第6章 内部障害作業療法学 07)摂食・嚥下障害 ④脳卒中嚥下障害

〈第41回 OT国試 午前49〉

脳卒中患者の摂食・嚥下障害で誤っているのはどれか. 
1.仮性球麻痺や球麻痺に伴いやすい.
2.急性期には高頻度にみられる.
3.食物は刺激の少ないぬるめの温度が基本となる.
4.体位の違いで誤嚥の危険性が変わる.
5.誤嚥を伴うと肺炎の危険性が高くなる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 食物は刺激のある冷ための温度が基本となる.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第50回 OT国試 午前36〉

Wallenberg症候群の嚥下障害への対応について誤っているのはどれか. 
1.病巣側への頸部回旋での直接訓練
2.頸部伸展位での直接訓練
3.Shaker(シャキア)法
4.Mendelsohn手技
5.バルーン拡張法

解答

1.○ 正しい.
2.× 頸部屈曲位での直接訓練
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第52回 OT国試 午前7〉

50歳の女性.左椎骨動脈解離によるWallenberg症候群で3週経過した.四肢に麻痺と高次脳機能障害はないが,摂食嚥下障害があり経鼻経管栄養が開始された.嚥下造影では咽頭収縮不良による左側咽頭通過障害を認め,唾液を常にティッシュで拭っている状態である.発熱はなく,呼吸状態は安定している.この患者への対応で正しいのはどれか. 
1.間接訓練は禁忌である.
2.頸部左回旋して嚥下する.
3.間欠的経管栄養の適応はない.
4.垂直座位で唾液の誤嚥を防ぐ.
5.頸部の筋力訓練は禁忌である.

解答

1.× 間接訓練は適応となる.
2.○ 正しい.
3.× 間欠的経管栄養の適応はある.
4.× リグライニング座位で唾液の誤嚥を防ぐ.
5.× 頸部の筋力訓練は適応となる.


〈第42回 OT国試 午前6〉

68歳の女性.右脳梗塞発症7日目.重度の左片麻痺を認めた.意識は清明.高次脳機能障害は認めない.3ccの水飲みテストで呼吸切迫がみられた.嚥下造影検査で,嚥下時に軽度の不顕性誤嚥と嚥下後の左咽頭残留を認めた.食事自立に向けた摂食・嚥下の直接訓練で正しいのはどれか. 
1.水から始める.
2.むせを誤嚥の指標とする.
3.座位姿勢は垂直座位で始める.
4.頭部を伸展位に保持する.
5.頸部を左回旋位とする.

解答

1.× ゼリーから始める.
2.× むせがない誤嚥もあるため指標とならない.
3.× 座位姿勢はリグライニング位で始める.
4.× 頭部を屈曲位に保持する.
5.○ 正しい.


〈第55回 OT国試 午前8〉

78歳の女性.右利き.脳梗塞による左片麻痺で入院中.Brunnstrom法ステージは上肢Ⅴ,手指Ⅵ,下肢Ⅴ.歯がなく,きざみ食をスプーンで全量自力摂取しているが,次から次へと食べ物を口に運ぶ.改訂水飲みテスト〈MWST〉は5点,反復唾液嚥下テスト〈RSST〉は4回/30秒であった.この患者への対応で正しいのはどれか. 
1.摂食嚥下に問題の無い患者の対面に座らせる.
2.食前に耳下腺マッサージを行う.
3.主菜・副菜にとろみをつける.
4.小さいスプーンを使用させる.
5.患者の左空間に皿を置く.

解答

1.× むせがないとは言えないので,患者を対面に座らせるのは避ける.
2.× 改訂水飲みテスト5点(正常4点以上),反復唾液嚥下テスト4回/30秒(正常3回以上)から嚥下機能は正常なので,食前に唾液分泌を促す必要はない.
3.× 改訂水飲みテスト5点(正常4点以上),反復唾液嚥下テスト4回/30秒(正常3回以上)から嚥下機能は正常なので,主菜・副菜にとろみをつける必要な無い.
4.○ 次から次へと食べ物を口に運ぶことからペーシング障害が考えられるので,小さなスプーンを使用する.
5.× 右利きで左片麻痺なので,患者の右空間に皿を置く.


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