第5章 発達障害作業療法学 08)広汎性発達障害 ①広汎性発達障害

〈第55回 OT国試 午後48〉

広汎性発達障害の説明で正しいのはどれか. 
1.女児に多い.
2.育児方法が発症に影響する.
3.障害は成人期までには消失する.
4.社会的コミュニケーションの障害はない.
5.小児期崩壊性障害は正常な発達の後に出現する.

解答

1.× 広汎性発達障害は男児に多い.
2.× 広汎性発達障害は育児方法が発症に影響しない.
3.× 広汎性発達障害は生涯継続する.
4.× 広汎性発達障害は社会的コミュニケーションの障害がある.
5.○ 正しい.


〈第42回 OT国試 午前94〉

広汎性発達障害の症状はどれか.2つ選べ. 
1.姿勢異常
2.常同行動
3.精神運動抑制
4.言語発達遅延
5.チック

解答

1.× 広汎性発達障害で姿勢異常はみられない.
2.○ 正しい.
3.× 精神運動抑制はうつ病でみられる.
4.○ 正しい.
5.× 広汎性発達障害でチックはみられない.


〈第48回 OT国試 午後49〉

広汎性発達障害に対する作業療法でみられる症状はどれか. 
1.行為心迫
2.常同行動
3.解離症状
4.離脱症状
5.陰性症状

解答

1.× 行為心迫は躁病でみられる.
2.○ 正しい.
3.× 解離症状は神経症性障害でみられる.
4.× 離脱症状は物質依存症候群でみられる.
5.× 陰性症状は統合失調症でみられる.


〈第44回 OT国試 午前96〉

幼児期の広汎性発達障害の作業療法の目的で適切でないのはどれか. 
1.社会性の発達
2.運動協応の向上
3.自己調節機能の向上
4.基本的生活習慣の確立
5.コミュニケーション能力の向上

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 幼児期に自己調節機能の向上はまだ早い.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第43回 OT国試 午前95〉

広汎性発達障害児の就学に向けた作業療法で適切でないのはどれか. 
1.学校の環境調整を図る.
2.身辺処理能力の向上を目指す.
3.異年齢集団での対人交流を促す.
4.家族へ障害の特徴を伝える.
5.遊びの幅を広げる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 同年齢集団での対人交流を促す.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第55回 OT国試 午前16〉

16歳の男子.高校に進学したが友人関係のトラブルが続き不登校となった.校医に相談し精神科を受診したところ,対人関係技能の低さ,こだわりの強さ,感覚過敏などを指摘され,作業療法に参加することとなった.この患者でみられる行動の特徴として正しいのはどれか. 
1.相手に気を遣い過ぎる.
2.本音と建前を区別できない.
3.葛藤に満ちた対人関係を結ぶ.
4.他者の関心を集めようとする.
5.否定的評価を受ける状況を避けようとする.

解答

1.× 広汎性発達障害が疑われるので,相手にあまり気を使わない.
2.○ 正しい.
3.× 広汎性発達障害が疑われるので,葛藤に満ちた対人関係にまで至らない.
4.× 広汎性発達障害が疑われるので,他者の関心を集めることは見られにくい.
5.× 広汎性発達障害が疑われ他者の気持ちを読み取ることが苦手なため,否定的評価か否かの状況判断が難しい.


〈第56回 OT国試 午後15〉

18歳の男子.幼少時から一人遊びが多かった.運動や言語の発達に目立った問題はないが,視線が合わないことが多い.急な予定変更や大きな音でパニックになることがあった.中学校や高校では場の空気が読めないことでいじめられた経験があり,現在は自室に引きこもり,ほとんどの時間をインターネットに接続したパソコンでアニメやゲームなどに興じている.心配した親が相談機関を訪れ,作業療法士が対応した.この男子の特徴としてみられやすいのはどれか. 
1.手先が器用である.
2.特定の物事にこだわる.
3.特定の領域の学習が苦手である.
4.特定の場面で発語が困難になる.
5.意思を伝える際に身振りを多用する.

解答

1.× 広汎性発達障害が疑われるので,手先が不器用である.
2.○ 広汎性発達障害が疑われるので,一つのことにこだわり,他者との交流が苦手・不器用な特徴がみられる.
3.× 特定の領域の学習が苦手なのは,学力の特異的発達障害の特徴である.
4.× 特定の場面で発語が困難になるのは,緘黙症の特徴である.
5.× 広汎性発達障害が疑われるので,身振りを使用するのは苦手である.


〈第44回 OT国試 午前38〉

次の文により38,39の問いに答えよ.20歳の男性.広汎性発達障害.高校の普通科を卒業後,工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり,昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した.その後,抑うつ的な状態が続き,精神科受診となった.この患者の行動特性はどれか.2つ選べ. 
1.場の雰囲気を読み取ることが苦手である.
2.順番を待つことができない.
3.新しいことが覚えられない.
4.不測の事態に対応できない.
5.常に落ち着きがない.

解答

1.○ 昼休みの同僚との会話からトラブルになるなど場の雰囲気を読み取ることが苦手である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 指示されたことが途中で変更になったことで怒るなど不測の事態に対応できない.
5.× 誤り.


〈第44回 OT国試 午前39〉

次の文により38,39の問いに答えよ.20歳の男性.広汎性発達障害.高校の普通科を卒業後,工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり,昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した.その後,抑うつ的な状態が続き,精神科受診となった.この患者への作業療法の目的で最も適切なのはどれか. 
1.体力の向上
2.自尊心の回復
3.見当識の改善
4.行動の自己洞察
5.生活リズムの回復

解答

1.× 誤り.
2.○ 抑うつ的な状態が続いているのでまず自尊心の回復を的とする.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


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