第7章 精神障害作業療法学 01)統合失調症 ⑥連番問題

〈第50回 OT国試 午前17〉

次の文により17,18の問いに答えよ.20歳の男性.統合失調症.専門学校に通っていたが,いじめをきっかけに引きこもる生活となった.次第に容姿を批判される幻聴が生じ,不穏興奮状態となって精神科に入院した.3週後,不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが,抑うつ気分の訴え,睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた.この患者の回復指標として適切なのはどれか. 
1.億劫さを訴える.
2.発語が減少する.
3.退屈感を訴える.
4.異常体験を訴える.
5.作業手順が混乱する.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 亜急性期から回復期前期の回復指標は,不安・焦燥感,疲労感,退屈感などの訴えである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第50回 OT国試 午前18〉

次の文により17,18の問いに答えよ.20歳の男性.統合失調症.専門学校に通っていたが,いじめをきっかけに引きこもる生活となった.次第に容姿を批判される幻聴が生じ,不穏興奮状態となって精神科に入院した.3週後,不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが,抑うつ気分の訴え,睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた.作業療法を開始してまもなく「学校に戻れるだろうか」と不安を訴えた.作業療法士の対応で適切なのはどれか. 
1.「勉強を取り入れていきましょう」
2.「生活リズムから整えていきましょう」
3.「スポーツで体力の向上を図りましょう」
4.「集団レクリエーションに参加してみましょう」
5.「SSTに参加して対人関係の練習をしてみましょう」

解答

1.× 誤り.
2.○ 亜急性期から回復期前期の対応は生活リズムの回復である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第48回 OT国試 午後13〉

次の文により13,14の問いに答えよ.17歳の女子.統合失調症.授業中に突然叫び声をあげ,教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた.両親が付き添い精神科病院に入院し,陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり,精神科ショートケアに紹介された.この時期の精神科ショートケア利用の目的はどれか. 
1.仲間づくり
2.居場所づくり
3.社会資源の利用
4.対人交流技能の改善
5.基本的生活リズムの回復

解答

1.× 仲間づくりは維持期の目的である.
2.× 居場所づくりは維持期の目的である.
3.× 社会資源の利用は維持期の目的である.
4.× 対人交流技能の改善は回復期後期の目的である.
5.○ 基本的生活リズムの回復は亜急性期から回復期前期の目的である.


〈第48回 OT国試 午後14〉

次の文により13,14の問いに答えよ.17歳の女子.統合失調症.授業中に突然叫び声をあげ,教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた.両親が付き添い精神科病院に入院し,陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり,精神科ショートケアに紹介された.通所2か月目から復学に向けた支援を開始した.適切でないのはどれか. 
1.心理教育に参加させる.
2.特別支援学校に転校させる.
3.再発防止プランを作成させる.
4.修業年限の延長を視野に入れた計画を立てる.
5.担当教師,家族および本人を交えたケア会議を開催する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 特別支援学校に転校させるのは適切でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第49回 OT国試 午後15〉

次の文により15,16の問いに答えよ.21歳の女性.統合失調症.大学に進学後1人暮らしをしていたが,4年生になっても就職先が決まらず,不眠と焦燥感が出現した.その後,他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め,アパートに閉じこもるようになった.母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった.外来受診を継続し1か月半が経過したところで,外来での作業療法が処方された.この患者の作業療法導入時の面接内容として優先すべき項目はどれか. 
1.悪口の内容を確認する.
2.家族に対する思いを尋ねる.
3.一日の過ごし方を確認する.
4.就職の不安について尋ねる.
5.興味のある授業について尋ねる.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 導入時の面接なので本人の生活上の困り事や希望,興味や関心事を優先する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午後16〉

次の文により15,16の問いに答えよ.21歳の女性.統合失調症.大学に進学後1人暮らしをしていたが,4年生になっても就職先が決まらず,不眠と焦燥感が出現した.その後,他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め,アパートに閉じこもるようになった.母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった.外来受診を継続し1か月半が経過したところで,外来での作業療法が処方された.この患者に対する作業療法計画の留意点として適切なのはどれか. 
1.復学の時期を決める.
2.職業適性を評価する.
3.集団活動の利用を重視する.
4.日常生活の行動目標を話し合う.
5.実施作業種目は作業療法士が選択する.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 亜急性期から回復期前期にあたるので日常生活の行動目標を話し合う.
5.× 誤り.


〈第46回 OT国試 午前16〉

次の文により16,17の問いに答えよ.19歳の男性.統合失調症.大学入学後,授業中に突然大声で叫ぶようになり,幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった.治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが,疲労感が強く半年間引きこもっていた.このため,復学を目標として外来作業療法が開始された.この時期の患者の状態はどれか. 
1.要安静期
2.亜急性期
3.回復期前期
4.回復期後期
5.社会内維持期

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 疲労感が強く半年間引きこもっているが外来での対応から回復期前期の状態と考えられる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第46回 OT国試 午前17〉

次の文により16,17の問いに答えよ.19歳の男性.統合失調症.大学入学後,授業中に突然大声で叫ぶようになり,幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった.治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが,疲労感が強く半年間引きこもっていた.このため,復学を目標として外来作業療法が開始された.この時期の作業療法の役割はどれか. 
1.休息援助
2.仲間づくり
3.余暇の利用
4.社会性の獲得
5.生活リズムの獲得

解答

1.× 休息援助は亜急性期の作業療法の役割である.
2.× 仲間づくりは維持期の作業療法の役割である.
3.× 余暇の利用は維持期の作業療法の役割である.
4.× 社会性の獲得は維持期の作業療法の役割である.
5.○ 生活リズムの獲得は亜急性期・回復期前期の作業療法の役割である.


〈第47回 OT国試 午後16〉

次の文により16,17の問いに答えよ.21歳の女性.統合失調症.大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した.入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され,入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった.しかし,眠気やだるさ,疲労感があり,一方で復学への焦りが強い.この時期の患者の回復状態はどれか. 
1.急性期
2.亜急性期
3.回復期前期
4.回復期後期
5.維持期

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 症状が落ち着き退院することが可能だが,眠気やだるさ,疲労感がみられることから回復期前期の状態と考えられる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午後17〉

次の文により16,17の問いに答えよ.21歳の女性.統合失調症.大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した.入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され,入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった.しかし,眠気やだるさ,疲労感があり,一方で復学への焦りが強い.この時期の作業療法士の対応で適切でないのはどれか. 
1.デイケアでの集団活動を促す.
2.自宅での過ごし方を指導する.
3.復学準備の開始時期を話し合う.
4.作業遂行の特徴を家族に伝える.
5.外来作業療法で支援を継続する.

解答

1.× デイケアでの集団活動を促すのは維持期の対応である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第48回 OT国試 午前17〉

次の文により17,18の問いに答えよ.32歳の女性.統合失調症.大学卒業後商社に勤務していた.28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり,このころから幻聴が出現した.定期的に受診し服薬を続けていたが,1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し,外来作業療法が処方された.作業療法の評価で優先するのはどれか. 
1.生活歴
2.基礎体力
3.金銭管理能力
4.対人関係能力
5.余暇の過ごし方

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 定期的に受診し服薬を続けているが悪口を言われているような幻聴が出現しているので対人関係能力の評価を優先する.
5.× 誤り.


〈第48回 OT国試 午前18〉

次の文により17,18の問いに答えよ.32歳の女性.統合失調症.大学卒業後商社に勤務していた.28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり,このころから幻聴が出現した.定期的に受診し服薬を続けていたが,1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し,外来作業療法が処方された.この患者の作業療法で優先するのはどれか. 
1.運動
2.調理訓練
3.通勤訓練
4.レザークラフト
5.セルフモニタリング

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 実際の社会・生活場面と精神症状との関係を認識するためにセルフモニタリングを優先する.


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