〈第56回 OT国試 午前46〉
注意欠如・多動性障害について正しいのはどれか.
1.女性に多い.
2.低出生体重児の多くで発症する.
3.感情における衝動性の高さは改善しやすい.
4.約9割の患者は成人期早期までに寛解する.
5.青年期以降は運動性多動の症状は目立たなくなる.
解答
1.× 注意欠如・多動性障害は男児に多い.
2.× 注意欠如・多動性障害に出生時体重は関係ない.
3.× 注意欠如・多動性障害では,成人期以降も注意障害や衝動性が持続することが多い.
4.× 注意欠如・多動性障害では,成人期以降も注意障害や衝動性が持続することが多い.
5.○ 正しい.
〈第46回 OT国試 午後45〉
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.女児に多い.
2.気が散りやすい.
3.会話時に視線を合わせない.
4.順番を待つことができない.
5.症状は小学校に入学してから現れることが多い.
解答
1.× 注意欠陥多動性障害は男児に多い.
2.○ 正しい.
3.× 会話時に視線を合わせないのは自閉症である.
4.○ 正しい.
5.× 注意欠如多動性障害の症状は通常12歳以前の発症が多い.
〈第45回 OT国試 午前48〉
注意欠陥多動性障害の特徴でないのはどれか.
1.男児に多い.
2.虐待の誘因となる.
3.感情的で攻撃的になる.
4.学業不振が問題となる.
5.注意障害は学童期までに改善する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 注意欠陥多動性障害の注意障害は成人まで継続する.
〈第56回 OT国試 午前19〉
22歳の男性.職場でケアレスミスがあまりにも多いため,産業医の勧めで精神科を受診した.母親の話によると,幼少時から落ち着きがなく,小学校の担任から「人の話を聞いていない」,「順番を守れない」,「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり,大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった.この患者に薬物療法を行う場合,最も適切と思われる向精神薬はどれか.
1.気分安定薬
2.抗うつ薬
3.抗精神病薬
4.抗不安薬
5.精神刺激薬
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 注意欠如・多動性障害が疑われるため,メチルフェニデートなどの精神刺激薬が適切である.
〈第43回 OT国試 午前93〉
注意欠陥/多動性障害(ADHD)の特徴はどれか.2つ選べ.
1.模倣遊びができない.
2.常同的な行動を繰り返す.
3.長い間座っていられない.
4.課題を順序立てるのが難しい.
5.アイコンタクトがみられない.
解答
1.× 模倣遊びができないのは自閉症である.
2.× 常同的な行動を繰り返すのは自閉症である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 誤り.
〈第59回 OT国試 午後42〉
小学校高学年の注意欠如・多動性障害で高頻度にみられる症状はどれか.
1.ケアレスミスが多い.
2.自分の氏名が書けない.
3.自ら同級生との接触を避ける.
4.家庭では普通に話すが学校では発語が乏しい.
5.忘れ物がないか気になり何度も確認してしまう.
解答
1.○ 正しい.
2.× 自分の氏名が書けないのは知的障害である.
3.× 自ら同級生との接触を避けるのは社交恐怖である.
4.× 家庭では普通に話すが学校では発語が乏しいのは選択性緘黙である.
5.× 忘れ物がないか気になり何度も確認してしまうのは強迫性障害である.
〈第41回 OT国試 午前96〉
多動性障害児(注意欠陥多動性障害)で作業時によくみられるのはどれか.
1.順番が待てない.
2.同じ行動を繰り返す.
3.視線を合わせない.
4.オウム返しの返答をする.
5.他人のまねをする.
解答
1.○ 正しい.
2.× 同じ行動を繰り返すのは自閉症である.
3.× 視線を合わせないのは自閉症である.
4.× オウム返しの返答をするのは知的障害や自閉症である.
5.× 他人のまねをするのは注意欠陥多動性障害の特徴でない.
〈第47回 OT国試 午後42〉
注意欠陥/多動性障害患者の作業遂行の特徴で正しいのはどれか.
1.作品の完成度が高い.
2.何度も説明を求める.
3.整理整頓が得意である.
4.時間を守ることに執着する.
5.興味があることに集中する.
解答
1.× 注意欠陥/多動性障害患者は作品の完成度が低い.
2.× 何度も説明を求めるのは自閉症である.
3.× 注意欠陥/多動性障害患者は整理整頓が苦手である.
4.× 時間を守ることに執着するのは自閉症である.
5.○ 注意欠陥/多動性障害患者は興味があることに集中する面も持ち合わせている.
〈第42回 OT国試 午前93〉
6歳の男児が作業療法室に入室後,落ち着きがなく動き回り,落ち着いたかと思うといきなり遊具や道具を床に叩きつけたりする.このような行動はどれか.2つ選べ.
1.常同性
2.多動性
3.自動性
4.衝動性
5.強迫性
解答
1.× 誤り.
2.○ 落ち着きがなく動き回るのは多動性である.
3.× 誤り.
4.○ いきなり遊具や道具を床に叩きつけたりするのは衝動性である.
5.× 誤り.
〈第51回 OT国試 午前47〉
作業療法導入時の注意欠如・多動性障害の患者に対する配慮として正しいのはどれか.
1.ルールや禁止事項を数多く設ける.
2.他者と共同で行う作業を提供する.
3.失敗体験を基にした動機づけを図る.
4.不適応反応時の落ち着ける場所を確保する.
5.周囲からの刺激を受けやすい環境を設定する.
解答
1.× ルールや禁止事項をなるべく少なく設定する.
2.× 他者と共同で行う必要のない作業を提供する.
3.× 成功体験を基にした動機づけを図る.
4.○ 正しい.
5.× 周囲からの刺激を受けにくい環境を設定する.
〈第54回 OT国試 午後46〉
注意欠如・多動性障害の患者の就労に関して適切な助言はどれか.
1.優先順位にこだわらないようにする.
2.多彩なやり方で物事を行うようにする.
3.周囲の人に配慮を求めないようにする.
4.自分だけの時間や場所を作るようにする.
5.便利なハイテク機器などは利用しないようにする.
解答
1.× 優先順位指示する.
2.× 決まったやり方で物事を行うようにする.
3.× 周囲の人に配慮を求めようにする.
4.○ 正しい.
5.× 便利なハイテク機器なども利用していく.
〈第57回 OT国試 午前19〉
7歳の男児.幼児期から落ち着きがなく,一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった.小学校入学後,長時間椅子に座れない,順番を待てない,注意散漫などの問題行動があり,外来作業療法を受けることになった.作業療法では,次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが,協調動作が必要な作業は苦手である.知能検査では知的障害は認められなかった.作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか.
1.複数の課題を同時に提示する.
2.順番が守れない場合は厳しく注意する.
3.周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める.
4.数週間継続して取り組める連続課題を実施する.
5.作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく.
解答
1.× 注意散漫なので複数課題の同時提示は適切でない.
2.× 厳しい叱責をしてしまうと衝動性がみられるため適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 次第に活動に継続して取り組めるようになってきた段階なので,数週間継続して取り組める連続課題は適切でない.
5.× 注意散漫なので作業台の上には必要に応じて道具や材料を準備する.
〈第52回 OT国試 午前19〉
7歳の男児.幼児期から落ち着きがなく,他の子供から遊具を取り上げる,列に並べない,座って待てないことが多かった.小学校入学後も,周囲の生徒の文房具を勝手に使う,課題に集中せず席を離れるなどが頻繁にみられていた.自宅でも落ち着きがなく,母親が注意すると興奮する状況であった.この男児について作業療法士が担当教員から相談を受けることになった.担当教員への助言内容として適切なのはどれか.
1.注意・叱責は強く行う.
2.男児の席を教室の中心に設ける.
3.望ましい行動が生じたら直ちに褒める.
4.不得意なことは時間を要しても習得を目指す.
5.集団生活に必要なルールを本人に詳しく説明する.
解答
1.× 注意すると興奮する状況のため注意・叱責は強く行わないよう助言する.
2.× 課題に集中せず席を離れるなどが頻繁にみられるため男児の席を周りの刺激の入りにくい教室の一番前に設けるよう助言する.
3.○ 正しい.
4.× 課題に集中せず席を離れるなどが頻繁にみられるため得意なことから延ばしてできることを増やすよう助言する.
5.× 集団生活に必要なルールを簡潔に箇条書きで紙に書いて掲示するよう助言する.
〈第56回 OT国試 午後19〉
8歳の男児.幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず,家族で外出した際にはよく迷子になり,両親も療育に困難を感じていた.小学校に入学してからは,授業中に勝手に席を立って歩き出したり,順番を守ることも難しく,日常的に忘れ物や落とし物も多く,うっかりミスをして教師に注意されるが,その後も同じミスを繰り返していた.授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず,最近では学業不振が目立ち始めたため放課後デイサービスで作業療法士が対応することになった.作業療法士の対応として適切でないのはどれか.
1.感覚統合療法を実施する.
2.ペアレントトレーニングを実施する.
3.社会生活技能訓練 〈SST〉を実施する.
4.学校を訪問して授業の様子を観察する.
5.担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 行動修正をより促してしまうと,自信喪失や自尊心の低下につながるので適切でない.
〈第54回 OT国試 午前19〉
9歳の男児.注意欠如・多動性障害.放課後デイサービスに通所している.鼻歌を唄ったり足を動かしたりとじっとしていることが苦手で,勉強の時間に立ち歩いたり他児にちょっかいを出したりすることでトラブルになった.指導員から注意されると感情的になり,暴れる行動が頻回にみられた.教科書や提出物の忘れ物も多い.この児に対する治療的な対応で適切なのはどれか.
1.トラブルの原因を考えさせる.
2.運動を取り入れて体を動かす.
3.他児との交流は最小限に留める.
4.じっとしておく取り決めをする.
5.感情的になっても介入しないでおく.
解答
1.× 9歳児のためトラブルの原因を考えさせるのは難しい.
2.○ 正しい.
3.× 他児との交流はトラブルとならないように配慮する.
4.× 9歳児なのでじっとしておく取り決めをするのは難しい.
5.× 感情的になったら介入する.
〈第58回 OT国試 午後18〉
8歳の女児.部屋の整理整頓が苦手で物をよくなくす.学校では忘れ物が多く,授業中もじっと座っていることができない.同級生に対しておせっかいであり,余計な一言が多く,けんかが絶えない.学級担任の勧めで,両親に付き添われ精神科を受診し,外来作業療法が開始された.この児に予想される作業療法中の行動の特徴はどれか.
1.過呼吸を起こす.
2.活動性に日内変動がある.
3.順番を待てない.
4.長時間手洗いを行う.
5.頻回にまばたきをする.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 忘れ物が多く,じっと座っていることができないことから注意欠如・多動性障害が疑われるので順番を待てない.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第50回 OT国試 午前19〉
次の文により19,20の問いに答えよ.10歳の男児.学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく,隣の子に一方的に話しかける,落書きをする,忘れ物をするなどでよく注意を受けていた.片付けも苦手で自室は乱雑であった.心配した母親と共に精神科を受診し,外来作業療法が開始された.この男児に予測される作業療法での様子はどれか.
1.同じ動作を繰り返す.
2.根拠のない自信を示す.
3.道具をしばしばなくす.
4.詳細を作業療法士に確認する.
5.手順にこだわって作業する.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ よく忘れ物をしたり片付けも苦手であるため道具をしばしばなくす.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第50回 OT国試 午前20〉
次の文により19,20の問いに答えよ.10歳の男児.学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく,隣の子に一方的に話しかける,落書きをする,忘れ物をするなどでよく注意を受けていた.片付けも苦手で自室は乱雑であった.心配した母親と共に精神科を受診し,外来作業療法が開始された.この男児に対する作業療法での対応で適切なのはどれか.
1.小集団活動に導入する.
2.強い口調で指示を伝える.
3.ほめずに見守りを重視する.
4.作業手順を詳細に説明する.
5.問題行動には触れずにおく.
解答
1.○ 正しい.
2.× 強い口調で指示を伝えると衝動性がみられるため適切でない.
3.× ほめることを重視する.
4.× 作業手順を簡潔に箇条書きに書き留めて説明する.
5.× 問題行動に対しては都度指摘する.
〈第57回 OT国試 午後19〉
22歳の男性.注意欠如・多動性障害.大学卒業後に営業職に就いた.顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き,上司が度々指導をしても改善しなかった.子供のころから不注意傾向があり,母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という.その後も失敗が続いて自信を喪失し,1週前から欠勤し精神科の受診に至った.入院となり作業療法が処方された.この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか.
1.仕事に適性がないと伝えて転職を勧める.
2.休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える.
3.母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる.
4.上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する.
5.職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める.
解答
1.× 誤り.
2.○ 失敗続きで自信を喪失し欠勤しているため休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第51回 OT国試 午後19〉
32歳の女性.幼いころから落ち着きがなく,忘れ物も多かった.大学卒業後,医療事務の仕事に就いたが,仕事が忙しくなるとミスが多くなり,同僚にかんしゃくを起こすなど感情が不安定となった.仕事を休むことも多くなったため,職場の上司に勧められ,精神科を受診し,入院となった.2週後,情緒的に落ち着いたところで作業療法が開始された.この患者の作業療法で予測される行動はどれか.
1.読書に没頭する.
2.他者との接触を避ける.
3.他者の作業種目に目移りする.
4.物を置いた場所を何度も確認する.
5.自分の作品の出来栄えに固執する.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 幼いころから落ち着きがなく忘れ物も多かったことから注意欠如・多動性障害が疑われるため他者の作業種目に目移りする可能性がある.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第55回 OT国試 午前20〉
32歳の女性.8歳の娘が担任の先生の勧めで1週前に精神科を受診し,注意欠如・多動性障害と診断を受けた.放課後等デイサービスを利用することになり,作業療法士がこの女性と面接したところ「集中力が続かないし,物忘れもひどかったけど,まさか自分の子どもが障害児なんて思っておらずいつも叱っていた.お友達ともうまくいっていない状況が続いており,とても心配していた.これからどうしたら良いでしょうか」と話す.この時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか.
1.娘への不適切な対応を指摘する.
2.障害の特徴について解説する.
3.他の障害児の親に会わせる.
4.障害は改善すると伝える.
5.不安を受け止める.
解答
1.× 初期面接の段階ではまず受容し,次の段階で娘への適切な行動を説明する.
2.× 初期面接の段階ではまず受容し,次の段階で障害の特徴を説明する.
3.× 初期面接の段階ではまず受容し,次の段階で親の会などの参加を促す.
4.× 初期面接の段階ではまず受容し,次の段階で障害の改善について説明する.
5.○ 正しい.
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