第5章 発達障害作業療法学 08)広汎性発達障害 ③Asperger症候群

〈第44回 OT国試 午前97〉

Asperger症候群の特徴はどれか. 
1.他人と楽しみを共有できない.
2.何事にも興味を示さない.
3.知的発達の遅れを伴う.
4.特定の文字が読めない.
5.同じ動作を繰り返す.

解答

1.○ 正しい.
2.× Asperger症候群は特定のもにに興味を示す.
3.× Asperger症候群は知的発達の遅れを伴わない.
4.× Asperger症候群は言語や認知の発達に遅れを示さないので文字は読める.
5.× Asperger症候群は同じ行動を繰り返す.


〈第43回 OT国試 午前94〉

Asperger(アスペルガー)症候群の特徴はどれか.2つ選べ. 
1.特定の作業へのこだわり
2.情緒的な相互性の欠如
3.言葉の発達の遅れ
4.巧緻性の発達の遅れ
5.周囲への無関心

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× Asperger症候群は言葉の発達の遅れを伴わない.
4.× Asperger症候群は巧緻性の発達の遅れを伴わない.
5.× Asperger症候群は周囲に無関心ではない.


〈第50回 OT国試 午後48〉

Asperger症候群患者の作業療法にみられる特徴はどれか. 
1.コミュニケーションが得意である.
2.流動的状況を好む.
3.独自の手順がある.
4.曖昧条件を好む.
5.臨機応変である.

解答

1.× Asperger症候群はコミュニケーションが苦手である.
2.× Asperger症候群は流動的状況が苦手である.
3.○ 正しい.
4.× Asperger症候群は曖昧条件が苦手である.
5.× Asperger症候群は臨機応変さに欠ける.


〈第49回 OT国試 午前49〉

高機能広汎性発達障害の作業療法でよくみられる特徴はどれか. 
1.臨機応変
2.感情共有
3.比喩的表現
4.常同的行為
5.非言語的コミュニケーション

解答

1.× 高機能広汎性発達障害は臨機応変さが苦手である.
2.× 高機能広汎性発達障害は感情共有が苦手である.
3.× 高機能広汎性発達障害は比喩的表現が苦手である.
4.○ 正しい.
5.× 高機能広汎性発達障害は非言語的コミュニケーションが苦手である.


〈第49回 OT国試 午後48〉

高機能広汎性発達障害患者の導入時の作業療法で重要なのはどれか. 
1.自主性
2.具体性
3.集団活動
4.言語説明
5.刺激の加増

解答

1.× 誤り.
2.○ 理解しやすい具体的な説明などが必要である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午前16〉

次の文により16,17の問いに答えよ.13歳の男子.幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた.小学校に入ると,しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり,級友からいじめられるようになった.最近,級友の話し声に過敏に反応したり,家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった.この患者の診断として考えられるのはどれか. 
1.自閉症
2.統合失調症
3.Rett症候群
4.Asperger症候群
5.注意欠陥/多動性障害

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 小学校に入ってから常同性や協調性の障害がみられるようになったのでAsperger症候群が疑われる.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午前17〉

次の文により16,17の問いに答えよ.13歳の男子.幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた.小学校に入ると,しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり,級友からいじめられるようになった.最近,級友の話し声に過敏に反応したり,家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった.この患者に対する作業療法実施時の声かけとして適切なのはどれか. 
1.「この作業をしてみたいですか」
2.「休みは適当にとってください」
3.「周囲の人に配慮して行動してください」
4.「その作業の難しい点はどの辺りですか」
5.「私の話す説明をよく覚えて作業に取り掛かってください」

解答

1.○ 本人の興味のあるものを導入する.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第42回 OT国試 午前38〉

次の文により問題38,問題39に答えよ.16歳の男子.高機能広汎性発達障害.友人との交流は少ないが,学校では大きな問題もなく普通高校に進学した.高校1年の夏休み後から登校できなくなり,思春期外来を受診した.通院しながら外来作業療法を実施することになった.開始時の作業で適切でないのはどれか. 
1.単純なもの
2.短時間で完成できるもの
3.本人の興味があるもの
4.他者と共同で行うもの
5.粗大動作が多いもの

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 他者と共同で行うものは高機能広汎性発達障害にとって苦手であるので適切でない.
5.○ 正しい.


〈第42回 OT国試 午前39〉

次の文により問題38,問題39に答えよ.16歳の男子.高機能広汎性発達障害.友人との交流は少ないが,学校では大きな問題もなく普通高校に進学した.高校1年の夏休み後から登校できなくなり,思春期外来を受診した.通院しながら外来作業療法を実施することになった.半年後,この患者は面接で「学校には戻りたくない」と希望を述べた.対応で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.学校に戻りたくない理由を説明させる.
2.学校に戻る手助けをすることを伝える.
3.転校を勧める.
4.学校の支援体制について確認する.
5.家族の希望を聞く.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ まずどこまで環境調整が可能か学校の支援体制について確認する.
5.○ 子どもの考えだけでなく家族の希望を聞き対応方針を考える.


〈第46回 OT国試 午後17〉

19歳の男性.Asperger症候群.普通高校を中位の成績で卒業し,就職したが,指示どおりに仕事ができない,しつこく同じ話を繰り返して同僚を怒らせるなどの対人トラブルが絶えず解雇され,職を転々としている.作業療法で工夫する点はどれか. 
1.表現活動を促す.
2.競争的作業を取り入れる.
3.集団のリーダー役を担わせる.
4.説明を箇条書きにして手渡す.
5.興味のあることを自由にしてもらう.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ Asperger症候群のため説明を箇条書きにして手渡し作業活動を行う.
5.× 誤り.


〈第53回 OT国試 午後18〉

20歳の男性.幼少期は一人遊びが多かった.小学校から高校までは成績は概ね良かったものの,正論的発言が多い,融通が利かないなどによって集団になじめず,いじめを受けることも多かった.大学に入ると,講義科目は問題ないが,演習科目のグループワークで相手に配慮した発言がうまくできず,メンバーから避けられることが多くなった.大学2年生になると,過去のいじめ体験を思い出してパニックになることが増え,自宅の自室に引きこもる状態となったため,母親に連れられて精神科を受診し,外来で作業療法が開始された.この患者の作業療法で適切でないのはどれか. 
1.ルールや取り決めを明示しておく.
2.興味や関心のある活動を導入する.
3.作業手順を言葉で細かく伝える.
4.心理教育プログラムを行う.
5.パラレルな場を用いる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× Asperger症候群が疑われるので作業手順を簡潔に箇条書きで紙に書いて渡す.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第48回 OT国試 午後19〉

次の文により19,20の問いに答えよ.26歳の男性.Asperger症候群.小学校でいじめに遭い,以後,学校では友人はほとんどできなかった.大学卒業後,建築関連の会社に就職したが,同僚からは「融通がきかない,人の気持ちを逆なでする」などと責められることが多く,ストレスから徐々に抑うつ気分が強くなった.欠勤が続いたため,上司が精神科クリニックを紹介し,復職を目標にデイケアに通うことになった.この患者にみられやすい特徴はどれか. 
1.運動が得意である.
2.興味・関心の幅が広い.
3.予定が変わると混乱する.
4.相手の気持ちに敏感である.
5.決められたルールを守れない.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 融通がきかないなど固執性がみられるので予定が変わると混乱する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第48回 OT国試 午後20〉

次の文により19,20の問いに答えよ.26歳の男性.Asperger症候群.小学校でいじめに遭い,以後,学校では友人はほとんどできなかった.大学卒業後,建築関連の会社に就職したが,同僚からは「融通がきかない,人の気持ちを逆なでする」などと責められることが多く,ストレスから徐々に抑うつ気分が強くなった.欠勤が続いたため,上司が精神科クリニックを紹介し,復職を目標にデイケアに通うことになった.デイケアで行う支援で適切なのはどれか. 
1.コミュニケーションのマナーについてマニュアルを作成する.
2.職場の同僚には障害のあることを伏せる.
3.ミーティングで自由な発言を促す.
4.就労支援事業所の利用を勧める.
5.多様な作業を経験させる.

解答

1.○ 社会性やコミュニケーションスキルを上げるためマニュアルなどを作成する.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第45回 OT国試 午前19〉

次の文により19,20の問いに答えよ.25歳の男性.幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが,固執性が強く友人との関係は保てなかった.製造業に就職し業務成績も良かったが,研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え,上司に伴われて精神科を受診した.考えられるのはどれか. 
1.自閉症
2.学習障害
3.Rett症候群
4.Asperger症候群
5.注意欠陥多動性障害

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 言語発達と学業成績は良好であるが固執性が強く友人との関係が保てなかったことからAsperger症候群が疑われる.
5.× 誤り.


〈第45回 OT国試 午前20〉

次の文により19,20の問いに答えよ.25歳の男性.幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが,固執性が強く友人との関係は保てなかった.製造業に就職し業務成績も良かったが,研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え,上司に伴われて精神科を受診した.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか. 
1.集中力を高める.
2.耐久性の向上を図る.
3.対人関係技能を高める.
4.複数の作業を同時に行う.
5.多くの感覚刺激を取り入れる.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 友人との関係は保てなかったことから対人関係技能を高める.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午前18〉

次の文により18,19の問いに答えよ.30歳の女性.大学卒業後就職したが,すぐに退職した.その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え,2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった.作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった.音に過敏に反応し,他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり,家族に当たり散らすようになった.通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため,外来作業療法を紹介された.この患者で考えられるのはどれか. 
1.注意欠陥/多動性障害
2.Asperger症候群
3.学習障害
4.行為障害
5.自閉症

解答

1.× 誤り.
2.○ 大学を卒業後対人トラブルを起こして何回も勤務先を変えていることからAsperger症候群が疑われる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午前19〉

次の文により18,19の問いに答えよ.30歳の女性.大学卒業後就職したが,すぐに退職した.その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え,2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった.作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった.音に過敏に反応し,他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり,家族に当たり散らすようになった.通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため,外来作業療法を紹介された.この患者に対する作業療法で優先するのはどれか. 
1.新しい体験
2.耐久性の訓練
3.基礎体力の維持
4.援助の求め方の練習
5.就労移行支援事業所復帰の促進

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 作業手順が分からなくても質問ができない様子がみられるため援助の求め方の練習が必要である.
5.× 誤り.


〈第50回 OT国試 午後20〉

25歳の男性.Asperger症候群.うつ病を合併していたが最近になり改善した.就労意欲が高まったため就労に向けた評価を実施することになった.この患者に実施する評価で適切でないのはどれか. 
1.SDS
2.HRS
3.PANSS
4.マイクロタワー法
5.VPI職業興味検査

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× PANSSは統合失調症の陽性・陰性症状評価尺度である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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