〈第56回 OT国試 午後11〉
71歳の女性.独居.臥床傾向となり,訪問作業療法が依頼された.畳の上に布団を敷いて就寝しており,床からの立ち上がりは台につかまり実施していた.セルフケアは時間がかかるが実施可能である.家事は簡単な炊事を行い,洗濯を時々行う程度であった.生活機能の拡大に向けて,作業療法士が行う指導で最も優先されるべきものはどれか.
1.ベッドを導入させる
2.運動習慣を確立させる
3.食料品の買い出しを促す
4.家事動作を積極的に実施させる
5.地域活動への参加を促進させる
解答
1.○ ベッドの導入により立ち上がりを容易にし,臥床傾向の解消が最優先である.
2.× 生活機能の拡大後に実施する.
3.× 生活機能の拡大後に実施する.
4.× 生活機能の拡大後に実施する.
5.× 生活機能の拡大後に実施する.
〈第49回 OT国試 午前37〉
転倒リスクのある高齢者に対する階段の環境整備について正しいのはどれか.
1.踏み面は柔らかい材質を用いる.
2.踏み面の奥行きは200mm以内とする.
3.手すりは大転子よりも低い位置にする.
4.段鼻と踏み面にコントラストをつける.
5.手すりの太さは直径20mm以内とする.
解答
1.× 階段の踏み面は滑りにくい材質を用いる.
2.× 階段の踏み面の奥行きは300mm以上とする.
3.× 階段の手すりは大転子よりも高い位置にする.
4.○ 正しい.
5.× 階段の手すりの太さは直径25~35mmとする.
〈第47回 OT国試 午前32〉
高齢者の住宅改造の際に設置する手すりについて正しいのはどれか.2つ選べ.
1.直径は50~55mmとする.
2.石膏ボードの壁には直接取り付けやすい.
3.階段では両端を延長して水平部分を作る.
4.廊下では床から600mmの高さに取り付ける.
5.壁面から手すりの端までは60mm以上空ける.
解答
1.× 手すりの直径は25~35mmとする.
2.× 石膏ボードの壁に手すりは直接取り付けにくい.
3.○ 正しい.
4.× 手すりは廊下では床から750~800mmの高さに取り付ける.
5.○ 正しい.
〈第44回 OT国試 午前75〉
高齢者の住宅改造で設置する手すりについて正しいのはどれか.
1.直径は50~55mmとする.
2.壁面から中心までは100mmとする.
3.石膏ボードの壁は直接取り付けやすい.
4.階段では両端を延長して水平部分を作る.
5.廊下では床から600mmの高さに取り付ける.
解答
1.× 手すりの直径は25~35mmとする.
2.× 壁面から手すり全体までは100mmを超えないように設置する.
3.× 石膏ボードの壁に手すりは直接取り付けにくい.
4.○ 正しい.
5.× 手すりは廊下では床から750~800mmの高さに取り付ける.
〈第53回 OT国試 午前12〉
80歳の男性.要介護2.妻と2人暮らし.上肢機能は保たれているが,下肢の支持性の低下がある.認知機能は保たれている.尿意はあり,日中は洋式トイレでズボンの上げ下ろしの介助を受けて排尿している.便失禁はないが,夜間の居室での排尿方法を検討している.「妻を起こさずに自分で排尿したい」との希望がある.排泄用具の写真(①~⑤)を示す.選択する排泄用具として適切なのはどれか.
1.①間欠式バルーンカテーテル
2.②差し込み式便器
3.③自動排泄処理装置(おむつ型)
4.④自動吸引式集尿器(手持ち型)
5.⑤ポータブルトイレ
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 尿意のある患者が妻の介助を必要とせずに自分で排尿可能な自動吸引式集尿器が適切である.
5.× 誤り.
〈第52回 OT国試 午後12〉
80歳の男性.体重70kg.介護者は腰痛のある70歳の妻で体重39kg.誤嚥性肺炎による1か月の入院後,下肢の廃用性の筋力低下をきたしている.端座位保持は可能であるが,立ち上がりは手すりを把持しても殿部が挙上できずに全介助である.立位は手すりを把持して保持できるが,足踏み動作は困難である.車椅子への移乗介助に使用する福祉用具の写真(①~⑤)を示す.妻の腰痛を助長しないことを優先して選択する用具として適切なのはどれか.
1.①スライディングボード
2.②突っ張り棒型縦手すり
3.③移乗用介助ベルト
4.④ベッド柵(移動バー)
5.⑤介助グローブ
解答
1.○ 妻の腰痛を助長しないことを優先すると患者を完全に持ち上げる必要がないスライディングボードが適切である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
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