〈第46回 OT国試 午後44〉
小児自閉性障害(自閉症)の特徴で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.てんかんが約25%に合併する.
2.精神遅滞が約25%に合併する.
3.3歳までに発症することはない.
4.常同的で反復的な運動が目立つ.
5.発症率は女児が男児の2倍である.
解答
1.○ 正しい.
2.× 古典的な自閉症の約80%に精神遅滞が合併する.
3.× 自閉症は3歳以前に発症する.
4.○ 正しい.
5.× 自閉症の発症率は男児が女児の3~4倍である.
〈第56回 OT国試 午前43〉
広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)について正しいのはどれか.
1.聴覚過敏は稀である.
2.クレーン現象がみられる.
3.注意欠如・多動性障害は合併しない.
4.視覚情報より聴覚情報への注目の方が優位である.
5.4~5歳で「サリーとアン課題」ができるようになることが多い.
解答
1.× 広汎性発達障害は触覚過敏を伴う.
2.○ 広汎性発達障害は言語的コミュニケーションが苦手なため要求行動でクレーン現象がみられる.
3.× 広汎性発達障害は注意欠如・多動性障害や適応障害を合併しやすい.
4.× 広汎性発達障害は聴覚情報より視覚情報への注目の方が優位である.
5.× 広汎性発達障害は「サリーとアン課題」が困難である.
〈第58回 OT国試 午前43〉
自閉症スペクトラム障害にみられる行動の特徴として最も適切なのはどれか.
1.冗談が通じない.
2.ケアレスミスが多い.
3.話の途中で区切って読む.
4.突発的にまばたきを繰り返す.
5.家ではよく話すが学校では全く話さない.
解答
1.○ 自閉症スペクトラム障害ではコミュニケーションの障害により冗談が通じない行動の特徴がある.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第45回 OT国試 午後46〉
小児自閉症の特徴でないのはどれか.
1.限られた対象に執着する.
2.精神遅滞を合併しやすい.
3.対人関係の障害が目立つ.
4.反復行動がみられる.
5.女児に多い.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 自閉症は男児に多い.
〈第42回 OT国試 午前92〉
自閉症児にあてはまらないのはどれか.
1.同じ遊びを機械的に繰り返す.
2.玩具を決まった場所に片付ける.
3.ままごと遊びをする.
4.手をひらひらと動かす.
5.物を規則正しく並べ続ける.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 自閉症は相互社会的関係の障害があるためままごと遊びをしない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第48回 OT国試 午前49〉
1歳児の母親が「子供が視線を合わせてくれない」と訴えている.考えられる障害はどれか.
1.自閉症
2.てんかん
3.学習障害
4.Rett症候群
5.注意欠陥多動障害
解答
1.○ 1歳児が「視線を合わせ」をしないので自閉症が疑われる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第58回 OT国試 午後16〉
26歳の女性.幼少期は手がかからず,人見知りはなかった.小学校では友人とのおしゃべりが苦手で,一人で読書をすることを好んだ.中学校では,場の雰囲気に合わせて対応できず,孤立しがちで,一時不登校となった.成績は優秀で理系の大学院を修了後,大手企業に就職した.しかし,上司に接客態度を注意され,同僚とも馴染めず,1か月で退職した.急な退職を心配した両親に付き添われ精神科を受診した.この患者の生活歴から最も考えられるのはどれか.
1.うつ病
2.自閉症スペクトラム障害
3.双極性障害
4.統合失調症
5.パニック障害
解答
1.× 誤り.
2.○ 社会性の障害,コミュニケーションの障害といった特徴がみられているので自閉症スペクトラム障害が疑われる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第59回 OT国試 午前15〉
13歳の男児.中学校入学後クラスでの様子を心配した担任から母親に連絡があり,母親に伴われて精神科に来院した.幼少期から物音および匂いに敏感であったという.成績は上位.鉄道に強い興味があり,同級生はその知識にはじめは関心を示したが,一度話し始めると一方的に自分の興味のある話を続けるため,次第に孤立した.本人は他の生徒との関係に無頓着である.最も考えらえるのはどれか.
1.うつ病
2.限局性学習障害
3.行為障害
4.自閉症スペクトラム障害
5.選択性緘黙
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 知覚過敏や強いこだわり,コミュニケーションの障害といった特徴がみられているので自閉症スペクトラム障害が疑われる.
5.× 誤り.
〈第51回 OT国試 午後43〉
自閉性障害の子供の作業療法場面でみられる特徴はどれか.
1.新しい環境を好む.
2.同じ遊びに没頭する.
3.ままごと遊びをする.
4.身振りで意味を強調する.
5.周りの子供に関心をもつ.
解答
1.× 自閉症児は新しい環境が苦手である.
2.○ 正しい.
3.× 自閉症児はままごと遊びが難しい.
4.× 自閉症児はジェスチャーが難しい.
5.× 自閉症児は周りの人にあまり関心をもたない.
〈第52回 OT国試 午前48〉
小児自閉症患者に勧める活動として最も適切なのはどれか.
1.トランポリンで遊ぶ.
2.ままごとで父親役をする.
3.テレビを見ながら宿題をする.
4.野球のキャッチボールをする.
5.苦手な感覚を繰り返し受ける.
解答
1.○ 正しい.
2.× 自閉症児にままごとは難しい.
3.× 自閉症児は聴覚過敏をもっているのでテレビを見ながら宿題をするのは適切でない.
4.× 自閉症児に相互関係のある野球のキャッチボールは難しい.
5.× 自閉症は感覚刺激への反応の異常を持っているので苦手な感覚を繰り返すのは適切でない.
〈第56回 OT国試 午後45〉
作業療法における広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)への対応で適切なのはどれか.
1.攻撃的な行動には大きな声で「ダメ」とだけ簡潔に言う.
2.作業の適用時には内容をあらかじめ伝える.
3.こだわりに対しては行動変容を促す.
4.作業は自由度の高いものを用いる.
5.説明には言語的情報を多用する.
解答
1.× 聴覚過敏や急激な変化にパニックを起こす場合もあるため大きな声で叱責するのは好ましくない.また具体的にどの様な行動をとるのが正解かを本人のわかりやすい言葉で簡潔に伝えることが重要である.
2.○ 正しい.
3.× 広汎性発達障害のこだわりに対しては見守る.
4.× 作業は具体的で工程のわかりやすいものが良い.
5.× 広汎性発達障害への説明は視覚的情報を多用する.
〈第54回 OT国試 午前46〉
TEACCHプログラムが対象としているのはどれか.
1.自閉症
2.素行障害
3.選択性緘黙
4.チック障害
5.反応性愛着障害
解答
1.○ TEACCHプログラムが対象としているのは自閉症である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
〈第54回 OT国試 午前16〉
17歳の男子.自閉症.自分なりの特定のやり方にこだわり融通が利かず,臨機応変に振る舞えずに失敗体験を積み重ね,自尊感情が著しく低下している.この常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮として,最も重要なのはどれか.
1.静かな環境で作業する.
2.用件は具体的に伝える.
3.図や表を用いた説明を行う.
4.1つずつ段階を踏んで作業する.
5.予定変更がある時は前もって伝える.
解答
1.× 感覚刺激への反応の異常に関わる特性を踏まえた配慮である.
2.× 想像力の障害に関わる特性を踏まえた配慮である.
3.× 想像力の障害に関わる特性を踏まえた配慮である.
4.× 想像力の障害に関わる特性を踏まえた配慮である.
5.○ 正しい.
〈第52回 OT国試 午後18〉
8歳の男児.小児自閉症と診断されている.言語発達の遅れがみられ,軽度の精神遅滞を合併している.小学校に入学した後,「先生が何を言っているか分からない」と訴えた.保護者も強く希望し,特別支援学校に転校した.この児とのコミュニケーションにおいて,作業療法士が最も留意すべきなのはどれか.
1.一度に複数の指示をする.
2.絵やカードを豊富に使い指示をする.
3.言葉より表情の変化で意図を伝える.
4.不適切な行動は時間をおいてから指摘する.
5.個別にではなく集団の一員として声をかける.
解答
1.× 一度に一つの指示をする.
2.○ 正しい.
3.× 表情の変化で意図を捉えるのは苦手であるので絵カードなど可能なモダリティを使用する.
4.× 不適切な行動はその場で指摘する.
5.× 個別に声をかける.
〈第43回 OT国試 午前37〉
次の文により問題37,問題38に答えよ.8歳の男児.自閉症.小学校に入学後,好きな算数以外の授業中に奇声をあげるようになった.家ではこだわり行為を制する母親に暴力を振るうようになり,養護教諭の勧めで児童・思春期外来を受診した.受診後すぐに作業療法が開始された.患児の行動で予測されるものはどれか.2つ選べ.
1.質問し終わる前に答え始める.
2.話しかけに応じない.
3.同じことを繰り返し聞いてくる.
4.しゃべり続ける.
5.他者の邪魔をする.
解答
1.× 質問し終わる前に答え始めるのはADHDである.
2.○ こだわり行為が顕著なため話しかけに応じない.
3.○ こだわり行為がみられるため同じことを繰り返し聞いてくる.
4.× しゃべり続けるのはADHDである.
5.× 他者の邪魔をするのはADHDである.
〈第43回 OT国試 午前38〉
次の文により問題37,問題38に答えよ.8歳の男児.自閉症.小学校に入学後,好きな算数以外の授業中に奇声をあげるようになった.家ではこだわり行為を制する母親に暴力を振るうようになり,養護教諭の勧めで児童・思春期外来を受診した.受診後すぐに作業療法が開始された.作業療法士の対応で適切でないのはどれか.
1.算数を取り入れたプログラムを設定する.
2.質問は口頭だけでなく文字に書いて示す.
3.作業療法の終了時間を明確にする.
4.こだわり行為は制止する.
5.1対1で対応する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× こだわり行為は制止しない.
5.○ 正しい.
〈第57回 OT国試 午後45〉
自閉症スペクトラム障害患者が就労継続支援A型事業所を利用する際の作業療法士の対応として適切なのはどれか.
1.巧緻性が要求される作業を任せる.
2.事業所での経験を振り返るための面接をする.
3.事業所内のルールについてはその都度伝える.
4.利用開始時に苦手な場面から慣らしていく.
5.利用者同士で行う流れ作業から導入する.
解答
1.× 巧緻性の高くない作業を任せる.
2.○ 正しい.
3.× 事業所内のルールについては事前に伝える.
4.× 利用開始時に得意な場面から慣らしていく.
5.× 個別で自分のペースでできる作業から導入する.
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