〈第41回 OT国試 午前63〉
乳癌術後の合併症で誤っているのはどれか.
1.術直後からの肩関節運動は浸出液を増加させる.
2.術後は肩関節内旋が制限されやすい.
3.上腕内側の異常感覚を合併することが多い.
4.腋窩リンパ節廓清は肩関節拘縮の危険因子である.
5.リンパ浮腫は感染を契機に増悪しやすい.
解答
1.○ 正しい.
2.× 乳癌術後は肩関節屈曲・外転・外旋が制限されやすい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第54回 OT国試 午前35〉
乳癌患者のリハビリテーションで正しいのはどれか.
1.術後に倦怠感がある場合には運動療法は行わない.
2.患側肩関節可動域訓練は術後翌日から積極的に行う.
3.遠隔転移がある進行した病期の場合には運動療法は禁忌である.
4.術後放射線治療中に不安感を認める場合には運動療法は行わない.
5.術後放射線治療中の有酸素運動は貧血などの有害反応を軽減させる.
解答
1.× 術後に倦怠感がある場合には軽負荷の運動療法を行う.
2.× 患側肩関節可動域訓練はドレーン抜去後から積極的に行う.
3.× 遠隔転移がある進行した病期の場合にはリスク管理をしながら運動療法を行う.
4.× 術後放射線治療中に不安感を認める場合には,不安軽減に努めながら運動療法を行う.
5.○ 正しい.
〈第57回 OT国試 午後12〉
55歳の女性.乳癌.ステージⅣ.今回,両下肢の脱力を認めて受診した.腰椎と肋骨の多発病的骨折と診断された.L2以下の不全対麻痺を認め,放射線治療終了後に作業療法開始となった.ベッド上生活で食事以外には介助を要していた.Perfomance Statusは4である.患者は「足が動かないが,家族と暮らしたい」,家族は「できれば家につれて帰りたい」と希望した.この患者への作業療法について適切なのはどれか.
1.退院の時期を決定する.
2.下肢機能訓練は行わない.
3.福祉用具の適応を検討する.
4.現時点から積極的な離床を図る.
5.ADL訓練時にはコルセットは装着しない.
解答
1.× 退院の時期を決定するのは時期尚早である.
2.× 下肢機能訓練は実施する.
3.○ 環境調整で自宅生活が可能か福祉用具の適応を検討する.
4.× 現時点から積極的な離床は多発病的骨折を増悪させるため避ける.
5.× ADL訓練時にはコルセットを装着する.
〈第56回 OT国試 午前10〉
32歳の女性.右利き.診断名は右乳がん(ステージⅡ).右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった.夫と2歳の子どもと3人暮らし.職業は保育士.術前の右上肢機能は良好であり,セルフケアや家事動作は自立していた.術後作業療法について正しいのはどれか.
1.日光浴を勧める.
2.術側の上肢は固定する.
3.事務職への転職を勧める.
4.重量物を持たないように指導する.
5.3か月間物干し動作は行わないよう指導する.
解答
1.× 日光による炎症で皮膚障害が生じる場合があるので好ましくない.
2.× 術側の上肢固定は循環障害が生じやすく浮腫が悪化するので好ましくない.
3.× 現状では転職を勧める必要はない.
4.○ 正しい.
5.× 過負荷にならない程度の上肢挙上運動を含む家事動作は行ってもよい.
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