第7章 精神障害作業療法学 02)気分障害(感情障害) ②うつ病 c.急性期

〈第56回 OT国試 午前42〉

うつ病患者に行った訓練を表に示す.あてはまる訓練法はどれか. 

1.コラム法
2.自己教示法
3.行動活性化法
4.ポジティブ日誌
5.アサーショントレーニング

解答

1.○ コラム法は,不安や恐怖などネガティブな感情に関連している認知(自動思考)の再構成に用いられる方法である.
2.× 自己教示法は遂行機能障害で用いられる.
3.× 行動活性化法は認知行動療法の手法の一つである.
4.× ポジティブ日記はうつ病患者に対するポジティブサイコロジー手法の一つである.
5.× アサーショントレーニングは自分と相手を尊重したコミュニケーション手法である.


〈第55回 OT国試 午後45〉

うつ病の治療で正しいのはどれか. 
1.電気けいれん療法は自殺の危険度が低いときに行う治療である.
2.回復を早めるため,気晴らしに旅行に出かけることを積極的に促す.
3.抗うつ薬使用開始後,数日経っても効果が出なければ速やかに薬剤を変更する.
4.患者の負担を減らすため,人生における重大な決定は速やかに行うよう指導する.
5.自殺予防のため,希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも行う必要がある.

解答

1.× 電気けいれん療法は自殺の危険度が高いときに行う治療である.
2.× 回復を早めるため,できる限り休養をとらせる.
3.× 抗うつ薬は十分な量を十分な期間投与する.
4.× 患者の負担を減らすため,人生における重大な決定は延期するよう指導する.
5.○ 正しい.


〈第51回 OT国試 午前46〉

うつ病の急性期における対応で正しいのはどれか. 
1.未解決の重要事項の処理を勧める.
2.うつ病の診断であることを説明する.
3.自殺のリスクがあるので自殺を話題にしない.
4.修正型電気けいれん療法〈m-ECT〉は禁忌である.
5.器質的疾患が原因の場合には抗うつ薬による治療を行わない.

解答

1.× 未解決の重要事項の処理を延期させる.
2.○ 正しい.
3.× 自殺のリスクがあるので自殺しないよう約束してもらう.
4.× 修正型電気けいれん療法は適応である.
5.× 器質的疾患が原因の場合であっても抗うつ薬による治療は行う.


〈第52回 OT国試 午前45〉

発病後間もないうつ病患者への対応で適切なのはどれか. 
1.気分転換になる活動を勧める.
2.自殺についての話題は避ける.
3.回復の可能性は高いことを強調する.
4.心構えに問題があることを説明する.
5.重大な決断は早く済ませるように促す.

解答

1.× できる限り休養することを勧める.
2.× 自殺しないよう約束してもらう.
3.○ 正しい.
4.× うつ病は病気であることを伝え,心構えの問題でないことを説明する.
5.× 重大な決断は延期するように促す.


〈第48回 OT国試 午後45〉

うつ病患者への対応で適切なのはどれか. 
1.「必ず回復します」
2.「職場を変えてみましょう」
3.「仕事はためずに早めにこなしましょう」
4.「自殺のことは考えないようにしましょう」
5.「あなたなしでは職場はうまくいきませんね」

解答

1.○ 正しい.
2.× 職場環境の改善を支援する.
3.× できる限り休養することを勧める.
4.× 自殺しないよう約束してもらう.
5.× できる限り休養することを勧める.


〈第47回 OT国試 午前47〉

うつ病の作業療法として適切なのはどれか. 
1.活発な言語的交流を促す.
2.作品を完成させるよう励ます.
3.自己判断が多い種目を選択する.
4.休憩を取りやすいよう配慮する.
5.病前の状態と比較しやすくする.

解答

1.× 活発な言語的交流はストレスとなるため負荷とならない程度に調整していく.
2.× 完璧を促すような励ましは禁忌である.
3.× 工程が明確に決まっている内容の種目を選択する.
4.○ 正しい.
5.× 病前の状態との比較はストレスとなるため不適切である.


〈第46回 OT国試 午前48〉

うつ状態の作業療法における留意点で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.生活に関連する活動を行う.
2.気分転換の方法を検討する.
3.社会適応のための耐性を高める.
4.病前に得意だったことを優先する.
5.他者との競争を作業に取り入れる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 社会適応のための耐性を高めるのはストレスとなるため不適切である.
4.× 以前と違ってできなくなっている自分と比較することになり不適切である.
5.× 非競争的な作業を取り入れる.


〈第50回 OT国試 午前45〉

うつ病患者の作業療法での留意点で適切なのはどれか. 
1.経験のある課題を選ぶ.
2.選択する課題を増やす.
3.自己決定場面を減らす.
4.規則的な参加を促す.
5.意欲を引き出す.

解答

1.× 未体験である課題を選ぶ.
2.× 選択する必要のない課題を増やす.
3.○ 正しい.
4.× 患者のペースに合わせて参加を促す.
5.× 意欲を支援していく.


〈第49回 OT国試 午前45〉

うつ病患者の作業療法の注意点について正しいのはどれか. 
1.長い工程を選ぶ.
2.積極的に努力を促す.
3.なじみの活動を選ぶ.
4.自発性意欲を支援する.
5.リーダー役を割り振る.

解答

1.× 短い工程を選ぶ.
2.× 努力を認めていく.
3.× 未経験の活動を選ぶ.
4.○ 正しい.
5.× リーダー役など責任感を負わせるのは不適切である.


〈第52回 OT国試 午後45〉

うつ病患者の作業療法で適切な作業活動はどれか. 
1.中断が容易なもの
2.疲労感を自覚しにくいもの
3.他者との優劣が分かりやすいもの
4.複雑で完成すると達成感が得られるもの
5.病前に到達していた水準と現在を比較できるもの

解答

1.○ 正しい.
2.× 疲労感を自覚しやすい作業活動を選ぶ.
3.× 他者との優劣が分かりにくい作業活動を選ぶ.
4.× 単純で達成感の得られる作業課題を選ぶ.
5.× 病前に到達していた水準と現在を比較できるものは症状を悪化させるため不適切である.


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