第5章 発達障害作業療法学 06)精神遅滞 ⑤症例問題

〈第43回 OT国試 午前39〉

次の文により問題39,問題40に答えよ.21歳の男性.知的障害.養護学校の高等部を卒業後,魚屋に住み込みで3年間働いていた.接客をすることになったころから,腹痛で休みがちとなった.つり銭を間違えたことがきっかけとなり,自分の頭を壁にたたきつけるなどの自傷行為がみられるようになり,精神科に入院となった.入院1週後に作業療法を開始した.この患者の行動特性はどれか.2つ選べ. 
1.同じ動作を繰り返す.
2.1つのことにこだわる.
3.感情表出が苦手である.
4.単純な作業は得意である.
5.じっとしていられない.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 腹痛など身体症状が出現するため感情表出が苦手である.
4.○ 接客など作業が複雑なものが難しいがそれまでの単純な作業は可能である.
5.× 誤り.


〈第43回 OT国試 午前40〉

次の文により問題39,問題40に答えよ.21歳の男性.知的障害.養護学校の高等部を卒業後,魚屋に住み込みで3年間働いていた.接客をすることになったころから,腹痛で休みがちとなった.つり銭を間違えたことがきっかけとなり,自分の頭を壁にたたきつけるなどの自傷行為がみられるようになり,精神科に入院となった.入院1週後に作業療法を開始した.復職に向けた支援で重要でないのはどれか. 
1.住み込み先への外泊
2.苦手な作業の確認
3.体力の向上
4.対人技能の訓練
5.職場との調整

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 入院後1週間後なので体力の向上は重要でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第51回 OT国試 午前20〉

24歳の女性.知的障害.就労継続支援A型事業を利用中.就労意欲は高いが状況の判断能力が低く,他者の発言を被害的に受け取る傾向が強く欠勤が多くなり,作業療法士に相談に来た.この患者で優先して支援すべきなのはどれか. 
1.洞察
2.職場の変更
3.作業耐久性の向上
4.生活リズムの安定
5.対人関係技能の向上

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 他者の発言を被害的に受け取る傾向が強いので対人関係技能の向上を優先して支援すべきである.


〈第57回 OT国試 午後18〉

19歳の男性.てんかん及び軽度知的障害(IQ60).特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した.「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり,引きこもりとなった.時々家族に暴力を振るうために,家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された.本人,家族とも復職を希望している.この患者に対して優先すべき対応はどれか. 
1.暴力の内省を促す.
2.対人技能の訓練を行う.
3.注意力を高める作業を行う.
4.てんかんの疾病教育を行う.
5.運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う.

解答

1.× 誤り.
2.○ 接客態度の注意がきっかけであり復職を希望しているので対人技能の訓練を優先して対応する.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第59回 OT国試 午後15〉

11歳の男児.知的障害.ゲームソフトを買ってもらえなかったことをきっかけに,母親への暴力が激しくなり精神科に入院した.入院1週後,興奮は徐々に落ち着いてきたため,作業療法が導入された.この患児に対して行う作業療法で適切でないのはどれか. 
1.暦年齢相応の作業を用いる.
2.障害の特性を家族に説明する.
3.患児が興味を示す作業から導入する.
4.指示をする際には称賛し動機付けを高める.
5.親子の自然な情緒的交流ができるように支援する.

解答

1.× 精神年齢相応の作業を用いる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


Back | 【第5章 発達障害作業療法学 目次】 | Next