓練
3.ワークワンプル法による職業訓練
4.遂行機能に対する認知リハビリテーション
5.社会生活技能訓練(SST)による接客場面のロールプレイ

解答

1.○ 全般性不安障害に対する導入時の作業療法は,不安・緊張を軽減させるような介入が適切である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第59回 OT国試 午後18〉

23歳の男性.中学時代から引きこもりがあり,自宅では一人で工作やプラモデル作りをしていた.20歳時に通信制高校を卒業したが,就職せずに自閉的な生活を送っていた.睡眠障害で精神科を受診し,社交不安障害と診断された.薬物療法で外出可能な状態となり,外来作業療法が開始された.導入期の作業療法で最も適切なのはどれか. 
1.言語的交流が必要な作業を行う.
2.就職希望の職種の聴取を行う.
3.他者との共同製作作業を行う.
4.プラモデル製作を行う.
5.履歴書の書き方の学習会に参加する.

解答

1.× 社交不安障害の導入期の作業療法では言語的交流がなくとも可能な作業を行う.
2.× 社交不安障害の導入期の作業療法で就職希望の職種の聴取を行うのはまだ早い.
3.× 社交不安障害の導入期の作業療法で他者との共同製作作業を行うのはまだ早い.
4.○ 正しい.
5.× 社交不安障害の導入期の作業療法で履歴書の書き方の学習会に参加するのはまだ早い.


〈第49回 OT国試 午後17〉

次の文により17,18の問いに答えよ.28歳の女性.電車を待つホームで突然動悸が激しくなり,死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ,しゃがみこんでしまった.後日精神科を受診し,外来作業療法が開始された.この患者の疾患として適切なのはどれか. 
1.解離性障害
2.強迫性障害
3.パニック障害
4.注意欠陥/多動性障害
5.境界性パーソナリティ障害

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 突然動悸が激しくなり,死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われているので,パニック障害が考えられる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午後18〉

次の文により17,18の問いに答えよ.28歳の女性.電車を待つホームで突然動悸が激しくなり,死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ,しゃがみこんでしまった.後日精神科を受診し,外来作業療法が開始された.この患者への作業療法で適切でないのはどれか. 
1.内省を促す.
2.心理教育を取り入れる.
3.屋外でのプログラムを含める.
4.コラージュで自己表現を促す.
5.リラクセーションを指導する.

解答

1.× パニック障害には内省ではなく,自己表現の機会を促すことが重要である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第50回 OT国試 午後16〉

次の文により16,17の問いに答えよ.24歳の女性.高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり,それ以降,人前で発表することに恐怖感を抱くようになった.就職後,会議のたびに動悸や手の震え,発汗が生じるようになり,「変だと思われていないだろうか」,「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった.最近になり「人の視線が怖い」,「会議に出席するのがつらい」と言うようになり,精神科を受診し外来作業療法が開始された.この患者の障害として適切なのはどれか. 
1.社交(社会)不安障害
2.全般性不安障害
3.パニック障害
4.強迫性障害
5.身体化障害

解答

1.○ 特定の対象や状況に対して恐怖・不安を感じる.社会,特に対人的な場面で恐怖・不安を感じる
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第50回 OT国試 午後17〉

次の文により16,17の問いに答えよ.24歳の女性.高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり,それ以降,人前で発表することに恐怖感を抱くようになった.就職後,会議のたびに動悸や手の震え,発汗が生じるようになり,「変だと思われていないだろうか」,「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった.最近になり「人の視線が怖い」,「会議に出席するのがつらい」と言うようになり,精神科を受診し外来作業療法が開始された.この患者に対する作業療法士の初期の対応で適切なのはどれか. 
1.会議準備を十分行うよう助言する.
2.人前で発表する練習を取り入れる.
3.リラクセーションを指導する.
4.集団作業療法を基本とする.
5.体力の向上を促す.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 開始時は精神的緊張感の軽減を図ることが重要である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午前14〉

次の文により14,15の問いに答えよ.21歳の男性.大学入学後,クラスの中で強い緊張を感じ,身体のふるえや手掌の発汗が止まらなくなった.その後,自宅に引きこもるようになったため家族に伴われて精神科外来を受診した.この疾患の特徴はどれか. 
1.思春期に好発する.
2.回避傾向がみられる.
3.強迫行為が主症状である.
4.患者の大多数が男性である.
5.見知らぬ人と同席できない.

解答

1.× 誤り.
2.○ 強い緊張を感じ,身体のふるえや手掌の発汗が止まらないなどパニック発作が出現し,自宅に引きこもるようになっていることから回避傾向がみられる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午前15〉

次の文により14,15の問いに答えよ.21歳の男性.大学入学後,クラスの中で強い緊張を感じ,身体のふるえや手掌の発汗が止まらなくなった.その後,自宅に引きこもるようになったため家族に伴われて精神科外来を受診した.外来作業療法に通うことになった.この患者の作業療法で適切でないのはどれか. 
1.個室を利用する.
2.SSTを取り入れる.
3.生活リズムを整える.
4.自己評価の特徴を話し合う.
5.リラクセーションの練習をする.

解答

1.× 回避傾向がみられるので個室を利用するのは不適切である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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