第6章 内部障害作業療法学 06)がんリハ ①がん

〈第53回 OT国試 午後36〉

骨転移を最も生じやすい悪性腫瘍はどれか. 
1.腎癌
2.乳癌
3.肝癌
4.膵臓癌
5.胆嚢癌

解答

1.× 誤り.
2.○ 骨転移を最も生じやすい悪性腫瘍は乳癌である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第51回 OT国試 午後8〉

70歳の男性.肺癌末期だが意識は清明で四肢筋力も保たれている.感覚障害や四肢の浮腫もない.最近徐々に嗄声が出現した.原因として最も考えられるのはどれか. 
1.反回神経麻痺
2.Raynaud現象
3.Pancoast腫瘍
4.上大静脈症候群
5.Lambert-Eaton症候群

解答

1.○ 肺癌が拡大し反回神経を圧迫したことで反回神経麻痺となり嗄声が出現したと考えられる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午後28〉

咽頭癌患者が頸部リンパ節郭清術後に麻痺をきたしやすいのはどれか. 
1.広背筋
2.僧帽筋
3.肩甲挙筋
4.前斜角筋
5.上腕二頭筋

解答

1.× 誤り.
2.○ 頸部リンパ節郭清術後は副神経の影響により僧帽筋に麻痺をきたしやすい.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第59回 OT国試 午後33〉

癌治療と合併症との組合せで正しいのはどれか. 
1.化学療法 ――― 末梢神経障害
2.頸部郭清術 ――― 顔面神経麻痺
3.前立腺腹腔鏡下全摘除術 ――― リンパ浮腫
4.乳房切除術 ――― 自律神経障害
5.放射線治療 ――― 唾液分泌過多

解答

1.○ 正しい.
2.× 頸部郭清術 ――― 副神経麻痺
3.× 前立腺腹腔鏡下全摘除術 ――― 尿失禁
4.× 乳房切除術 ――― リンパ浮腫
5.× 放射線治療 ――― 唾液分泌減少


〈第55回 OT国試 午前32〉

がん患者の疾患特異的評価で正しいのはどれか. 
1.AIMS
2.FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
3.GBSスケール
4.Hoffer分類
5.KPS 〈Karnofsky performance scale〉

解答

1.× AIMS(アルバータ乳幼児運動発達検査法)は運動発達検査である.
2.× FMA〈Fugl-Meyer assessment〉は片麻痺機能評価である.
3.× GBSスケールは認知症の評価である.
4.× Hoffer分類は二分脊椎の移動能力の分類である.
5.○ 正しい.


〈第50回 OT国試 午後37〉

がん患者の遺族が行うのはどれか. 
1.Assertion(アサーション)
2.Grief work(グリーフワーク)
3.Validation(バリデーション)
4.Living will(リビングウィル)
5.Narrative approach(ナラティブアプローチ)

解答

1.× Assertionとはよりよい人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルである.
2.○ Grief workとは身近な人と死別して悲嘆に暮れる人がたどる心のプロセスである.
3.× Validationとは共感することを基本に一般の人に理解できない行動なども全て受容しコミュニケーションをとろうとすることである.
4.× Living willとは自分で意思を決定・表明できない状態になったときに受ける医療についてあらかじめ要望を明記しておく文書のことである.
5.× Narrative approachとは相手の語る「物語」を通してその人らしい解決法を見出していくアプローチ方法である.


〈第59回 OT国試 午前44〉

終末期がん患者が死を迎える際に経験する5段階の心理過程で,第3段階にあたるのはどれか. 
1.怒り
2.受容
3.否認
4.抑うつ
5.取り引き

解答

1.× 怒りはKübler-Ross,E.の死の受容過程の第2段階にあたる.
2.× 受容はKübler-Ross,E.の死の受容過程の第5段階にあたる.
3.× 否認はKübler-Ross,E.の死の受容過程の第1段階にあたる.
4.× 抑うつはKübler-Ross,E.の死の受容過程の第4段階にあたる.
5.○ 正しい.


〈第57回 OT国試 午後36〉

がんのリハビリテーションの緩和期の対応で正しいのはどれか. 
1.余命延長が目的である.
2.骨転移があれば安静臥床とする.
3.鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する.
4.余命3か月未満と診断された後開始する.
5.PS(Performance Status)4では運動中止とする.

解答

1.× ADL・QOLの延長が目的である.
2.× 骨転移があっても可能な限り離床を進める.
3.○ 正しい.
4.× 余命診断前から開始する.
5.× PS4であっても可能な範囲で運動を行う.


〈第55回 OT国試 午後37〉

悪性腫瘍の緩和ケア主体の時期のリハビリテーションで正しいのはどれか. 
1.呼吸困難の軽減は得られない.
2.運動療法をすることで心理面が改善する.
3.運動療法をすることで倦怠感は改善しない.
4.疼痛緩和にマッサージは長期的効果がある.
5.運動療法をすることで疼痛の改善は得られない.

解答

1.× 呼吸困難の軽減を得られる.
2.○ 正しい.
3.× 運動療法をすることで倦怠感は改善する.
4.× 疼痛緩和にマッサージは短期的効果がある.
5.× 運動療法をすることで疼痛の改善が得られる.


〈第46回 OT国試 午前36〉

がん患者に対する作業療法で適切なのはどれか. 
1.疼痛ケアを優先する.
2.手術前には開始しない.
3.余命3か月で終了とする.
4.化学療法実施時は中止する.
5.骨転移があれば安静とする.

解答

1.○ 正しい.
2.× 手術前でも作業療法を開始する.
3.× 余命に関わらず可能な範囲で作業療法を継続する.
4.× 化学療法実施時はリスク管理をしながら作業療法を行う.
5.× 骨転移があればリスク管理を行いながら作業療法を実施する.


〈第51回 OT国試 午前11〉

72歳の男性.肺癌の末期.意識障害はなく見当識良好で在宅生活を行っている.骨転移があり左肩と背部の疼痛を訴え,痛みのため歩行困難と食欲低下がある.まず行うべき対応はどれか. 
1.嚥下訓練
2.疼痛管理
3.肩のROM訓練
4.経管栄養の開始
5.下肢筋力強化訓練

解答

1.× 誤り.
2.○ 痛みのため歩行困難と食欲低下があるので疼痛管理が最優先となる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


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